社会学大図鑑

定価
4,620円
(本体 4,200円+税10%)
判型
B5変型判
カラー
オールカラー
ページ数
352ページ
ISBN
978-4-385-16237-9
寸法
23.5×19.5cm

初めて社会学を学ぶ人に最適の一冊。

オールカラーの図解入り大図鑑

クリストファー・ソープほか 著/沢田博 訳

  • コントからマルクス、ウェーバーを経てフーコー、バトラーまで社会学の成り立ちを概観したうえで、社会の不平等、都市と共同体、グローバル化、文化、消費と労働、制度、家族、セクシュアリティなどのテーマについて、豊富な図解と引用を用いて詳説。
  • 大学受験の評論や小論文対策にも。

特長

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さらに詳しい内容をご紹介

『社会学大図鑑』を推薦します。

小熊英二(社会学者)

まさに「図鑑」である。読みやすく、カラフルで、わくわくする。視点や問題意識がはっきりしている。反面、どこからも文句のつかない、総花的で無難な本ではない。「教科書」として暗記する本ではなく、自分の考えを発展させる対話相手にするべき本だ

本田由紀(社会学者)

万国の社会学者よ、集結せよ!
イメージを喚起するカラフルな図解や写真とともに、わかりやすく語られる社会学の展開。世界中の社会学からモザイク画のように描き出される社会学の世界がここにある。

執筆者・訳者プロフィール

編集顧問

クリストファー・ソープ
社会理論や文化社会学を専門とする社会学者で、アバディーン大学(スコットランド)で博士号を取得、学術誌「文化社会学」の共同編集長を務める。著書に『社会理論入門』(共著、2012)など。

執筆者

クリス・ユイル
社会学者でロバート・ゴードン大学(スコットランド)講師。地域社会や職場における健康管理や都市空間の問題に詳しく、イギリス社会学会の理事も務めた。著書に『健康の社会学序説』(2011)など。
ミッチェル・ホッブス
シドニー大学(オーストラリア)メディアコミュニケーション学部講師で、ニューカッスル大学(オーストラリア)でメディア社会学の博士号を取得。共著に『コミュニケーション、ニューメディアと日常生活』(2011)があり、メディア論、コミュニケーション論に詳しい。
ミーガン・トッド
セントラル・ランカシャー大学(イギリス)の上級講師で、ニューカッスル大学(イギリス)で社会学の博士号を取得。ジェンダーやセクシュアリティ、暴力の問題に詳しく、現在はセクシュアリティに関する教本を執筆中。
サラ・トムリー
著述家・編集者で心理療法士。DK社「大図鑑」シリーズの『哲学大図鑑』、『心理学大図鑑』を含む多くの社会科学書に寄稿している。
マーカス・ウィークス
哲学を学び、教職に就いた後、著述家に転身。ミュージシャンでもある。DK社「大図鑑」シリーズを含め、芸術や科学に関する一般書に数多く寄稿している。

訳者

沢田博〔さわだ・ひろし〕
「ニューズウィーク日本版」編集顧問。「図書新聞」、「ニューズウィーク日本版」、「エスクァイア日本版」の各編集長を歴任。編著書に『「ニューズウィーク」で読む日本経済』、『ジャーナリズム翻訳入門』など。訳書に『経営学大図鑑』、タリーズ『名もなき人々の街』『有名と無名』、ニッセンバウム『引き裂かれた道路』ほか多数。

目次

はじめに

社会学の成り立ち

心で敗れたら国は滅びる
イブン・ハルドゥーン

放浪するにせよ安住するにせよ、和解するにせよ対立するにせよ、人は常に群れている
アダム・ファーガソン

科学は世界を改良する役に立つ
オーギュスト・コント

アメリカ独立宣言は人類の半分を無視している
ハリエット・マルティノー

ブルジョア階級の凋落とプロレタリア階級の勝利はどちらも等しく避けがたい
カール・マルクス

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト
フェルディナント・テンニース

人の体に似て、社会の各部分とニーズ、機能は相互に関連している
エミール・デュルケーム

合理性という名の鑑
マックス・ウェーバー

個人のトラブルも公共の問題として理解する必要がある
チャールズ・ライト・ミルズ

普通でない出来事に向けられてきた注意を、最もありふれた行為に向けよ
ハロルド・ガーフィンケル

権力あるところに抵抗あり
ミシェル・フーコー

ジェンダーは、言ってみればオリジナルのない模倣だ
ジュディス・バトラー

この社会が不平等を生み出す

私はブルジョアジーを社会的殺人の罪で強く非難する
フリードリッヒ・エンゲルス

20世紀最大の問題はカラーライン(肌の色による差別)だ
W・E・B・デュボイス

貧しい人々は、普通の暮らしの様式、慣習、日々の活動から排除されている。
ピーター・タウンゼント

ユニオンジャックに黒はない
ポール・ギルロイ

帰属の感覚
ピエール・ブルデュー

オリエントとはすべての東洋が閉じ込められた舞台だ
エドワード・サイード

ゲットーとは黒人が住む場所だ
イライジャ・アンダーソン

自由のための道具が屈辱の根源になる
リチャード・セネット

家父長制における男性の利益は、覇権的男性性に凝縮されている
R・W・コンネル

白人女性はこの帝国主義的で白人至上主義的で資本主義的な家父長制の共犯者だ
ベル・フックス

「家父長制」の概念を抜きにしてジェンダーの平等は分析できない
シルヴィア・ウォルビー

群れから村へ、そして都市のディストピアへ

よそ者は個人として扱われず、ある類型に属する「異邦人」と見なされる
ゲオルク・ジンメル

都市を、そして自らを再建する自由
アンリ・ルフェーブル

路上には人々の目が必要だ
ジェイン・ジェイコブズ

コミュニケーションだけがコミュニケーションできる
ニクラス・ルーマン

何が良いことかは社会が明確にすべきだ
アミタイ・エツィオーニ

マクドナルド化は社会の(ほとんど)すべての面で進んでいる
ジョージ・リッツァ

共同体の絆は弱まっている
ロバート・D・パットナム

ディズニー化でありふれた退屈が劇的な体験に変わる
アラン・ブライマン

ロフトで暮らすことはショーウインドウの中で暮らすようなものだ
シャロン・ズーキン

グローバル化した世界に暮らすということ

すべてが流動化した時代に確固とした全体性などありえない
ジグムント・バウマン

近代世界システム
イマニュエル・ウォーラーステイン

グローバルな問題に、ローカルの視点を
ローランド・ロバートソン

気候変動への対処は先延ばし
アンソニー・ギデンズ

多元的な知識形態の共存を認めない限り社会的正義は実現できない
ボアベンチュラ・デ・ソウサ・サントス

ネットワークで新たな生産能力を引き出す
マニュエル・カステル

私たちは制御不能な世界に生きている
ウルリッヒ・ベック

まるで世界全体がたえず移動しているようだ
ジョン・アーリ

歴史を呼び覚ますとナショナリズムが蘇る
デヴィット・マックローン

グローバル・シティは新規事業の戦略拠点
サスキア・サッセン

社会によって近代の受容方法は異なる
アルジュン・アパデュライ

変化のプロセスが人間とコミュニティの関係を変える
デヴィット・ヘルド

文化と秩序と私たちのアイデンティティ

「主我」と「客我」
ジョージ・ハーバート・ミード

近代社会を生きるには、幻想を持たず、幻滅することなく抵抗することが必要だ
アントニオ・グラムシ

文明化の過程は常に「先へ」進んでいる
ノルベルト・エリアス

大衆文化が政治的抑制を強化する
ヘルベルト・マルクーゼ

未来の人間はロボットになってしまう
エーリッヒ・フロム

文化とは普通のものだ
レイモンド・ウィリアムズ

スティグマ。それは人の評価を深く傷つけるスタンプのようなものだ
アーヴィング・ゴッフマン

情報ばかりが増え、意味が減りゆく世界に私たちは生きている
ジャン・ボードリヤール

現代のアイデンティティは脱中心化している
スチュアート・ホール

あらゆる共同体は想像の産物だ
ベネディクト・アンダーソン

世界中の文化がしぶとく前進を続け、舞台の中央に行き着いた
ジェフリー・アレクサンダー

万国の労働者よ、さっさと消費に励め!

見せびらかすために高額な商品を買い身につける これぞ有閑階級の生きる道だ
ソースティン・ヴェブレン

天職と思えばこそピューリタンは喜んで働いた。しかし私たちは強制的に働かされている
マックス・ウェーバー

テクノロジーは芸術と同じく人間の想像力をさらなる高みに導くエクササイズだ
ダニエル・ベル

機械が洗練されればされるほど労働者の技能は衰えていく
ハリー・ブレイバーマン

自動化が進めば、仕事のプロセスに対する労働者の裁量は増える
ロバート・ブラウナー

ロマン主義の論理は消費社会の精神を促進する
コリン・キャンベル

人間を加工すると「心の状態」という製品ができる
アーリ―・ラッセル・ホックシールド

自発的な同意は強制と結びつく
マイケル・ブラウォイ

人がモノを作るのと同様にモノは人を作る
ダニエル・ミラー

職場が女性化してもジェンダー格差はたいして減らない
テリ・リン・キャラウェイ

この社会の諸制度は有益なのか有害なのか

宗教は抑圧された人々の深い溜め息だ
カール・マルクス

少数者による鉄壁の支配
ロベルト・ミヘルス

健康な人が病院で出産する理由はなく、病院で死ぬ必要もない
イヴァン・イリイチ

社会の圧力や期待に対する自分なりの答えとして人は犯罪に走る
ロバート・K・マートン

「全制的施設」はその入所者から彼らの援助システムもアイデンティティも奪う
アーヴィング・ゴッフマン

政府の役目は物事を正しく配置することだ
ミシェル・フーコー

もはや宗教は有効性も社会的意義も失った
ブライアン・ウィルソン

人のアイデンティティも行動も他者からどう評され、どう分類されるかで決まる
ハワード・S・ベッカー

経済危機は直ちに社会の危機に転化する
ユルゲン・ハーバーマス

学校は貧者のためにもなるが貧者を従属させる場でもある
サミュエル・ボウルズと
ハーバート・ギンタス

この社会はいつどこでモラル・パニックが起きてもおかしくない
スタンリー・コーエン

部族(小集団)の時代だ
ミシェル・マフェゾリ

労働者階級の子はいかにして労働者階級の職に就くか
ポール・ウィリス

家族とは何か、性的なアイデンティティとは?

男と女の違いを生み出すのは文化だ
マーガレット・ミード

家族はパーソナリティの生産工場
タルコット・パーソンズ

欧米の男性は告白好きな生き物
ミシェル・フーコー

異性愛は社会的な制度として理解され、研究されるべきだ
アドリエンヌ・リッチ

家族のあり方は多様になり、活動的で、今も変わりつつある
ジュディス・ステイシー

婚姻の契約は労働契約だ
クリスティーヌ・デルフィ

家事労働は自己実現につながらない
アン・オークレー

愛には犠牲がつきもの
ウルリッヒ・ベックと
エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム

セクシュアリティは肉体の問題というより、信念やイデオロギーの問題だ
ジェフリー・ウィークス

クィア理論はアイデンティティを根本から問い直す
スティーブン・サイドマン

社会学人名録

用語解説

索引

出典一覧・訳者あとがき