子どもの辞典・絵じてんの選び方2016 年齢に合わせて選ぶ

2016年 4月 19日 火曜日 筆者: ogm

三省堂の絵じてんシリーズは、読者の皆さまに支えていただき刊行から20年。このたび増補新装版が刊行されましたので、あらためて、絵じてんの選び方についてご紹介いたします。小学生向け辞典についても、最新の情報を掲載いたしました。

まずは、年齢に合わせて選ぶ方法から。

※ここでの年齢は、あくまでも目安です。これを踏まえて、お使いになるお子さんに合うものをお選びください。

■1~6歳

『こども もののなまえ絵じてん 増補新装版』
  256ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,070g
  本体定価 2,900円 ISBN 978-4-385-14318-7

▶幼児を取り巻くさまざまな物とその名称約2100項目を分野別に図解。
▶物の名前を覚えるツールとして、また分野別の物の図鑑として使える。
▶新たに「ちきゅうと うちゅう」を増補。

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■2~6歳

『こども ことば絵じてん 増補新装版』
  432ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,435g
  本体定価 3,900円 ISBN 978-4-385-14314-9

▶6歳までに必要とされる語彙約2,900語を五十音順に収録。
▶「どうぶつ」などのテーマ別項目も随所に配置。
▶絵本のような楽しい紙面。
▶新たに「ていねいに はなそう」16ページを増補。

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『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』
  432ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,435g
  本体定価 3,900円 ISBN 978-4-385-14316-3

▶幼児の日常生活にそくした場面設定で、ことばの使い方や使い分けを例示。
▶類義語、派生語、反対語や修飾関係などを、絵本のような大きな紙面で解説。
▶ことばを活用する力や表現力が、自然に身につく。
▶新たに「にている ことばの つかいわけ」16ページを増補。

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■3~7歳

『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』
192ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 790g
  本体定価 2,500円 ISBN 978-4-385-15852-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 400g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-14311-8

▶年中行事・記念日の由来や歴史がわかる絵じてんとして好評を博してきたロングセラーに、待望の増補新装版が登場!
▶新たに、「さとやまのくらし」の章を追加。
▶幼稚園・保育園で子どもたちが体験する季節ごとの行事を、イラストでわかりやすく解説し、大人も知らない情報を満載!

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『こども にほんのでんとう絵じてん』
  176ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 770g
  本体定価 2,500円 ISBN 978-4-385-14312-5

▶日本で受け継いできた伝統的な文化や生活習慣を楽しいイラストで図解する伝統文化の入門絵じてん。
▶挨拶・食べもの・住まいと暮らし・装い・遊び・行事・伝統芸能・技の8つをテーマに、イラストと文で解説。
▶子ども向け解説はすべてひらがな表記。大人が知らない情報も満載。

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■4~7歳

『三省堂 こどもひらがな絵じてん』
  96ページ オールカラー
  サイズ:B5判(縦257mm×横182mm) 重さ 585g
  本体定価 1,400円 ISBN 978-4-385-15032-1

▶ひらがなの読み書きが、楽しいイラストとゲーム感覚の展開で、遊びながら自然に身につく絵じてん。
▶具体的な単語との結びつきで、個々の文字を着実に覚えることができる構成。
▶「は」と「ほ」の区別や、濁音・半濁音など、幼児が間違いやすい字も、らくらく習得できる類書中の決定版。

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『三省堂 こどもかずの絵じてん』
  96ページ オールカラー
  サイズ:B5判(縦257mm×横182mm) 重さ 565g
  本体定価 1,400円 ISBN 978-4-385-15033-8

▶1~100までの数字と物の数え方が、楽しいイラストとゲーム感覚の展開で、遊びながら自然に身につく絵じてん。
▶「匹」「枚」といった助数詞など、幼児が間違いやすい数え方も、らくらく習得できる類書中の決定版。
▶カレンダー(日付)や時計の読み方、お金の数え方など付録も充実。

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『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』
  192ページ オールカラー
  サイズ:B5変型判(縦218mm×横153mm) 重さ 420g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-15013-0

※『三省堂 こどもひらがな絵じてん』と『三省堂 こどもかずの絵じてん』が一冊になったものです。サイズも小さくなっています。

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■幼児~小学生

『こども マナーとけいご絵じてん』
176ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 730g
  本体定価 2,400円 ISBN 978-4-385-14309-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 370g
  本体定価 1,800円 ISBN 978-4-385-14310-1

▶子どもの生活に密着したテーマをとりあげ、家庭・学校・公共の場所など日常生活の場面ごとに解説を加えた、マナーと敬語の入門絵じてん!
▶見開き全面を使った楽しいイラストによる図解、ふりがなつきの丁寧な説明で、未就学児・小学校低学年から楽しく学べる。
▶大人向け解説・最新の敬語解説つき。

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■入学前~小学3年生くらい

『三省堂 こどもこくごじてん』
  264ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 745g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-14300-2

▶入学前から小学校1・2・3年生を対象に、大事なことばを約1,200項目を収載。
▶五十音配列の国語辞典の原則をおさえつつ、子どもが親しみやすい紙面構成。
▶わかりやすい用例文と、それを表した1000点以上のカラーイラストに加え、ことばの知識を深める,イラスト主体のテーマ別特集ページも収録。
▶これから国語を学び始める新小学生にぴったりの国語辞典の入門編。総ルビ。

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『三省堂 こどもかんじじてん』
  256ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 715g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-14303-3

▶小学校1・2・3年生配当の学習漢字全440字を収録。
▶学年別・代表音訓順に親字を配列。
▶豊富に盛り込んだ楽しいカラーイラストとともに、音訓・部首・画数・意味・筆順・文例・熟語・なりたちなど、学習に役立つ情報を満載。
▶知識を深める特集ページも収録。
▶音訓さくいんはじめ合計5種類の検索方法が可能。
▶これから漢字を学び始める新小学生にぴったりの辞典。

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『三省堂 こどもことわざじてん』
  224ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 640g
  本体定価2,000円 ISBN 978-4-385-14306-4

▶小学生を対象に、大事なことわざ・慣用句・故事成語などを約1,100項目収載。
▶使い方がよくわかる例文と、カラーイラストが多数。巻末には、ことばの知識が深まるよう工夫されたさくいん―なかまのことわざ(「にた意味のことわざ」など)を収録。
▶小学生にぴったりのことわざ辞典の入門編。総ルビ。

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■小学生

『三省堂 例解小学国語辞典 第六版』
1,280ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 750g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-13885-5
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 975g
  本体定価 2,200円 ISBN 978-4-385-13886-2

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『三省堂 例解小学漢字辞典 第五版』
1,216ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 710g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-13890-9
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 910g
  本体定価 2,200円 ISBN 978-4-385-13891-6

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『三省堂 例解小学ことわざ辞典 新装版』
416ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 470g
  本体定価 1,500円 ISBN 978-4-385-13953-1
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 610g
  本体定価 1,700円 ISBN 978-4-385-13954-8

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『三省堂 例解小学四字熟語辞典 新装版』
288ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 350g
  本体定価 1,300円 ISBN 978-4-385-14292-0
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 445g
  本体定価 1,500円 ISBN 978-4-385-14293-7

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※重さはケース・特典等を除いた本体のみの重量です。5g単位で示しています。保管状態や天候・湿度などによっても違ってきます。また、同じページ数でも、インクの量や紙の素材等により異なります。

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子どもの辞典・絵じてんの選び方

(1) 年齢に合わせて選ぶ (この記事)
(2) 内容から選ぶ
(3) それぞれの目次を見る
   『こども ことば絵じてん』
   『こども ことばつかいかた絵じてん』
   『こども もののなまえ絵じてん』
   『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』
   『こども マナーとけいご絵じてん』
   『こども にほんのでんとう絵じてん』
   『三省堂 こども かずの絵じてん』
   『三省堂 こども ひらがな絵じてん』
   『こども ひらがなとかずの絵じてん』


子どもの辞典・絵じてんの選び方(3-2) 目次から『こども マナーとけいご絵じてん』

2013年 12月 4日 水曜日 筆者: ogm

第3回の今回は、それぞれの本ごとに目次をご紹介いたします。

まずは新刊から。

『こども マナーとけいご絵じてん』

はじめに 坂東眞理子
この絵じてんの特長と使いかた

1 元気にあいさつ
 一日のあいさつ / いろいろなあいさつ / 「はい」と「いいえ」 / しせいは正しく
*えがおのじかん 世界のあいさつ

2 毎日きもちよく
 朝起きてから出かけるまで / 帰ってからねるまで / 食事のとき / 食べるとき / はしを使うとき / 食事のしたくとあとかたづけ / そうじをするとき せんたくをするとき / トイレを使うとき おふろを使うとき / るす番をするときは / 家族といっしょに / おじいさん、おばあさんといっしょに / お客さまが来たときは / ペットをかうときは

*えがおのじかん どっちがいいかな? 食事やかたづけ

3 たのしい学校
 元気に登校 / 教室の中で / 給食やそうじのとき / ろう下や階段で / 校庭に出るときは / 図書室で / 水飲み場やトイレで / しょくいん室に入るときは / ほけん室に行くときは
*えがおのじかん こんなときどう言う? 先生や友だちに話すとき

4 みんな なかよく
 友だちになるには / いっしょに遊ぶとき / 物を貸したり借りたりするとき / 友だちとうまくいかないときは / みんなで一つのことをするとき
*えがおのじかん 自己しょうかいをしてみよう

5 さあ出かけよう
 出かけるときは / 道路で / 自転車に乗るとき / 車に乗るときは / 電車に乗るときは / 電車の中では / 友だちの家に行くときは / 友だちの家では / 家の近くで気をつけることは / 親せきの家に行くときは / こまっている人を見かけたら

*えがおのじかん どっちがいいかな? 友だちの家に行くとき

6 いろいろな所で
 公園で遊ぶときは / 買いもののときは / デパートやショッピングセンターで / エスカレーターやエレベーターで / ファミリーレストランで / レストランでは / いろいろなお店で食事をするとき / 旅館やホテルでは / 博物館や美術館、映画館に行くときは / 病院に行くときは / 海や山に行くときは

*えがおのじかん こんなときどう言う? はじめて会った人に話すとき

7 きちんと話そう
 話すとき聞くとき / おうちでは / 授業のときは / 近所の人やまちの中で会う人と / まちの中の敬語 / ていねいに話そう / ていないなことばときれいなことば / 相手の人やほかの人の動作を言うとき / 自分の動作を言うとき / 敬語を使うとき
*えがおのじかん 気持ちをとどけよう

8 おとなの一歩
 電話に出るとき / 電話をかけるとき / るす番のときに電話がかかってきたら / 携帯電話を使うときは / はがきや手紙を書くときは / お見まいに行くときは / 結婚式に招待されたときは / お葬式のときは / きせつの行事 / きせつの行事では

おうちのかたへ
 よりよいコミュニケーションのために 蒲谷宏

さくいん

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『こども マナーとけいご絵じてん』

176ページ オールカラー 幼児~小学生向け
[増補新装版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 730g
  本体定価 2,400円 ISBN 978-4-385-14309-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 370g
  本体定価 1,800円 ISBN 978-4-385-14310-1

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子どもの辞典・絵じてんの選び方

(1) 年齢に合わせて選ぶ
(2) 内容から選ぶ
(3) それぞれの目次を見る
   『こども もののなまえ絵じてん』
   『三省堂 こども ことば絵じてん』
   『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』
   『こども きせつのぎょうじ絵じてん』
   『こども マナーとけいご絵じてん』(この記事)
   『三省堂 こども かずの絵じてん』
   『三省堂 こども ひらがな絵じてん』
   『こども ひらがなとかずの絵じてん』


子どもの辞典・絵じてんの選び方(3-1) 目次から『こども きせつのぎょうじ絵じてん』

2013年 12月 4日 水曜日 筆者: ogm

第3回の今回は、それぞれの本ごとに目次をご紹介いたします。

まずは新刊から。

『こども きせつのぎょうじ絵じてん』

1がつ [うた:おしょうがつ]
おしょうがつ(おしょうがつは どうして おめでたいの? / おしょうがつは いつから はじまったの? / おしょうがつの あそび これ なあに? / おしょうがつの たべもの これ なあに? / おしょうがつの もの これ なあに?) / せいじんのひ / こしょうがつ
◎1がつの ぎょうじと くらし
 はつもうで・はつひので・かきぞめ・ししまい・かがみびらき・はつゆめ・かまくら・みかん・すいせん など
*1がつの あそび……ななくさがゆを つくろう

2がつ [うた:ゆき]
せつぶん(せつぶんは いつ はじまったの? / どうして まめを まくの? / おにが でてくる おはなし)
◎2がつの ぎょうじと くらし
 けんこくきねんのひ・バレンタインデー・うるうどし・はるいちばん・うめ・うぐいす など
*2がつの あそび……おにの おめんをつくろう

3がつ [うた:うれしい ひなまつり]
ひなまつり(ひなまつりは いつから はじまったの? / ひなまつりの もの これ なあに?) / そつえんしき / はるやすみ
◎3がつの ぎょうじと くらし
 みみのひ・けいちつ・ホワイトデー・おひがん・しゅんぶん・イースター・しおひがり・さんかんしおん・もものはな・たんぽぽ・はるのさんさい など
*3がつの あそび……おひなさまを つくろう / ひしもちサンドを つくろう

4がつ [うた:チューリップ]
にゅうえんしき / おはなみ(どうして はなみを するの?) / はなまつり
◎4がつの ぎょうじと くらし
 エイプリルフール・はるのぜんこくこうつうあんぜんうんどう・サンジョルディのひ・しょうわのひ・はるさめ・こうさ・チューリップ・さくら・たけのこ・つばめ など
*4がつの あそび……くさばなで つくろう

5がつ [うた:こいのぼり]
たんごのせっく(たんごのせっくには なにを するの? / たんごのせっく これ なあに?) / ははのひ
◎5がつの ぎょうじと くらし
 メーデー・はちじゅうはちや・けんぽうきねんび・みどりのひ・こどものひ・ゴールデンウィーク・さつきばれ・くんぷう・しょうぶ・つつじ・さつき・ふじ・そらまめ など
*5がつの あそび……こいのぼりを つくろう / しゃぼんだまを つくろう

6がつ [うた:あめふり]
ころもがえ / ちちのひ
◎6がつの ぎょうじと くらし
 むしばよぼうデー・ときのきねんび・げし・むしおくり・つゆ・あじさい・かたつむり・さくらんぼう など
*6がつの あそび……てるてるぼうずを つくろう / いしに えを かこう

7がつ [うた:たなばたさま]
たなばた(どうして たなばたと いうの? / たなばたの おはなし) / なつやすみ
◎7がつの ぎょうじと くらし
 うみびらき・やまびらき・おちゅうげん・うみのひ・しょちゅうみまい・どよう・つゆあけ・にじ・まなつび・あさがお など
*7がつの あそび……はなを つかった いろみずぞめ / しょちゅうみまいを かこう

8がつ [うた:うみ]
おぼん(おぼんには なにを するの? / どうして おぼんと いうの?) / はなびたいかい
◎8がつの ぎょうじと くらし
 げんばくきねんび・はなのひ・りっしゅう・しゅうせんきねんび・ねったいや・ゆうだち・にゅうどうぐも・かみなり・ひまわり・へちま・すいか・ほたる・かぶとむし・せみ など
*8がつの あそび……つめたい デザートを つくろう / かいがらで つくろう

9がつ [うた:あかとんぼ]
おつきみ(どうして つきみを するの? / いつ つきみを するの? / かぐやひめの おはなし) / けいろうのひ
◎9がつの ぎょうじと くらし
 ぼうさいのひ・にひゃくとおか・ちょうよう・じゅうごや・おひがん・どうぶつあいごしゅうかん・あきのながあめ・たいふう・ざくろ・あかとんぼ・あきのななくさ など
*9がつの あそび……つきみだんごを つくろう / あなあきえを つくろう

10がつ [うた:まっかな あき]
うんどうかい
◎10がつの ぎょうじと くらし
 いねかり・たいいくのひ・めのあいごデー・じゅうさんや・どくしょしゅうかん・ハロウィン・もみじがり・いわしぐも・コスモス・きんもくせい・どんぐり・あきになくむし など
*10がつのあそび……きのみや おちばで あそぼう

11がつ [うた:たきび]
しちごさん(しちごさんは いつから はじまったの?)
◎11がつの ぎょうじと くらし
 ぶんかのひ・とりのいち・きんろうかんしゃのひ・こがらし・こはるびより・さざんか・おなもみ・なんてん・きんかん など
*11がつの あそび……やきいもを つくろう / みかんの しるの あぶりだし

12がつ [うた:ジングルベル]
クリスマス(クリスマスの もの これ なあに? / せかいのクリスマス) / ふゆやすみ /おおそうじ / としこし
 
◎12がつの ぎょうじと くらし
 おせいぼ・とうじ・てんのうたんじょうび・クリスマスイブ・おおみそか・かんぱ・シクラメン・ポインセチア・りんご・はくさい など

*12がつの あそび……クリスマス・ツリーを つくろう

さとやまのくらし
さとやまの はる / さとやまの なつ / さとやまの あき / さとやまの ふゆ / むかしの いえ / だいどころ / くらしの どうぐ
*さとやまの あそび

きょうは なんの ひ? カレンダー

おうちのかたへ
季語一覧 / ぎょうじとくらし・解説 / 暦と天体の動き / 暦と季節 / 二十四節気・雑節・七十二候 / 五節供と六曜 / 十干十二支 / 年祝い

さくいん

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『こども きせつのぎょうじ絵じてん』

192ページ オールカラー 3~7歳向け
[増補新装版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 790g
  本体定価 2,500円 ISBN 978-4-385-15852-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 400g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-14311-8

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子どもの辞典・絵じてんの選び方

(1) 年齢に合わせて選ぶ
(2) 内容から選ぶ
(3) それぞれの目次を見る
   『こども もののなまえ絵じてん』
   『三省堂 こども ことば絵じてん』
   『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』
   『こども きせつのぎょうじ絵じてん』(この記事)
   『こども マナーとけいご絵じてん』
   『三省堂 こども かずの絵じてん』
   『三省堂 こども ひらがな絵じてん』
   『こども ひらがなとかずの絵じてん』


子どもの辞典・絵じてんの選び方(2) 内容から選ぶ

2013年 12月 2日 月曜日 筆者: ogm

「ことば絵じてん」「つかいかた絵じてん」「もののなまえ絵じてん」は増補新装版が刊行されました。追って、記事を追加いたします。(2016/4/15追記)

第2回の今回は、内容を見ながら選んでいきたいと思います。

「…国語辞典」「…漢字辞典」という名前のものは、だいたいご想像のとおりの内容と思いますので、たぶんちょっとわかりにくい、三省堂から複数出ております「絵じてん」について、取り上げたいと思います。

指さしが増えてきたとき。「これはなに?」「なんでなんで?」と聞くようになってきたとき。

『こども もののなまえ絵じてん』がおすすめです。
見開きごとのタイトル(食べものでは「料理」「野菜」、家の中から「お風呂とトイレの道具」、乗り物では「はたらく車」「電車」などなど)で、そのカテゴリーに属するものの名前がとにかくたくさん載っています。
 
 (この記事の画像はすべてクリックで大きく表示します)

「○○ってなに?」と聞くようになってきたとき。

『三省堂 こども ことば絵じてん』がおすすめです。
五十音順に並んでいるので、目当てのことばがわかっているとき、ひらがながわかるお子さんなら一人で調べることができます。また、小さなお子さんにやさしいことばで教えるためのガイドにもなります。
 

ことばが増えてきたとき。もっともっといろいろ知りたいという意欲が見えるとき。

『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』がおすすめです。
日常生活のある場面で使われる言葉が見開きで一覧できるページや、似た意味のことばの微妙な使い分けがイラストでわかりやすく描かれているページが理解を助けます。
 
 

保育園・幼稚園で体験する行事やイベントを子どものわかることばで伝えたいとき。

『こども きせつのぎょうじ絵じてん』がおすすめです。
園や学校では季節ごとのイベントをふんだんに取り入れています。しかし都市化した現代の家庭では縁遠いものとなっており、お父さんお母さんもよく知らないということも多くあることでしょう。行事の由来や歴史について聞かれたときに、子どもにわかることばで説明するためのヒントも答えも載っています。
 

身近な人が何度言ってもなかなか伝わらない、生活習慣やマナーについて。

『こども マナーとけいご絵じてん』がおすすめです。
たとえば、ご飯のときに途中で席を離れたり、電車のなかで大きな声を出したり……お父さんやお母さんが口をすっぱくして言っても、残念なことになかなかなおらない子どもの行動。日常生活にそくした場面をイラストで展開し、必要なマナーを目に見える形で表しているので客観化しやすく、また、「本に載っている」ということが誰にとっても守るべきマナーなのだと気づくきっかけとなります。
 
 

数字が気になりだしたら。

『三省堂 こどもかずの絵じてん』『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』がおすすめです。
お風呂のなかで数をとなえることができる、おやつはいくつということがわかる、そういった「数」の理解への一歩を踏みだした子に、より深い理解へと導きます。
 

ひらがなが気になりだしたら。

『三省堂 こどもひらがな絵じてん』『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』がおすすめです。
お話が上手になり、本を自分で読みたがったり、本に書いてある字をまねしようとしたりと、ひらがなに興味が出てきたときに。迷路や間違い探しなど楽しみながら文字へと親しむことができます。
 

※『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』は、『三省堂 こどもひらがな絵じてん』と『三省堂 こどもかずの絵じてん』が一冊になったものです。サイズも小さくなっています。

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子どもの辞典・絵じてんの選び方

(1) 年齢に合わせて選ぶ
(2) 内容から選ぶ (この記事)
(3) それぞれの目次を見る
   『こども もののなまえ絵じてん』
   『三省堂 こども ことば絵じてん』
   『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』
   『こども きせつのぎょうじ絵じてん』
   『こども マナーとけいご絵じてん』
   『三省堂 こども かずの絵じてん』
   『三省堂 こども ひらがな絵じてん』
   『こども ひらがなとかずの絵じてん』


子どもの辞典・絵じてんの選び方(1) 年齢に合わせて選ぶ

2013年 11月 29日 金曜日 筆者: ogm

こちらは2013年の記事です。2016年版の記事をご覧ください。
「子どもの辞典・絵じてんの選び方2016 年齢に合わせて選ぶ」(2016/4/19追記)

もうすぐクリスマス。来年入園・入学する子に何か本を、あるいは長く活用できる本を、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときにお薦めしたいのが辞典や絵じてんです。とはいえ、子ども向けの辞典や絵じてんはたくさんあって、どれがその子にぴったりのものか見つけるのは簡単ではありませんよね。

今後、何回かに分けて、子どもの辞典・絵じてんの選び方を取り上げたいと思います。まずは、年齢に合わせて選ぶ方法からご紹介いたします。

※ここでの年齢は、あくまでも目安です。これを踏まえて、お使いになるお子さんに合うものをお選びください。

■1~6歳

『こども もののなまえ絵じてん』

240ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,085g
  本体定価 2,800円 ISBN 978-4-385-15029-1
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 495g
  本体定価 2,100円 ISBN 978-4-385-15011-6

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■2~6歳

『三省堂 こども ことば絵じてん』

416ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,315g
  本体定価 3,800円 ISBN 978-4-385-15028-4
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 670g
  本体定価 2,800円 ISBN 978-4-385-15017-8

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『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』

416ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 1,505g
  本体定価 3,800円 ISBN 978-4-385-15031-4
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 670g
  本体定価 2,800円 ISBN 978-4-385-15018-5

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■3~7歳

『こども きせつのぎょうじ絵じてん』

192ページ オールカラー
[増補新装版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 790g
  本体定価 2,500円 ISBN 978-4-385-15852-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 400g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-14311-8

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■4~7歳

『三省堂 こどもひらがな絵じてん』

  96ページ オールカラー
  サイズ:B5判(縦257mm×横182mm) 重さ 585g
  本体定価 1,400円 ISBN 978-4-385-15032-1

 

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『三省堂 こどもかずの絵じてん』

  96ページ オールカラー
  サイズ:B5判(縦257mm×横182mm) 重さ 565g
  本体定価 1,400円 ISBN 978-4-385-15033-8

 

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『こども ひらがなとかずの絵じてん 小型版』

  192ページ オールカラー
  サイズ:B5変型判(縦218mm×横153mm) 重さ 420g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-15013-0
※『三省堂 こどもひらがな絵じてん』と『三省堂 こどもかずの絵じてん』が一冊になったものです。サイズも小さくなっています。

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■幼児~小学生

『こども マナーとけいご絵じてん』

176ページ オールカラー
[普通版]サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 730g
  本体定価 2,400円 ISBN 978-4-385-14309-5
[小型版]サイズ:B5変型判(縦218mm×178mm) 重さ 370g
  本体定価 1,800円 ISBN 978-4-385-14310-1

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■入学前~小学3年生くらい

『三省堂 こどもこくごじてん』

  264ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 745g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-14300-2

 

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『三省堂 こどもかんじじてん』

  256ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 715g
  本体定価 2,000円 ISBN 978-4-385-14303-3

 

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『三省堂 こどもことわざじてん』

  224ページ オールカラー
  サイズ:AB判(縦257mm×横210mm) 重さ 640g
  本体定価2,000円 ISBN 978-4-385-14306-4

 

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■小学生

『三省堂 例解小学国語辞典 第五版』

1,284ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 745g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-13827-5
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 970g
  本体定価 2,100円 ISBN 978-4-385-13828-2

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『三省堂 例解小学漢字辞典 第四版』

1,184ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 700g
  本体定価 1,900円 ISBN 978-4-385-13958-6
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 900g
  本体定価 2,100円 ISBN 978-4-385-13959-3

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『三省堂 例解小学ことわざ辞典』

416ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 465g
  本体定価 1,500円 ISBN 978-4-385-13955-5
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 605g
  本体定価 1,700円 ISBN 978-4-385-13956-2

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『三省堂 例解小学四字熟語辞典』

288ページ 2色刷
[普通版]サイズ:B6判(縦182mm×横128mm) 重さ 340g
  本体定価 1,300円 ISBN 978-4-385-14290-6
[ワイド版]サイズ:A5判(縦210mm×横148mm) 重さ 445g
  本体定価 1,500円 ISBN 978-4-385-14291-3

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※重さはカバー等を除いた本体のみの重量です。5g単位で示しています。保管状態や天候・湿度などによっても違ってきます。また、同じページ数でも、インクの量や紙の素材等により異なります。

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子どもの辞典・絵じてんの選び方

(1) 年齢に合わせて選ぶ (この記事)
(2) 内容から選ぶ
(3) それぞれの目次を見る
   『こども もののなまえ絵じてん』
   『三省堂 こども ことば絵じてん』
   『三省堂 ことば つかいかた絵じてん』
   『こども きせつのぎょうじ絵じてん』
   『こども マナーとけいご絵じてん』
   『三省堂 こども かずの絵じてん』
   『三省堂 こども ひらがな絵じてん』
   『こども ひらがなとかずの絵じてん』


国語辞典入門:見出し 拗促音(ゃゅょっ)の配列、和語・漢語の区別

2010年 7月 28日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第28回 見出しの仮名の謎

 探していることばが国語辞典に載っていない、と早合点するのは、追い込み処理に気づかない場合のほかに、項目の並び順を勘違いしている場合もあります。

 10年前のある小学校国語教科書を見ると、4年生で国語辞典の引き方を扱っています。項目の並び順を説明する部分では、「小さく書くかなは、どんな順になっているでしょうか」との設問があり、「りゆう(理由)」と「りゅう」の例が挙がっています。

 私の知るかぎり、小学生用の学習国語辞典では、「やゆよ」「つ」が先に、「ゃゅょ」「っ」が後に来ます。したがって、上の正解は「『りゆう』が先」となります。

 ところが、児童の中に大人用の国語辞典を使っている子がいると、大変です。一般の辞書では、「りゅう」が先に、「りゆう」が後に来るものが、むしろ多いからです。

 「ゆ」「ゅ」のいずれが先かで、主な辞書を分けてみると、次のようになります。

 ・「ゆ」が先……『岩波』『旺文社』『学研現代新』
 ・「ゅ」が先……『三省堂』『新明解』『新選』『明鏡』『集英社』『新潮現代』『現代国語例解』『大辞林』『広辞苑』『日本国語大辞典』

 つまり、子どもの辞書の常識と、大人の辞書の常識とが異なっています。

 「理由」と「りゅう」なら、隣り同士なので、どちらでも大差ない――とは言えません。辞書によっては、「柳」「流」「留」「竜」「琉」など「りゅう」と読む漢字を多数項目に立てるものがあります。「理由」の項目は、その前に来るか後に来るかで、ずいぶん位置が変わります。結果として、「『理由』が載っていない」と思いこむことにもなるのです。

 国語教科書も、この点については検討したようです。今の小学3年生の教科書では、「あなたがよく使う国語辞典で、次の言葉はどちらが先に出ているか調べてみましょう」という設問に変わっています。これなら、辞書ごとに並び順が違っていてもかまわないし、むしろ、違いがあることを理解させるきっかけにもなります。

 「ゆ」「ゅ」のどちらを優先する国語辞典にも、それぞれ根拠があります。「ゆ」を先にする辞書は、特殊仮名の「ゅ」を後回しにするという考え方です。「ゅ」を先にする辞書は、2音の「りゅ・う」を3音の「り・ゆ・う」よりも先に置くという考え方です。

和語・漢語が分かると便利

 見出しの部分には、まだ謎があります。辞書によって、「ばしょ(場所)」の見出しの仮名を「ば ショ」としたり、「ば-しょ」(「しょ」だけがゴシック体)としたりするものがあります。前者は『新潮現代国語辞典』、後者は『新選国語辞典』(小学館)の方式です。素直に「ばしょ」と書けばよさそうなのに、なぜこんな表記にするのでしょうか。

 これは、和語と漢語を区別して示しているのです。この区別はたいへん役に立つのですが、理解している人は多くなさそうなのは、もったいないことです。

 大ざっぱに言えば、和語は「山(やま)」「桜(さくら)」など漢字を訓読みすることば(日本で生まれたことば)、漢語は「山河(さんが)」「桜桃(おうとう)」など漢字を音読みすることばです。音読みの特徴は、「河(か)」「左(さ)」など1音か、「回(かい)」「高(こう)」など、「い・う・き・く・ち・つ・ん」の音で終わることです。

 両者の区別ができれば、いろいろと便利です。文章を書くとき、文脈に合わない言い回しを使って、みすみす伝わりにくくしている人があります。その点、和語・漢語の区別ができる人は、「はじめは」と「当初は」、「近頃」と「近来」、「力の限りを尽くす」と「全力を傾注する」などの切り替えが自由にでき、よりこなれた文章が書けます。

 あるいは、語源を考えるときにも有効です。「とにかく」ということばは、「兎に角」と書くので、ウサギに関係があるかのようです。でも、「とにかく」は和語、「兔」「角」は漢語だと知っていれば、和語にあとから漢字を当てはめたにすぎないことが分かります。

 『新潮現代』では、見出しの和語はひらがな、漢語はカタカナで記しています。「ば ショ(場所)」の表記は、和語の「場(ば)」と漢語の「所(しょ)」からなることを示すものです。

 ほかにも、たとえば、「しら ギク(白菊)」「ぶた ニク(豚肉)」などともあって、ごく日常的な「菊(きく)」「肉(にく)」などのことばも漢語であることが分かります。あるいは、「かわい そう(可哀相)」「たんのう(堪能)」などはひらがなで書かれていて、漢語のような発音でありながら和語であることが分かります。

 『新選』の場合は、和語を太明朝(アンチック)、漢語をゴシックにしていますが、和語と漢語を区別するという意図は、『新潮現代』と同じです。両辞書がこの点でいかに便利かは、もっと注目されてもいいことです。

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◆連載を続けてお読みになる方は⇒「国語辞典入門」アーカイブ

◆記事のタイトルからお探しになる方は⇒「国語辞典入門」目次へ

◆飯間先生のもう一つの連載は⇒「『三省堂国語辞典』のすすめ」目次へ

◆飯間先生の記事はここにも⇒「三省堂WebDictionary」ことばパティオ第8回「「串刺し」に堪える語釈でなければならない」

筆者プロフィール

【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
URL:ことばをめぐるひとりごと(http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/kotoba0.htm)

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【編集部から】
これまで「『三省堂国語辞典』のすすめ」をご執筆くださった飯間浩明先生に「国語辞典の知っているようで知らないことを」とリクエストし、「『サンコク』のすすめ」が100回を迎えるのを機に、日本語のいろいろな辞典の話を展開していただくことになりました。
辞典はどれも同じじゃありません。国語辞典選びのヒントにもなり、国語辞典遊びの世界へも導いてくれる「国語辞典入門」の始まりです。


「辞書引き学習」とは(監修:深谷圭助)

2010年 7月 16日 金曜日 筆者: 辞書ウェブ 編集部
「辞書引き学習」とは

深谷圭助先生(⇒プロフィール)が開発した、辞書を最大限に活用して、子どもが自ら調べ・自ら学ぶ習慣と能力とを身に付け、子どもの可能性を最大限に引き出すための画期的な学習方法です。

 

「やってみよう!」 「辞書引き学習」への取り組み
―先生方・保護者の方へ― 監修:深谷圭助

◎「辞書引き学習」へのステップ(0) ―準備するものは3つ―

◎「辞書引き学習」へのステップ(1) ―辞書は身近に置く―

◎「辞書引き学習」へのステップ(2) ―できる限り低年齢のうちに始める―

◎「辞書引き学習」へのステップ(3) ―知っていることばを引く―

◎「辞書引き学習」へのステップ(4) ―調べたことばに付箋を貼る―

◎「辞書引き学習」へのステップ(5) ―とことん、ほめる―

 この取り組みが、子どもの可能性を最大限に引き出すことにつながって行きます。
「辞書引き学習」は、無限の可能性を秘めた画期的な学習法です。

 

解説編 「やってみよう!」 「辞書引き学習」への取り組み


「辞書引き学習」へのステップ(0)―準備するものは3つ―

 「辞書引き学習」では、準備はとっても簡単、用意するものは次の3つです。

これだけで、お子さまの前に無限の可能性が広がります。


「辞書引き学習」へのステップ(1)―辞書は身近に置く―

 用意した辞書は、お子さまが調べたくなったときにすぐ手が届く範囲に置いておくこと。当たり前ですが、このことが最も大切です。本棚にしまっておくのではなく、まずは机の上などすぐ身近なところに置いておき、いつでも手軽に調べられるようにしてください。

→ケースやカバーも、本来は辞書の本体を保護するためにご用意しているものですが、辞書を引くためには不要なものでもありますから、すぐにはずしていただいて結構です。


「辞書引き学習」へのステップ(2)―できる限り低年齢のうちに始める―

 小学校では、ふつう3年生または4年生で辞書の引き方を学びます。

 しかし、深谷先生によれば、低学年の児童のほうがことばや知識に対する好奇心や吸収力がより強く、「辞書引き学習」にも無心に取り組んでいくことができるとされています。引き方を詳しく教えることさえ必要ではありません。お子さまもすぐに辞書を引けるようになります。

 できる限り小さいうちに、できれば小学校1年生から、取り組みを始めることが重要です。

→漢字が分からない小さいお子さまでも、ひらがなさえ読めれば、心配なく「辞書引き学習」に取り組むことができます。(⇒三省堂のお薦め『三省堂 例解小学国語辞典』紹介ページ


「辞書引き学習」へのステップ(3)―知っていることばを引く―

 一般に、辞書とは知らないことばを引くものである、と思われることが多いですが、「辞書引き学習」では、そのような先入観を裏切る、「知っていることばを調べる」ことから始めます。

 たとえば、今日のお昼に食べた「スパゲティ」を引いてみてください。その説明を読むことで、今食べたばかりのおいしいスパゲティのことが「ことば」としても理解できるようになるでしょう。そして、たとえば「スパゲティ」を引いたお子さんは、その解説の文章から、「細長い」「西洋」「ソース」などの様々なことばを見つけ出して引くことができます。さらに、「ソース」を引いたお子さんは、「調味料」→「砂糖」→「さとうきび」……と引き続けて行くかもしれません。

 そのような繰り返しから、少しずつ辞書に親しんでいただくということが、「辞書引き学習」の大きな特色の一つです。


「辞書引き学習」へのステップ(4)―調べたことばに付箋を貼る―

 調べたことばを付箋に書き込んで辞書に貼っていくということも、「辞書引き学習」の大きな特色の一つです。

 はじめのうちは、付箋には鉛筆で順番に番号をふっておき、そこに調べたことばを書き込んで、辞書のページの上のほうに貼っていくようにしましょう。すぐに辞書の上部に付箋がたくさん“立った”状態になります。これを繰り返していくと、見る間に付箋が貼り重ねられ、早いお子さまでは数カ月もすると、ブロッコリーのように上部が大きく膨らんだ辞書になります。

 そのようにして貼られたたくさんの付箋は、お子さまにとって、自分が取り組んできたことの目に見える成果として映り、学びに対する自信にもつながってゆくでしょう。


「辞書引き学習」へのステップ(5)―とことん、ほめる―

 「辞書引き学習」が成功するか否かは、先生方・保護者の方のサポートにも大きく依拠しています。お子さまの辞書に付箋が立ち始めたら、積極的にほめてあげるようにしましょう。お子さまも、ほめられることで、自分の取り組みが正しく評価されていることを実感し、さらに努力をしていこうという気持ちを強めていきます。

 付箋でふくらんだ辞書は、多少見栄えはよくないかもしれませんし、かえって引きにくいのではないかと思われるかもしれません。しかし、お子さまにとってはそのような辞書こそが、自分の努力の証明であり、勲章なのです。決してあせらず、根気強く、お子さまの学ぶ気持ちを育ててゆけるよう、大らかに導いてあげてください。

 

「辞書引き学習」無限の可能性

 このように「辞書引き学習」は、辞書という昔から私たちの身近にある手頃なツールを手掛かりにして、子どもたちのなかに学ぼうとする意欲を芽生えさせ、調べる方法を身に付けさせ、達成感を実感させる学習法です。

 小学生向けの国語辞典は、このような「辞書引き学習」によって導き出されるお子さまの好奇心に十分に応えられるように編集されています。

 辞書に収録された数万のことばは、そこから広がる無限の世界への入り口であるということもできるのです。

 そして、国語辞典を引いて調べる楽しさを味わったお子さんは、たとえ1年生であったとしても、すぐに漢字辞典も難なく使いこなして漢字の学習に取り組んでいけるようになるでしょうし、より上級の辞書を調べるようになったり、辞書の枠も越えて、図鑑や百科事典・インターネットなど様々な場で、自らすすんで学んでいこうとするようにもなるでしょう。

 そのような取り組みのなかで、お子さま自身の個性や好奇心の向かう方向もだんだんと定まり、学習に必要な集中力も養なわれることが期待できます。

 「辞書引き学習」は、そのような無限の可能性を秘めた画期的な学習法です。

 

「辞書引き学習」に最適な辞書の選び方

 深谷先生によれば、「辞書引き学習」で利用できる辞書の条件は、

1)新しいこと
2)語数が多いこと
3)すべての漢字にふりがながついていること

の3つとされています。

 三省堂では、上記の条件にぴったりと合った『三省堂 例解小学国語辞典』をご用意しております。是非一度ご覧ください。(⇒紹介ページ


【深谷圭助先生プロフィール】

深谷圭助(ふかや・けいすけ)

1965年生まれ。愛知教育大学卒業。名古屋大学大学院博士後期課程修了。博士(教育学)。
1989年愛知県刈谷市立亀城小学校に着任。国語辞典を学校生活のさまざまな場面で取り入れることで、児童が主体的に学ぶ指導法(辞書引き学習)を展開。この実践を『小学校1年で国語辞典を使えるようにする30の方法』(明治図書)にまとめ、教育界の注目の的に。
2005年立命館小学校の設置メンバーとなり、06年4月から同校教頭、08年4月には校長に就任。辞書引き学習の普及にと、校内だけでなく全国各地を飛び回りながら、学習法のさらなる向上のため、現在は中部大学准教授として研究活動に没頭する毎日。
おもな著書に『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』(すばる舎)、『辞典・資料がよくわかる事典―読んでおもしろい もっと楽しくなる調べ方のコツ』(PHP研究所)、「辞書引き学習自学ドリル」シリーズ(MCプレス)などがある。

【編集部からのお知らせ】

■最新のイベント情報は右にあります「おすすめ記事」からご覧ください。今後のイベント情報、また、これまでの報告など関連情報は以下からもご覧いただけます。
 ⇒辞書引き学習についての情報

■三省堂では、書店さんといっしょに「辞書引き学習」の体験会を考えました。活動のもようは以下をご覧くださいませ。
 ⇒深谷圭助先生の「辞書引き学習体験会」のご紹介

■編集部で立命館小へうかがいました。以下に訪問記を掲載しています。
 ⇒「辞書引き学習」の立命館小訪問記1
 ⇒「辞書引き学習」の立命館小訪問記2

★深谷先生から推薦をいただいております

例解小学国語辞典 第四版
編者:田近洵一
B6判 1,216ページ 1,995(本体1,900)円 ISBN 978-4-385-13821-3
[ワイド版] A5判 2,205(本体2,100)円 ISBN 978-4-385-13822-0

 

例解小学漢字辞典 第三版 新装版
編者:林 四郎(主幹)・大村はま
B6判 1,152ページ 1,995(本体1,900)円 ISBN 978-4-385-13817-6
[ワイド版] A5判 2,205(本体2,100)円 ISBN 978-4-385-13818-3

 

★立命館小学校で使われています

クラウン学習国語百科辞典
監修:金田一春彦 編者:三省堂編修所
A5判 1,200ページ 3,990(本体3,800)円
ISBN 978-4-385-15048-2

 


国語辞典入門:小学生向け辞典 選ぶ観点 基準

2010年 6月 30日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第24回 学習辞典を特徴づける対立軸

 学習国語辞典(学習辞典)を選ぶときに、どういう点に注目すればいいかについて、基本的なところを述べてきました。この話題のしめくくりとして、主要な点について、対立軸を設定してみます。実際に辞書を選ぶ時の参考にしてください。

 ●デザイン――マンガが多いか、少ないか
 デザインは学習辞典ごとにくふうをこらしていますが、あえて対立軸を設けるなら、紙面にマンガやキャラクターの絵が多いものと、少ないものとに分けられます。前者は、低年齢の子や、学習習慣の不十分な子にはいいかもしれません。そうでない子には少々うるさいでしょう。そのほか、大きさや重さ、表紙の材質なども判断材料になります。

 ●本文書体――教科書体か、ほかの書体か
 本文には、筆写体に近い教科書体を使うのが、多くの学習辞典の方針です。私はこれがいいと思います。デザインの面では、もっとかっこいい書体もあり、それを使う辞書もありますが、字形の学習にはふさわしくありません。学習辞典は、子どもが文字を書くときの規範になるべきです。手書きの楷書体を添えてもいいと思います。

 ●ルビ――総ルビか、パラルビか
 目下の情勢としては、学習辞典はみな総ルビ方式に向かっており、パラルビ(部分ルビ)方式は消えつつあります。ただ、総ルビにしさえすればいいと、いささか安易に考えられているふしもあります。同じ総ルビでも、内実はいろいろであることは述べました。また、高学年になれば、パラルビのほうが読みやすいと思う子もいるはずです。

 ●漢字表記――表外字を仮名にするか、漢字で書くか
 多くの学習辞典の表記欄では、常用漢字表に入っていない漢字(表外字)は仮名で書き、必要に応じて漢字を添えています。どういう場合に「必要」と考えるかは、辞書によって微妙に異なります。一方、表外字であってもすべて漢字で示す辞書も、少数ながらあります。むずかしい漢字を知りたい子にとっては、このほうが役に立ちます。

 表記欄では、学習漢字は無印、常用漢字は「○」、表外字は「×」など、区別を示してあるのがふつうです。こうしてあれば、どの漢字から学べばいいかが分かり、便利です。

複数の辞書を比べながら使うといい

 ●語釈――多くの行数を取るか、短くまとめるか
 辞書の語釈は、一般に、長く書いてあるものが好まれます。でも、語釈にまず求められるのは、その事物を的確に定義することです。誰にもぱっと分かる語釈なら、短くても十分だし、要点をつかんでいない語釈なら、長く書いてもだめです。ある辞書の「オーストラリア」の項目で、タスマニア島にまで言及していることを評価する人がいます。でも、タスマニア島に触れなくても、オーストラリアを定義することは十分できます。

 その辞書の語釈の傾向を知るには、「比較語リスト」が有効です。私の示した例も参考に、できれば10語以上のリストを作って、辞書売り場に持って行くといいでしょう。

 ●語数――多くを求めるか、抑え気味にするか
 どのくらいの語数の入った学習辞典が適当かということは、子どもの持つ語彙量によって変わります。学校や日常生活で出合うことばを引いて、載っていれば、その辞書はまず問題なく使えると考えていいでしょう。幼稚園の子が見るアニメに「あこぎ」「戦歴」「討伐」などのことばが出てきて、それが学習辞典にないと指摘する人がいます。これはアニメが学習範囲を超えているのであって、辞書を批判するのは酷な面もあります。

 ●例文――最後に示すか、最初に示すか
 ほとんどの学習辞典は、例文を最後に示しています。ことばの使い方を示すのも辞書の大切な役割であることを考えれば、例文を最初に示す行き方はあっていいと思います。ただし、語釈と例文とが紛れないように、デザインを十分くふうすべきです。

 以上のような対立軸について学習辞典をチェックしてみると、すべての点で望みどおりの辞書を得ることは、なかなかむずかしいものです。そこで、1冊だけではなく、複数の辞書を使うという方法が有効になります。

 最初は1冊の辞書をとことん使い込むべきことはもちろんですが、やがて不満も出てきます。その頃に、もう1冊の辞書を加え、両方を比べながら使うといいでしょう。

 何かの研究発表をする時、1冊の辞書に基づいて説明するだけでは、丸写しになります。でも、2冊の辞書を比べて、どちらがより適当と考えるかを述べれば、それはささやかながらも「考察」です。複数の辞書を使うことには、こんな学習上の効果もあります。

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◆飯間先生のもう一つの連載は⇒「『三省堂国語辞典』のすすめ」目次へ

◆飯間先生の記事はここにも⇒「三省堂WebDictionary」ことばパティオ第8回「「串刺し」に堪える語釈でなければならない」

筆者プロフィール

【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
URL:ことばをめぐるひとりごと(http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/kotoba0.htm)

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【編集部から】
これまで「『三省堂国語辞典』のすすめ」をご執筆くださった飯間浩明先生に「国語辞典の知っているようで知らないことを」とリクエストし、「『サンコク』のすすめ」が100回を迎えるのを機に、日本語のいろいろな辞典の話を展開していただくことになりました。
辞典はどれも同じじゃありません。国語辞典選びのヒントにもなり、国語辞典遊びの世界へも導いてくれる「国語辞典入門」の始まりです。


国語辞典入門:幼児向けの辞典・事典 絵じてん

2010年 6月 23日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第23回 絵じてんで親子コミュニケーション

 学習国語辞典(学習辞典)についての話題も、そろそろ締めくくりに近づいています。このあたりで、絵じてんについて触れておいてもいいでしょう。

 絵じてんとは、カラーのさし絵を使って、ことばの意味を子どもにも分かりやすく示した辞典(または事典)のことです。対象年齢は、ざっと幼稚園入園前の子どもから小学校低学年といったところです。

 私の娘も、幼稚園に通い始める頃から、絵じてんがお気に入りになりました。彼女はほとんど病院に行ったことはありませんが、「びょういん」のページで、「ほうたい」「しっぷ」「ガーゼ」といったことばを、絵とともに覚えたりしています。

 子どもの行動範囲はごく狭く、新しいものごとに触れる機会はわりあい限られています。絵じてんは、子どもの体験を擬似的に広げてくれる道具のひとつです。

 ことば一般を扱う絵じてんとして、『三省堂こどもことば絵じてん』、『三省堂ことばつかいかた絵じてん』、『くもんのことば絵じてん』(くもん出版)、『小学館ことばのえじてん』、『レインボーことば絵じてん』(学研)などがあります。このほか、漢字絵じてん、ことわざ絵じてん、けいご絵じてんなど、各社がアイデアを競っています。

 絵じてんの編集のしかたは、大きく分けて、ことばを意味ごとに分類したもの(分類体)と、五十音順に並べたもの(五十音引き)とがあります。どちらを選ぶかは、子どもの性格や好みにもよりますが、年齢がひとつの目安になります。

 分類体の絵じてんは、ひらがなが読めるか読めないかという年齢の子でも入っていけます。「びょういん」「どうぶつえん」「ごはんを たべる」「かいすいよくへ いく」などと、見開きが1つの絵になっていて、さまざまな事物が描きこまれ、名前が添えられています。じてんという意識もなく、絵本と同じ感覚で読むことができます。

 五十音引きは、もう少し成長した子どもにとって、よりふさわしいでしょう。1ページが8つ程度のコマに分割され、その1つ1つにさし絵つきでことばの説明が載っています。「からだ」「くだもの」「さかな」などの基本的な項目では、絵を大きくして、関連する事物を描き、分類体ふうにしてあるページもあります。

美しく正確なじてんを

 絵じてんに注文したいことは、2つあります。ひとつは、動詞の扱い方です。

 絵じてんでは、動詞は、「たべる」「おきる」などの終止形を見出しに掲げてあります。それはいいとして、絵に添えてある例文までも、「ごはんを たべる」「あさ はやく おきる」など、すべて終止形になっています。ところが、幼児の言語生活では、こういった終止形は必ずしも多く使われません。

 ある絵じてんを見ると、「たべる」の項目に描かれているのは、実際は、子どもがご飯を「たべている」ところです。「おきる」に描かれているのは、子どもが今「おきた」ところです。親が説明するとき、「これは『ごはんを たべる』だよ」と言うよりも、「ごはんをたべているね」と言い直したほうが、子どもにはよく分かります。

 終止形も大事ですが、見出しだけで十分でしょう。例文は、状況に合った語形を使ってほしいと思います。終止形の続く例文は、読んでいて単調でもあります。

 もうひとつは、より重要なことです。絵じてんの絵は、美しく正確であってほしいということです。

 子どもは勉強しようと思って絵じてんを見るのではなく、まずは絵が美しいから、楽しいから読むのです。絵本と同じで、絵の美しくない絵じてんは、子どもの注意を引き止めません。わが家に数種ある絵じてんのうち、娘がいつも読んでいるのは、私の目から見ても絵の美しい本です。

 美しい絵と、正確な絵というのは少し違います。たとえうまく描いてあっても、漫画的に誇張されて、不正確になっている場合もあります。虫や鳥がそんな描き方だと、「これはバッタだよ」と、そのまま教えていいものか、ためらわれます。

 形だけでなく、色も重要です。娘に「オレンジジュース」と書いてある飲み物の絵を指して、「これは何色」と聞くと、「赤」と答えました。たしかに、その色はオレンジよりも赤に近い色です。やむをえず、トマトジュースということにしてしまいました。

 絵が美しく、例文もよく練られた絵じてんを選んだとすれば、あとは、それを生かすも殺すも親次第です。「これは何?」「これは前に食べたね?」などと質問したりして、ことばを媒介に、親子のコミュニケーションを深めていければ言うことなしです。

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◆飯間先生の記事はここにも⇒「三省堂WebDictionary」ことばパティオ第8回「「串刺し」に堪える語釈でなければならない」

筆者プロフィール

【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
URL:ことばをめぐるひとりごと(http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/kotoba0.htm)

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【編集部から】
これまで「『三省堂国語辞典』のすすめ」をご執筆くださった飯間浩明先生に「国語辞典の知っているようで知らないことを」とリクエストし、「『サンコク』のすすめ」が100回を迎えるのを機に、日本語のいろいろな辞典の話を展開していただくことになりました。
辞典はどれも同じじゃありません。国語辞典選びのヒントにもなり、国語辞典遊びの世界へも導いてくれる「国語辞典入門」の始まりです。


国語辞典入門:辞書の例文(実例や不自然な例)、表記

2010年 6月 16日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第22回 例文の扱い方にもいろいろ

 学習国語辞典(学習辞典)の中には、例文を一番最初に持ってくるという、独特の編集方法をとるものがあります。『くもんの学習国語辞典』(くもん出版)、『小学新国語辞典』(光村教育図書)がそうです。たとえば、「うすうす」を引くと、こんな具合です。

 〈うすうす【薄薄】(例文)そのことは薄薄知っている。(意味)はっきりとではないが、ぼんやりとわかっているようす。〉(くもん)

 〈うすうす【薄薄】[例]友達の気持ちにはうすうす気づいていた。 [意味]はっきりしないが、なんとなく。かすかに。《参考》ふつう、かな書き。〉(小学新国語)

 私は、これはなかなかおもしろい試みだと思います。ことばの意味を知るということは、同時に、ことばの使い方を知ることでもあります。とすれば、使い方を示す例文を重視して、前に持ってくるという行き方は、たしかに理屈に合っています。

 ただし、引くたびにまごつくことも事実です。「例文」「例」とは表示してあるものの、一般の辞書に慣れた目には、その例文が語釈のように見えます。いちいち、「そうだ、この辞書は最初に例文が来るんだっけ」と、ルールを思い出さなければなりません。

 しかも、中には例文のない項目もあって、その場合はすぐに語釈になるのですから、混乱します。『くもん』で「薄曇り」を引くと、〈空全体にうすい雲がかかって……〉とあるので、これが例文かと思うと、〈……かかっていること。また、そのような天気。〉と続き、語釈だったことに気づきます。もう少し、使い勝手に配慮がほしいところです。

 このことは、デザインをくふうすれば解決できるはずです。『くもん』も『小学新国語』も、「例文」「例」と「意味」の表示が同じデザインなので、ほとんど区別がつきません。それぞれの違いが際だつようにすればいいのです。例文を「 」に入れるだけでも、だいぶ違います。改善案の一例を示します。

  うすうす【薄薄】「そのことは薄薄知っている。」▽意味 はっきりとではないが、ぼんやりとわかっているようす。

 かなり読みやすくなったと思いますが、どうでしょうか。例文が最初にあるのがよくないのではなく、例文と語釈とがまぎらわしいのがよくないのです。

見慣れない表記、不適切な例文

 例文については、ほかにも注目したい点があります。ひとつは、表記の問題です。「うすうす」は、見出しでは「薄薄」とあります。一方、例文では「薄薄」「薄々」「うすうす」など、いろいろです。これでは、どの表記に従えばいいのか分かりません。

 ふつう、「薄薄」と漢字を重ねることは少なく、「薄々」と書きます。「薄薄」式の辞書の表記には疑問を呈する発言もあります(小駒勝美氏)。そもそも、「うすうす」のような副詞は、ひらがなで書くのが標準的です。そこで、見出しには「うすうす・薄々」の2つを掲げ、例文では「うすうす」を使ってはどうでしょう。たとえばこんな感じです。

  うすうす【うすうす・薄々】「そのことはうすうす知っている。」

 こんなふうに実際の表記を反映した辞書は、一般の国語辞典にもまだ多くありません。実際の表記をどのように取り入れるかは、すべての辞書にとっての課題です。

 もうひとつの注目点は、例文に適切な文を選んでいるかということです。「そのことは薄薄知っている」という『くもん』の例文は、この点で不満を残します。

 辞書の例文は、語釈で表現しきれないニュアンスなどを示すものです。「うすうす」は、事情・実情・真相などをぼんやり知る場合に使います。例文をつけるなら、「事情はうすうす察していた」など、何を察するのかが分かるように書くべきです。

 用法が不自然な例文も、学習辞典には散見されます。たとえば、『チャレンジ小学国語辞典』(ベネッセ)の「何くれとなく」の項には、次の例文が出ています。

 〈おじさんは何くれとなく相談相手になってくれる。〉

 「何くれとなく」は「あれこれと。いろいろと」という意味ですから、一見、これでもよさそうです。でも、ふつうは「何くれとなく世話を焼く(面倒を見る)」の形で使うものです(他辞書の例文は、おおむねそうです)。上の例文は、間違いとは言えないまでも、少なくとも不自然です。頭の中だけで例文を考えると、えてして、不自然なものが生まれます。例文は、実例に基づいて作ることを基本にすべきです。

 学習辞典には、例文の中に、やたらに父母や兄弟が出てくるものがありますが、あまり感心しません。「妹が友だちとむつまじく遊んでいる」などとあると、「そんな言い方するだろうか?」と思います。こういうものも、頭で作り出した例文のようです。

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筆者プロフィール

【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
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これまで「『三省堂国語辞典』のすすめ」をご執筆くださった飯間浩明先生に「国語辞典の知っているようで知らないことを」とリクエストし、「『サンコク』のすすめ」が100回を迎えるのを機に、日本語のいろいろな辞典の話を展開していただくことになりました。
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国語辞典入門:小学生向け辞典 語数と子どものことばの発達

2010年 6月 9日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第21回 学習辞典は何万語必要か

 国語辞典を買うとき、何万語のものを選べばいいかということは、常に読者の関心事となります。学習国語辞典(学習辞典)も、事情は同じです。

 先に、国語辞典というものは、必ずしも語数が多ければいいわけではないと述べました(第4回第10回)。もし、語数が辞書の良し悪しの尺度になるなら、語数が6万語台で比較的少ない『岩波国語辞典』や『現代国語例解辞典』(小学館)は、8万語以上を擁する『新選国語辞典』(小学館)や『旺文社国語辞典』にかなわないことになります。でも、実際は、『岩波国語』も『現代国語例解』も、すぐれた代表的な国語辞典です。

 語数と辞書の優劣が一致しない理由について、なお念を押しておくなら、こんな言い方もできます。けっこうな読書家でも、ふだん疑問に思って辞書で調べることばの大部分は、せいぜい6万語の範囲に収まります。そのため、それ以上の語彙を載せても、乱暴な言い方をすれば、あまり大勢には影響がないのです。6万のことばをしっかり説明してあれば、それだけでも、その辞書はきわめて有用な辞書になります。

 では、学習辞典はどうでしょうか。学習辞典の収録語数は、1万数千語から3万数千語までの幅があります。このうちどれを選ぶのがいいかは、子ども本人の持つ語彙量(理解できることばの数)に応じて異なってきます。

 子どもの語彙量の発達については、実は、ほとんど研究がありません。よく利用されるのは、戦前の1937年の調査結果です(坂本一郎『読みと作文の心理』牧書店)。それによれば、子どもは9歳頃までに約1万語の語彙量を獲得します。その後、12歳頃までに約2万語、15歳頃までに約4万語、18歳頃までに約5万語の語彙量に達します。

 この数字は参考にはなりますが、人によって個人差が大きいことも事実です。今の子どもは、これよりもさらに多くの語彙量を持っていると思います。その子にとって、「やや語数が多いかな」という程度の辞書を選んで、ちょうどいいくらいでしょう。

 私が小学校高学年の頃、大人向けの実用辞典を使っていたことは記しました(第1回第2回参照)。べつに、私がひねくれていたのではありません。この年頃ともなれば、中高生向けから一般向けの辞書に進んでも、決して早くないと考えます。

開始年齢を前倒ししてもいい

 小学生用の学習辞典は、従来は、小学3年生頃から卒業まで使うことが想定されていました。でも、今では、使用開始の年齢をもっと前倒しして、1年生から使ってもまったく問題ありません。このことは、中部大の深谷圭助さんの報告でも明らかです。

 小学1年生で使う学習辞典は、何万語のものでもいいと思いますが、1万数千語もあれば十分です。このレベルの辞書は、幼稚園の年長組からでも使えます(そういう早期教育がいいかどうかは、別問題です)。

 やがて、子どもの語彙量は、1万語、2万語と増えていきます。本を読んでいて、辞書を引いてもないことばが多くなれば、その辞書は買い換え時期を迎えたことになります。

 たとえば、大石真さんの児童文学の傑作『ミス3年2組のたんじょう会』(偕成社文庫、原著は1974年)を読むと、次のようなことばが出てきます。

  うら道 大通り おめかし かくれんぼ 立会人 ビフテキ もうちょうえん

 2万数千語収録のA辞典には、これらは載っていません。3万数千語収録のB辞典には載っています(ただし「立会人」はなく「立ち会い」が載っている)。そうすると、そろそろA辞典は卒業で、B辞典に移ろう、ということになります。

 ただ、B辞典を買っても、やはり載っていないことばがあります。

  かいぞえ人 ごきげんとり 五目そば たなご でめきん 番台 まるがり 

 これらは、この作品にあって、B辞典には見当たらないことばです。

 こんなことを言うと、「なんだ、B辞典もだめではないか」と速断する人がいます。でも、大人の小説だって、大型辞書にもないことばが何十語も出てきます(第5回)。書物の扱う世界は広く、1冊の辞書で覆いきれない部分はどうしても出てきます。「五目そば」などは、一般向けの辞書にもあまり載っていません。

 本を読んでいて、辞書にないことばが数語にとどまっているうちは、まだその辞書は現役で使えます(上に7つも「ない語」の例を挙げたのは、私がしらみつぶしに調べたからで、ふつうはこんなには見つかりません)。また、語数の多い辞書に切り替えてからも、古い辞書を捨てるには及びません。2つの辞書の説明を比べながら使うことによって、多くの発見があるからです。

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【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
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国語辞典入門:小学生向け辞典 語釈と語数の関係

2010年 6月 9日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

第20回 語数を減らせば、語釈が親切に?

 先に、語釈の不親切な学習国語辞典(学習辞典)は困る、という話をしました(第17回)。語釈をより親切にすることに反対する人は少ないはずです。でも、親切な説明をすれば、それだけ字数・行数が増えるのではないか、と心配する人はいるかもしれません。辞書の編集にくわしい人ほど、この点が気になるのではないかと思います。

 たとえば、「提唱」ということばを次のように説明する学習辞典があります。

 〈意見や考えを言いだすこと。〉

 これでも間違いではありませんが、不親切です。「提唱」というのは、今まで言われなかった新しいことを世間に提案することです。そこで、次のように改めてみます。

 〈意見や考えを発表して、人々に呼びかけること。〉

 これなら合格です。ところが、もとの13字が22字になり、1.7倍に増えてしまいました。この調子で、すべての項目の字数を増やせるかというと、どうもむずかしそうです。

 もし、全体の字数を1.5倍程度に増やしたとすると、単純計算で、1000ページの辞書は1500ページになります。学習辞典の本文はせいぜい1300ページが限界で、それを超えると、分厚くて重くて、実用的でなくなります。すでに1000ページを超えている辞書が、項目当たりの記述を1.5倍とか2倍とかに増やすのは、現実には困難です。

 ページ数に上限を設けて、その中で語釈をくわしくしようとするなら、収録語数を減らすという方法が考えられます。かりに、同じページ数で3万語の辞書と2万語の辞書があったとすると、これも単純計算では、後者のほうが項目当たり1.5倍のスペースが確保できることになります。

 書店に行って比べてみると、ページ数はほぼ同じでありながら、収録語数が3万数千語の辞書もあれば、2万数千語の辞書もあります。実に1万語の開きがあります。字の大きさなどの条件が同じだとすれば、後者のほうがくわしい記述をしているのではないかと、ふつうには思われます。

 もしそうだとすると、語釈の親切さで学習辞典を選びたい子どもには、収録語数の少ない辞書を薦めたくなります。本当のところはどうなのでしょうか。

語数と親切さに関連なし

 実際に、収録語数の少ない辞書は語釈が長くなるかどうか、調べてみます。約3万5千語を載せるA辞典(本文約1200ページ)と、約2万5千語を載せるB辞典(本文約1100ページ)とを取り上げます。2冊に共通する192項目を選び、語釈をパソコンに入力します。それから、字数を自動的に計算させます。

 結果として、A辞典の語釈は平均30.8字、B辞典の語釈は平均31.1字でした。どちらもほとんど同じ字数です。このことから、必ずしも、収録語数が少なければ語釈が長くなるとは限らないことが分かります。

 ページ数がほぼ同じで、1万語の開きがある2冊を比べて、語釈の字数があまり変わらないのは不思議です。これは、主に、1行の字数や1ページの行数など、レイアウトが微妙に違うことが理由でしょう。また、用例の長さなども関係しているようです。

 収録語数が少なくて、語釈のくわしい辞書も、もちろんあります。その一方、語数が多くて、なおかつ語釈に力を入れている辞書もあります。収録語数が多いか少ないかということと、語釈が親切かどうかには、関連がないのです。

 根本的なことを言えば、語釈を短く切りつめたからといって、不親切になるわけでもありません。今回は、「親切な説明のためには、多くの字数・行数が必要」という前提で話をしたのですが、実は、その前提があやしいのです。私は、これまでも、簡単な語釈だからといってだめな語釈だとは言えない、と繰り返してきました(第8回など)。

 先に掲げた「提唱」の語釈は、くわしく書き換えると1.7倍に増えました。でも、同じ字数で、より的確に書き換えることもできます。別の辞書の「提唱」はこんな語釈です。

 〈新しい考えを言いだすこと。〉

 先の辞書では〈意見や考えを……〉でしたが、ここでは、〈新しい考えを……〉になっています。この「新しい」という要素を入れただけで、「提唱」の語釈としては、簡潔ながら十分なものになりました。

 このように、「親切な語釈」は、辞書の収録語数や語釈の字数にかかわらずに実現できます。「それなら、語数を少なくする意味がない」と言われそうですが、低年齢の児童のためには、語数を抑えた辞書も必要です。このことについては、次回に考えます。

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