10分でわかるカタカナ語

第6回 モチベーション

2004年12月14日

どういう意味?

意欲の源(みなもと)になる「動機」のことです。

もう少し詳しく教えて

モチベーション(motivation)とは、意欲の源になる「動機」を意味します。例えば、ある人が「仕事を頑張りたい」という意欲を持っているとすると、その意欲の源になる「彼女にモテるから」「お金がもらえるから」などの動機付けこそが、まさにモチベーションということになります。もっとも一般には、動機の結果として現れる意欲(=仕事を頑張りたいという気持ち)の方を、モチベーションと表現しているようです。

どんな時に登場する言葉?

スポーツ、ビジネス、カウンセリングの分野で多く用いられる表現です。例えば、試合を前にしたスポーツ選手が「モチベーション(=試合へ望む意欲)は高まっている」と言う場合もありますし、会社の社長が「現場のモチベーション(=やる気)を上げることが、経営者としての使命です」という場合もあります。

どんな経緯でこの語を使うように?

本来モチベーションは心理学で用いられる用語ですが、これが広く一般化したのは90年代末頃のことです。当時、国内で人気が定着し始めたサッカーの分野で、この言葉が多用されたのです。特に「FIFAワールドカップ」のフランス大会(日本が本戦に初出場)が開催された1998年には、この語がマスコミで頻出しました。それ以来、スポーツの分野で広く用いられる言葉となり、ビジネスの分野でも専門用語から一般用語へと変化を遂げることになりました。

モチベーションの使い方を実例で教えて!

モチベーションが上がる/高いモチベーション

動機ではなく、意欲の意味でモチベーションの語を用いる場合「モチベーションが上がる(上昇する・高まる・下がる・低下する・落ちる・ある・ない)」とか「高い(低い)モチベーション」などの表現を用いることができます。これらはすべて「意欲の大きさや程度」を論じる時に使用できる表現です。

モチーベーションの維持/管理

自分自身で“動機や意欲”を制御する場合、「モチベーションの維持」「モチベーションの管理」「モチベーションを保つ」などの表現を用いる事ができます。

言い換えたい場合は?

狭義のモチベーション(=動機)を漢字で言い換える場合、「動機付け」という訳語が定着しているので、これを用いるのが良いでしょう。また、広義のモチベーション(=意欲)を漢字で言い換える場合は、「意欲・やる気・士気」などの言葉を使ってみて下さい。一般的に使われるモチベーションは、ほとんどの場合、後者の方法で言い換える事ができます。

雑学・うんちく・トリビアを教えて!

モチベーションが社名に モチベーション管理を事業化した経営コンサルタント会社が存在します。人材開発の分野において、モチベーション管理の重要性が認識されるようになったためです。このうち、実際にモチベーションの語を社名に冠した会社には「JTBモチベーションズ」「リンクアンドモチベーション」などがあります。

筆者プロフィール

三省堂編修所

編集部から

あなたはマスコミ報道や日常会話の中で、突然意味の分からないカタカナ語に出会い、困ってしまったことはありませんか?

「そもそもソリューションとは何なのか?」「どういう意味なのか?」「どういう時に使うのか?」「分かり易く言い換えるにはどうしたらいいか?」といった素朴な疑問は、いまさらヒトには聞けない疑問のひとつではないでしょうか?

そこでこのコーナーでは、社会での使用頻度が高いわりに意味がよく知られていないカタカナ語を選び出し、それらの意味や使い方について「10分でわかる」ようまとめてみました。このコーナーを見れば、あなたもカタカナ語が怖くなくなります。