政治的意図を持つ「宣伝」のことです。
プロパガンダ(propaganda)とは、特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動の総称です。特に、政治的意図をもつ宣伝活動をさすことが多いですが、ある決まった考えや思想・主義あるいは宗教的教義などを、一方的に喧伝(けんでん)するようなものや、刷り込もうとするような宣伝活動などをさします。要するに情報による大衆操作・世論喚起と考えてよく、国際情報化社会においては必然的にあらわれるものです。今日その方法は、必ずしも押しつけがましいものではなくなり、戦略化し巧妙なものとなってきています。
思想、政治、歴史、宗教、情報、マスコミュニケーション、ジャーナリズムなどの分野に登場します。「コミュニケーション論から見た戦争プロパガンダ」「組織ぐるみのプロパガンダ疑惑」「切手によるプロパガンダ」などのように用いられます。
比較的古くから用いられているカタカナ語ですが、第二次世界大戦後のアメリカで、ナチスのゲッペルスによる国際宣伝戦を特定して「プロパガンダ」と呼ぶ風潮があったため、日本でも好ましくない感じを受けて敬遠されました。ところが、1989年のベルリンの壁崩壊に始まり湾岸戦争やイラク戦争などに至る国際紛争が、衛星放送やインターネットを含む情報戦でもあったことから、限定された意味ではなく「プロパガンダ」という言葉が再び用いられるようになってきたようです。
プロパガンダを漢字で表現すると、「宣伝」「宣伝活動」、あるいは「政治的宣伝」「世論喚起活動」などに言い換えられます。文脈によっては、「情報操作」「世論誘導」「情報政策」などに置き換えられることもあるでしょう。
もともとはローマカトリックの「宣伝機関」語源はラテン語で「挿し木・接ぎ木で増やす」という意味で、近代ラテン語では外国へ向けた伝道師を監督する「布教聖省」をさし、そうした伝道師を養成する機関は「プロパガンダ大学」と呼ばれました。布教とは、教義の宣伝活動なわけです。
「噂」と情報戦英語のプロパガンダ(propaganda)も「宣伝政策」の意味ですが、誹謗(ひぼう)や中傷または弁護を目的として流布された情報を故意または組織的に流すこと、「デマ」や「噂(うわさ)」といったニュアンスが強い傾向にあります。1938年のハロウィーンの夜、「火星人来襲」というラジオドラマが全米を大混乱に陥れたことがあります。ドラマの冒頭がニュース番組のようだったので、本当に火星人が来襲したと思った人々が大騒動を起こしました。これは「プロパガンダ」ではありませんが、その効果を考える上では参考になる事例でしょう。鎌倉幕府の執権となった北条氏に暗に仕えた忍びは「風」と呼ばれ、同時に「私語」を意味し、当時の情報戦に一役買っていたようです。
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