三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
フェミニズム大図鑑
- 定価
- 4,620円
(本体 4,200円+税10%) - 判型
- B5変型判
- カラー
- オールカラー
- ページ数
- 352ページ
- ISBN
- 978-4-385-16247-8
- 寸法
- 23.5×19.5cm
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改訂履歴
- 2020年8月10日
- 発行
フェミニズムの歴史と全体像を捉えたい人のための入門書。
長い年月の間にフェミニズムがどんな形をとり、どのように発展したのか、その優れた点と弱点を知ることができたらどんなにかいいだろう。どんな闘いがすでに闘われ、何を勝ち得たのか、すでに闘った闘いをもう一度闘う必要があるのかを知ることができたなら。そして歴史の中の勇者たちを支えに、言論の軍を率い、過去も今も自分は一人ではないという確信を武器として、新たな闘いに乗り出すことができたなら。
本書には神秘家、作家、科学者、政治家、芸術家など、昔も今も新たな思想、行動、定義、ルール、優先事項、洞察を生み出してきた多くの人々が登場する。フェミニズムとは何か? その答えはここにある。
――ルーシー・マンガン「序文」より
- 教育こそが女性たちを解放すると訴えた17世紀のメアリー・アステルの時代から、Facebook社のCOOの著書『リーン・イン』や、TEDのスピーチが話題になったアディーチェ、さらに#MeToo運動までのフェミニズムの流れを扱い、その基礎的な知識が身につけられる。
- 先住民族、ブラックフェミニズム、LGBTQなどマイノリティの問題、イスラム圏、アジア圏でのフェミニズムについても広く取り上げ、オールカラーの写真と図解満載でわかりやすく解説。特定の団体や思想に偏ることなく、客観的な記述が中心となっている。
特長
関連リンク
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執筆者・訳者プロフィール
編集顧問
ハンナ・マッケン
メルボルン大学講師。ジェンダー研究を専門とし、女性による自身のジェンダー表現の方法と、フェミニスト的文脈および幅広いLGBTQ +コミュニティにおけるその扱われ方を主要研究テーマとする。研究論文「女性性のクィア化――セクシュアリティ、フェミニズム、表象の政治」を2018年1月に発表。
訳者
最所篤子(さいしょ・あつこ)
翻訳家。英リーズ大学大学院応用翻訳学専攻修士課程卒業。訳書にパイル『月へ 人類史上最大の冒険』(三省堂)、ノリス『マイク』、モイーズ『ワン・プラス・ワン』(以上小学館)、ホーンビィ『ア・ロング・ウェイ・ダウン』(集英社)など。
福井久美子(ふくい・くみこ)
英グラスゴー大学大学院英文学専攻修士課程終了。訳書にケインほか『世にも危険な医療の世界史』(文藝春秋)、ロビンズ『5秒ルール』(東洋館出版社)、カプラン『ハーヴァードの自分を知る技術』(CCCメディアハウス)などがある。
目次
はじめに
フェミニズムの誕生(18世紀〜19世紀初頭)
英国における初期フェミニズム*スカンジナヴィアにおける初期フェミニズム*18世紀における共同行動*啓蒙主義フェミニズム*家庭からの解放*労働者階級のフェミニズム*ムスリム女性の教育*男性優越主義の世界における女性の自由
平等な権利を求めて(1840年~1944年)
労働組合の結成*マルクス主義フェミニズム*女性参政権運動の誕生*人種と男女平等*結婚と仕事*既婚女性の権利*女性のための医療の向上*性のダブルスタンダード*制度としての抑圧*子育ての社会化*日本におけるフェミニズム*英国における政治的平等*平和のために団結する女性たち*世界の女性参政権運動*産児制限*アラブの初期フェミニズム*知性の自由*アナーカ・フェミニズム
個人的なことは政治的なこと(1945年~1979年)
抑圧の根源**名前のない問題*フェミニスト神学*性の快楽*フェミニストアート*ウーマン・リブの広がり*意識覚醒*ピル*ラディカル・フェミニズム*家族の構造*ミソジニーとの対決*新しいフェミニズム出版*社会的支配としての家父長制*子宮羨望*家事の報酬*女性中心のヘルスケア*歴史の中に女性たちを書き入れる*合法的な妊娠中絶の権利 *女性による労働組合の結成*家庭内暴力との闘い*男の眼差し*権力の濫用としてのレイプ*トランスジェンダーに排他的なラディカル・フェミニズム*ファット・ポジティブ*インドのフェミニズム*フェミニズム演劇の誕生*政治的レズビアニズム*ポスト構造主義
差異の政治学(1980年代)
言語と家父長制*強制的異性愛 *ポルノグラフィ反対運動*エコフェミニズム*フェミニズムのなかにある人種差別と階級差別*核兵器に反対する女性たち*ブラック・フェミニズムとウーマニズム*怒りをバネに戦った活動家たち*国内総生産(GDP)の見直し*反植民地主義*ポストコロニアル・フェミニズム*先住民フェミニズム*ピンクカラーフェミニズム*毛沢東後の中国におけるフェミニズム*強制結婚を撲滅するために *性に肯定的なフェミニズム*被害者ではなく、サバイバーだ*白人の特権*インターセクショナリティ*ゲリラ・ガールズ
フェミニズムの新しい波(1990–2010年)
ポストフェミニズムと第3の波*ジェンダーは行為遂行性で決まる*フェミニズムとクィア理論*美の神話*リプロダクティブ・ジャスティス社会*両性愛(バイセクシュアリティ*アンチ・フェミニストによるバックラッシュ*ライオット・ガール・ムーブメント*古代哲学を書き直す*解放の神学*障害フェミニズム*戦場の女性たち*女性器切除撲滅キャンペーン*低俗文化*現代イスラーム社会のフェミニズム*トランスフェミニズム
現代社会で性差別と闘うこと(2010年以降)
オンラインフェミニズムの台頭*性労働者の権利を求めて*被害者叩きをやめさせるために*反資本主義フェミニズム*万人向けのフェミニズム*どこにでもある性差別*世界中の女児に教育の機会を*一歩踏み出す*フェミニストは場をしらけさせる*女性を傷つける男たち*賃金格差*キャンパスレイプとの闘い*運転する権利*性被害への問題意識の高まり