前回までいろいろなあいづち表現をみてきました。今回からは相手が言ったことに対してコメントをするときに用いられる英語表現を考えていきます。
まず、相手の意見、主張などに対して積極的に賛意を示す表現として‘(That’s) great.’があります。相手の話に感嘆するほどの賛意や安心した旨の気持ちなどを表します。本辞典からの引用です。
1 〈相手の話に感嘆して〉 (それは)すごい, すばらしいことですね:“Helen has come top of her class again!” “That’s great !” 「ヘレンがまたクラスでトップになったんだよ!」「それはすごい!」 / “I’ve bought a convertible car.” “Great ! We can go driving to the seaside.” 「オープンカーを買ったんだ」「まあ, すごい! 海へドライブに行けるわね」.
2 〈共感して〉よかったね:“And we had to wait for an hour before we got in.” “Really?” “But we had a lot of fun after all.” “That’s great.” 「入場するまでに1時間待たなければならなかったんだ」「本当?」「でもすごく楽しかったよ」「それはよかったね」.
3 〈相手の発言内容に対して〉よかった, 助かった; (それを聞いて)うれしい: “I’d like to see Tom Brown. Do you know him?” “Yes. He works next to me.” “Great !” 「トム・ブラウンさんにお会いしたいのですが, ご存知ですか?」「ええ, 私の隣で仕事をしているわ」「よかった」 / “Do you have any dried beans?” “Yes, ma’am.” “Great. I need some.” 「乾燥大豆ありますか?」「はい, あります」「よかった. 少しください」.
語義2と3は大きな違いはありませんが、語義2では結果が心配したことほどではなかったという含みがあります。語義3では、いずれも疑問文から始まっていることからもわかりますが、答えが肯定であったことに安心の気持ちが現れています。
もともと、“Xerox this paper, please.” “Very good.” (「この書類をコピーしてください」「わかりました」)のように、相手からの要請を受けて受諾する表現としてよく用いられる‘Very good.’もよい知らせを聞いたときのコメント表現として使われます。
2 〈よい知らせを聞いて〉それでよい, 非常に結構:《孫の合格通知を聞いた祖母が》 Very good. I’m awfully happy to hear that. I have to give a nice present to celebrate his success. よかったわね. とてもうれしいわ. お祝いに何かプレゼントをしなければいけないわね / 《いやな隣人について》 “Our next-door neighbor moved to somewhere recently, didn’t he?” “Oh, really? Very good.” 「お隣の人, 最近どこかに引越ししたんだって」「えー, そうなの? それは結構なことだ」 (◆引っ越すのを望んでいたという含みがある)
第2例は隣人となにかトラブルなどがあって、引っ越してしまうことが望ましい出来事であるという気持ちが伝わってきます。
ちなみに、‘Very well’にはしぶしぶ同意する含みがあります。
“How about going to the theatre tonight?” “Very well, if you want to.” 「今晩映画に行かない?」「君が行きたいのならいいよ」.