新訳英和辞典
明治35年(1902)6月1日刊行
神田乃武、横井時敬、高楠順次郎、藤岡市助、有賀長雄、平山信共編/本文1136頁/三五判変形(縦149mm)
三省堂編修所の斎藤精輔は、明治29年に『和英大辞典』が完成したあと、やりかけだった『ウヱブスター氏新刊大辞書 和訳字彙』(明治21年・1888)の大改訂を本格的に再開した。そして、学術専門語の充実を図り、いっそうの近代化による新たな形で完成したのが『新訳英和辞典』である。
見出し語にウェブスター式の発音を表す記号が付けられている点は同じだが、訳語は大幅な変更を行い、格段に詳細となった。また、熟語などは子項目にして親項目に追い込まれ、慣用句などの用例は少なめである。その一方、訳語には主として雅語を用い、漢字カタカナ交じり文のため外国地名は漢字で表記するなど、保守的な部分も残っている。
編者の神田乃武は『和英袖珍新字彙』(明治23年)に続く登場。高楠順次郎は、東京外国語学校の第3代校長(初代は神田乃武)で、東京帝国大学の教授を兼務しいていた。横井時敬は農業、藤岡市助は電気学、有賀長雄は法律・政治・経済・外交・哲学・心理・教育・美術、平山信は天文学の訳語を担当したという。
●最終項目
Zyxomma, n.(動)一種の蜻蛉(トンボ).
●「猫」の項目
●「犬」の項目
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