「…国語辞典」「…漢字辞典」という名前のものは、だいたいご想像のとおりの内容と思いますので、たぶんちょっとわかりにくい、三省堂から複数出ております「絵じてん」について、取り上げたいと思います。
三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
辞書・事典
子どもの辞典・絵じてんの選び方―内容から選ぶ方法
指さしが増えてきたとき。
「これはなに?」「なんでなんで?」と聞くようになってきたとき。
⇒『こども もののなまえ絵じてん 増補新装版』がおすすめです。 見開きごとのタイトル(食べものでは「料理」「野菜」、家の中から「お風呂とトイレの道具」、乗り物では「はたらく車」「電車」などなど)で、そのカテゴリーに属するものの名前がとにかくたくさん載っています。
2016年4月に刊行した増補新装版では、幼児が日常生活で触れる、地球や宇宙に関することばのページを増補しました。
それぞれの見開きのテーマは「りくと うみ」「そらと てんき」「つきと ちきゅう」「ほしと せいざ」「たいようと わくせい」「ちきゅうから うちゅうへ」「ちきゅうと うちゅうの クイズ」など。
「○○ってなに?」と聞くようになってきたとき。
⇒『こども ことば絵じてん 増補新装版』がおすすめです。 五十音順に並んでいるので、目当てのことばがわかっているとき、ひらがながわかるお子さんなら一人で調べることができます。また、小さなお子さんにやさしいことばで教えるためのガイドにもなります。
2016年4月に刊行した増補新装版では、保育園、公園などの場面別に、幼児の日常生活にそくした用例で、敬語の基礎的な表現が学べる「ていねいに はなそう」を増補。
ことばが増えてきたとき。言い間違いが出てきたとき。
もっともっといろいろ知りたいという意欲が見えるとき。
⇒『こども ことばつかいかた絵じてん 増補新装版』がおすすめです。 日常生活のある場面で使われる言葉が見開きで一覧できるページや、似た意味のことばの微妙な使い分けがイラストでわかりやすく描かれているページが理解を助けます。
2016年4月に刊行した増補新装版では、意味が似ている二つのことばを比較した「にている ことばの つかいわけ」を増補しました。「いる」と「ある」/「あがる」と「のぼる」/「おろす」と「さげる」/「いう」と「はなす」/「おもう」と「かんがえる」/「たたく」と「うつ」/「とどく」と「つく」/「のこる」と「あまる」などの使い方の違いがイラストとともにわかりやすく示されています。
日本の生活の様子や、伝統文化について伝えたいとき。
⇒『こども にほんのでんとう絵じてん』がおすすめです。
現代の日本では、都市化・国際化が進み、どんなことが日本で受けつがれてきたのか、見えにくくなりつつあります。この絵じてんでは、あいさつ・食べもの・住まいと暮らし・装い・遊び・行事・伝統芸能・技の8つをテーマとして、日本の主な伝統文化について子ども向けにイラストと文で解説してあります。
テーマの末尾には、日本各地に伝えられている伝統文化や、そのテーマにまつわる慣用句やことわざなども掲載されています。
身近な人が何度言ってもなかなか伝わらない、
生活習慣やマナーについて。
⇒『こども マナーとけいご絵じてん』がおすすめです。 たとえば、ご飯のときに途中で席を離れたり、朝の支度がなかなか進まなかったり……身近な大人が口をすっぱくして言っても、なかなか変わらない子どもの行動。日常生活にそくした場面をイラストで展開し、必要なマナーを目に見える形で表しているので客観化しやすく、また、「本に載っている」ということが誰にとっても守るべきマナーなのだと気づくきっかけとなります。手順が一覧になっているページは、子どもが見通しをもつのにも役立ちます。
「どうしてむねがドキドキするの」「ころんだとき、血が出てくるのはなぜ」と体の仕組みに興味をもったとき。
⇒『こども からだのしくみ絵じてん』がおすすめです。 元気に過ごすために、体の仕組みを知ることは、とても大切です。仕組みがわかれば、うがいや手洗い、歯みがきなどがなぜ大事なのかもよくわかります。 この絵じてんでは、「ほねときんにく」「おなかのなか」「はい・しんぞうとけっかん」「もののようすをうけとる5つのきかん」「のうとしんけい」「けが・びょうきとけんこう」の6つをテーマに、人の体の仕組みや働きを図解します。
食べることや食べるものを作ることに興味が出てきたとき。
⇒『こども りょうりのことば絵じてん』がおすすめです。 身近な料理や食材に関する言葉をとおして、似た言葉の微妙な違いに気づくことができます。食材の栄養や調理方法、調理の道具の役割など、レシピ本ではなく、言葉という観点から解説します。食べ物や調理の知識はもちろん、ごはんの準備や後片付けなど、お手伝いができることもわかる。各章末のコラム「つくってみよう」では、料理に興味をもった子どもたちの「作ってみたい」気持ちを後押しします。
まわりの人の仕事に興味が出てきたとき。将来なにになりたいか考えるようになったとき。
⇒『こども しごと絵じてん』がおすすめです。 パティシエ、保育士、医師といった子どもに人気の仕事や、介護福祉士、ロボットエンジニア、樹木医など、今後、新たな需要が予想される仕事など、約300の仕事について、その概要と仕事に関わる道具やことばをイラストとともに紹介しています。職場全体を大きなイラストで見せるページでは、いろいろな役割の人が働いていることもわかります。働くことへの夢や意欲を育む一冊です。
スポーツをはじめたいとき。ルールを子どもにわかりやすく説明したいとき。
⇒『こども スポーツ絵じてん』がおすすめです。 ルールがわかればスポーツはとても楽しいものとなります。この絵じてんでは、サッカー、野球、バスケットボールから、相撲、柔道、剣道まで、オリンピックやパラリンピックの競技を中心に、約70のスポーツについてルールや関連することばを図解しています。スポーツを観るときにも行うときにも役立つ一冊となるでしょう。
災害をどう予防するか子どもに伝えたいとき。事故にあわないよう注意したいとき。
⇒『こども ぼうさい・あんぜん絵じてん』がおすすめです。 交通事故、犯罪、火事、大雨、台風、落雷、大雪、地震、津波、火山噴火……身のまわりにある危険から子どもを守るには、子ども自身が的確な知識を身につけ、それをもとに自分で考えることが大切です。この絵じてんでは、防災・安全に関することばと知識をわかりやすい絵と解説で学ぶことができます。
「空はどうして青いの?」など、身近な自然現象に興味を持ち始めたとき。
⇒『こども かがく絵じてん』がおすすめです。 「かがくって なあに?」「ちから」「みず・くうき」「ひかり・ねつ・おと・でんき」「ものの へんか・ものの しくみ」「ちきゅう・うちゅう」の章立てで、物理学・化学・地球科学・天文学の分野を中心に、身近な自然現象の原理やしくみをわかりやすく図解します。子どもの素朴な疑問を、科学的なものの見方や考え方へとサポートする、はじめての自然科学絵じてんです。
保育園・幼稚園で体験する行事やイベントを
子どものわかることばで伝えたいとき。
⇒『こども きせつのぎょうじ絵じてん 第2版』がおすすめです。園や学校では季節ごとのイベントをふんだんに取り入れています。しかし都市化した現代の家庭では縁遠いものとなっており、お父さんお母さんもよく知らないということも多くあることでしょう。行事の由来や歴史について聞かれたときに、子どもにわかることばで説明するためのヒントも答えも載っています。
春夏秋冬の季節のうつろいや、季節をあらわすことばに反応するようになったとき。
⇒『こども きせつのことば絵じてん』がおすすめです。 季節の言葉を知ることは、語彙を豊かにすることはもちろん、四季折々に家族や友達と重ねる体験をより豊かにするきっかけともなるでしょう。この絵じてんは、春・夏・秋・冬の4章立てで、暦・気象・風景・動植物・行事・衣食住などの風物や心情など俳句の季語を中心に約780の季節の言葉を収録しています。それぞれの季節の代表的な名句を紹介するコラムもあります。なお、季節ごとの行事や記念日の由来・歴史については『こども きせつのぎょうじ絵じてん 第2版』をおすすめします。
数字が気になりだしたら。
⇒『三省堂 こどもかずの絵じてん』 『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』がおすすめです。お風呂のなかで数をとなえることができる、おやつはいくつということがわかる、そういった「数」の理解への一歩を踏みだした子に、より深い理解へと導きます。ものによって「枚」「本」「つ」などで数えることも目で見てわかります。カレンダーや時計の見方も載っています。
ひらがなが気になりだしたら。
⇒『三省堂 こどもひらがな絵じてん』『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』がおすすめです。 お話が上手になり、本を自分で読みたがったり、本に書いてある字をまねしようとしたりと、ひらがなに興味が出てきたときに。迷路や間違い探しなど楽しみながら文字に親しむことができます。
※『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』は、『三省堂 こどもひらがな絵じてん』と『三省堂 こどもかずの絵じてん』が一冊になったものです。サイズも小さくなっています。