辞書・ことば企画:10分でわかる「ニッチ」
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10分でわかる「ニッチ」の意味と使い方

【どういう意味?】

「隙間(すきま)」や「適所」のこと、経済分野では「隙間市場」のことです。

【もう少し詳しく教えて】

ニッチ(niche)とは、もともと西洋建築の用語で「壁の凹み」のこと。ニッチェと表記する場合もあります。壁面や柱を半円・方形にくりぬき、中に彫刻などを飾れるようにした部分をさします。

一方、一般的にニッチの語が登場する場合は「隙間」や「適所」の意味で用いられることが多いようです。前述の凹みを「隙間」のイメージに捉え、飾りものがピタリとはまる様子を「適所」のイメージに捉えたものです。とりわけ経済やマーケティングの分野では「潜在的な需要がありながら、これまで誰も手を付けずに隙間になっていたような分野や市場」のことを、ニッチ市場とかニッチマーケット(=隙間市場)などと呼んでいます。

【どんな時に登場する言葉?】

隙間市場の意味のニッチは、マーケティングの分野で頻出する用語です。前述の通り、潜在的な需要がありながら誰も手を付けずに隙間になっていた市場のことを「ニッチ市場」「ニッチマーケット」と呼び、その市場に焦点を絞った戦略のことを「ニッチ戦略」「ニッチマーケティング」と呼び、その戦略によって提供された商品やサービスのことを「ニッチ商品」「ニッチサービス」と呼び、その商品やサービスを提供するビジネスのことを「ニッチビジネス」「ニッチ産業」などと表現します。

ただし同じニッチの語を使っていても「誰も気がつかなかったのに市場規模が大きかった」というケースと、「市場規模は小さいけれども堅実な商売を行なっている」というケースが混在しているようですので、文脈による判断が必要だと思われます。

【どんな経緯でこの語を使うように?】

古くから使用される語ですが、ニッチ戦略(=隙間戦略)の重要性が認識されるにつれて、この語を使用する場面が増えてきた経緯があるようです。例えばコンビニエンスストア業界は、既存の一般小売店やスーパーマーケットによってカバーできなかった立地・営業時間・品揃えなどをサポートすることによって成長を遂げました。また宅配便業界も、既存の運送業者によってカバーできなかった小口荷物・取次店システムなどをサポートすることによって成長を遂げた経緯を持ちます。つまりこれらの業界は、ニッチ戦略によって成長を遂げたことになります。

【ニッチの使い方を実例で教えて!】

ニッチな○○
ニッチは形容動詞的に用いる事が可能です。例えば「ニッチな市場に参入する(=隙間市場に参入する)」「ニッチなニーズを見つけて商品を開発する(=潜在需要を見つけて商品を開発する)」などの用例があります。
ニッチャー
ニッチ戦略によって、市場での優位性を確保しようとする企業のことを、俗に「ニッチャー」と呼んでいます。「ニッチプレーヤー」と言う場合もあります。
グローバルニッチ
経済の急速なグローバル化(=世界化)を背景に「グローバルニッチを狙おう」とする経営戦略が知られるようになりました。「たとえニッチ市場(=隙間市場)であっても、世界規模で見れば大きな市場規模となる」という考え方です。国内市場で規模の経済が働かなかった商品やサービスでも、世界規模で見ればそれを克服できる可能性があるわけです。世界市場で圧倒的なシェアを誇るような中小の製造業などは、まさにグローバルニッチ戦略の具現者ということになります。

【言い換えたい場合は?】

壁の凹みの意味のニッチを言い換える場合は「壁龕(へきがん)」という訳語が存在しますので、それを用いて下さい。また一般の意味のニッチを言い換える場合は「隙間」または「適所」の語を用いることができます。さらに市場としてのニッチを言い換える場合は「隙間市場・隙間分野・隙間産業」などの語を試してみて下さい。

【雑学・うんちく・トリビアを教えて!】

ワシとフクロウの棲み分けニッチは生物学の分野でも使用される用語です。「ある生物が生態系の中で得た、最適な生息場所」ぐらいの意味です。例えばワシとフクロウは双方とも肉食の鳥ですが、昼夜に行動を分けることによって同じ環境での共存を図っています。つまりワシにとっての昼間や、フクロウにとっての夜間が、各々にとってのニッチ(=適所)ということになるわけです。このような適所を、エコロジカルニッチ(生態的地位)と呼ぶ場合もあります。ちなみにニッチの語源はラテン語の n?dus(巣)です。

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