「評価」「査定」「事前評価」をさします。
アセスメント(assessment)は、「課税」「査定」「評価価値」「分担金」などを意味する英語からきています。日本では、「評価」「査定」の意味で用いられることが多く、「対象が周囲に及ぼす影響の評価をすること」「開発が環境に与える影響の程度や範囲、また対策について、事前に予測・評価すること」などをさします。また、「事前評価」の意味でも用いられ、ソーシャルワークでは、クライアントに関する情報収集をいいます。
アセスメントという語は「評価」に関わる場面で登場します。「製品アセスメント」「リスクアセスメント」「テクノロジーアセスメント」「アセスメントテスト」など熟語として表れることが多く、アセスメントが単独で出てきたときは、「環境アセスメント」を意味することが多いようです。この場合、アセスと略されることもあります。日本では、語源である英語の意味にある「課税」「課税額」「割当金」といった意味ではあまり用いられていません。
専門領域や官公庁の報告書では以前から用いられたカタカナ語ですが、一般に広まったのは1980年代と思われます。1981年に環境庁(現・環境省)が国会に提出した環境影響評価法案が1983年に廃案となった後、空港やダムなどの大規模事業11種の実施要項を定めた1984年「閣議アセス」あたりから、環境問題に関して新聞やニュースに頻繁に登場してくるようになります。1997年に成立し1999年に施行された環境影響評価法は俗に「アセス法」とも呼ばれています。そうしたなか、人事査定や企業評価などほかの領域でも使われることが増え、広まってきたと思われます。
アセスメントを漢字で表す場合、評価される対象や評価方法・目的などによって、最適な表現が異なります。例えば環境アセスメントは一般に「環境影響評価」とされています。政策アセスメントは「政策評価」、リスクアセスメントは「危険率事前評価」などのように内容から言い換え語を検討してみましょう。ただし、ヒューマンアセスメントのように、従来の人事評定とは手法が異なることを強調するためにもカタカナ語が使われている場合がありますので、注意が必要です。
テクノロジーアセスメント(technology assessment)テクノロジーアセスメントは1966年にアメリカで下院科学技術委員会報告書の中で初めて公式に使われた技術革新による周囲への影響の事前評価で、日本では1971年に科学技術庁(現・文部科学省)と通産省(現・経済産業省)がそれぞれに行い始めたとされています。この語をもじってできたのが、ビジネスアセスメント(企業査定)やヒューマンアセスメント(人事査定)です。
ふたつの「アセスメントセンター」(assessment centre)英語でアセスメントセンターと聞くと、ビシッとしたスーツ姿の大人が少々緊張気味で現れそうな雰囲気と世を拗ねた青少年が意気消沈している雰囲気が思い出されます。前者はアメリカにおける管理職選抜訓練法や人事考課のための能力査定センターで、後者はイギリスにおける犯罪青少年を収容する考査収容施設です。同じ英語なのにところ変われば……。ちなみに日本では、アメリカの意味で用いられるか、単に中心機関・施設といった意味で「センター」を「○○アセスメント」の後につけているだけのようです。
アセスメントの理解度国立国語研究所の「『外来語』言い換え提案」によると、アセスメントは「影響評価」「事前評価」「再評価」「評価」「査定」とされています。また、2003年掲載の情報によると、アセスメントの理解度は国民全体の25%未満です。
三省堂デュアル・ディクショナリーとは、
「大辞林第三版」、
「ウィズダム英和辞典第2版」、
「ウィズダム和英辞典」
をご購入頂くと、その辞書をウェブでも利用できる、辞書の新しい形態です。