ほとんどの辞書には、「この言葉はあの言葉の反対語である」という表示は出ていますが、「この言葉の反対語は何々である」という表示は出ていません。そのような時のために「反意語」を集め、語幹の頭をアルファベット順に並べておくと、「反意語」を簡単に調べることができるようになります。「単語」欄には接頭辞を取ったもとの単語が、「反意語」欄には接頭辞や接尾辞を付けた、真の「反意語」が収録されており、「例文」欄には、その反対語を使った英例文が収録されています。ここでは、反対を表す接頭辞を取り除いた英単語がアルファベット順に収録されていますので、使いやすくなっています。
わかりやすいように、表組みと典型的な例を以下に示します。
肯定語 | 品詞 | 意味 | 接頭 | 接尾 | 反意語 | 品詞 | 意味 | 英例文 | 和訳文 |
connect | v | 接続する | dis | disconnect | v | 切り離す | …………. | 。。。。。。 |
下に示す例は、1つの反意語に2つ以上の異なった意味がある場合です。
肯定語 | 品詞 | 意味 | 接頭 | 接尾 | 反意語 | 品詞 | 意味 | 英例文 | 和訳文 |
regular | a | 規則的な | ir | irregular | a | 不規則な | …………. | 。。。。。。 | |
法に反する | …………. | 。。。。。。 |
下に示す例は、1つの肯定語に2つ以上の異なった意味がある場合です。
肯定語 | 品詞 | 意味 | 接頭 | 接尾 | 反意語 | 品詞 | 意味 | 英例文 | 和訳文 |
human | a | 人間的な | in | inhuman | a | 非人間的な | …………. | 。。。。。。 | |
non | nonhuman | 人間ではない、人間以外の | …………. | 。。。。。。 |
下に示す例は、接尾辞lessなどを伴う反意語の場合です。
肯定語 | 品詞 | 意味 | 接頭 | 接尾 | 反意語 | 品詞 | 意味 | 英例文 | 和訳文 |
ground | n | 根拠 | less | groundless | a | 根拠の無い | …………. | 。。。。。。 |
possibleのようなやさしい言葉はその反意語を思い出すのに苦労はしませんが、例えば、symmetricという言葉について、正しい範囲語を即座に言えと言われても出てこない場合が多いと思います。接頭辞はdisだったかな、inだったかな、noだったかな、nonだったかな、unだったかななどと迷う人が多いのではないかと思います。正しくは、単にaです。asymmetricなのです。
日頃、自分に自信のない言葉の反意語を集めておくと、いざというときに役に立ちます。
上に示した表は、データが500枚とか1,000枚集め終わってから表形式にまとめた後の姿で、集めはじめは、コンピュータなり、カードなり、ノートなどを使って
肯定語 反意語 英例文 出典
を、この順に、行き詰らないように考慮した方式で集めていくだけでよいと思います。
3 パンクチュエーション
パンクチュエーションは、「ピリオド」、「カンマ」、「コロン」、「セミコロン」、「コーテーション」の5つに分類してあります。日本語と違うところがいくつかありますので、極端に言うと、「ピリオド」は別として、その他のパンクチュエーションは、出てくるたび収集しておくとよいとすら言えるものです。
1 カンマ
「カンマ」にはいろいろな意味や用法がありますが、そのうちの1つである、「3つ以上の語や、句や、節を区切るときに用いられるカンマ」は大事です。普通、最後から1つ前の語・句・節と最後の語・句・節の間にandとかorを入れますが、そのandとかorの前には、新聞や雑誌などで入れていません科学技術文では、必ず入れる習慣をつけることが大事です。件(くだん)のandとかorが入っている例文と入っていない例文を多数集め、自分で学習してみることをお勧めします。
2 コロン
普通、2つの語や、句や、節の前後が、内容・意味ともに同じ時に使うのがコロンですが、その意味では、この後の「5 列挙法」で述べる、いくつかの構成要素を羅列したり、列挙したりするときの用法としても注意するとよい。
3 セミコロン
これは、英語にはありますが日本語にはないものです。特に、英和翻訳の際には、必ず、訳出するように心がけなければいけません。さらに厄介な問題は、「セミコロン」は、「しかしながら」、「したがって」、「一方」、「例えば」、「すなわち」などなど、十数個の意味に使われています。そのすべてを分類してあります。
4 コーテーション
これは、米語方式では、日本語の感覚と違って、「ピリオド」や「カンマ」と組み合わせて使った場合、「ピリオド」や「カンマ」を「コーテーション」の中に入れます。「トミイ方式」では、その用法を
(1) カンマとの関係
(2) ピリオドとの関係
(3) セミコロンとの関係
(4) コロンとの関係
の4つに「小分類」しています。
4 ハイフン
ハイフンは、普通、2つ以上の言葉をつないで、1つの形容詞を作るときに使われるものです。文法的に決められている用法もあり、その時のライターの思いつきで造語するときもあり、非常にバラエティーに富んでいます。ハイフンは、応用範囲が非常に広く、上手に使うと、英文が、非常に簡潔になります。
「トミイ方式」では、その用法を下に示す7つに「小分類」しています。
(1) 名詞-動詞 ⇒ 動詞
(2) 名詞-分詞 + 名詞
(3) 数量表現の中のハイフン
(4) hard (difficult, easy) - to - _____
(5) _____-_____-………-_____-_____
(6) ハイフンを使った汎用語
これらの「小分類」について、例を挙げながら、簡単に説明します。
(1) 名詞-動詞 ⇒ 動詞
これは、名詞と動詞をハイフンでつなげて、新しい動詞を作る用法です。
例 ― is factory-set ⇒ ― は工場でセットする
― is copy-protected ― はコピーのプロテクトがかかっている
(2) 名詞 - 分詞 + 名詞
これは、名詞の後ろにハイフンで分詞をつないで形容詞を作り、その後ろに来る名詞を修飾する用法です。後ろに来る分詞により、さらに下記のように「細分類」しています。さらに (a) は、その意味により2つに「細々分類」されています。
(a) 名詞の後ろに過去分詞を場合 _____(名詞) - ……(過去分詞) + ――(名詞)
(i) _____ によって …… されている ――
例 a coin-operated telephone set ⇒ コインで操作される電話機 ⇒ コイン式電話機
(ii) _____ が …… されている ――
例 a liquid-filled tube ⇒ 液体が充填されているチューブ ⇒ 液体封入管
(b) 名詞の後ろに現在分詞をつないだ場合 _____(名詞) - ……(現在分詞) + ――(名詞)
_____ を …… している ――
例 an oil-producing nation ⇒ 油を産出している国 ⇒ 産油国
(3) 数量表現の中のハイフン
これは、どの辞書や参考書にも書かれていない用法で、技術文では非常に大事な用法です。
(4) hard (difficult, easy) - to - _____
これは、ハイフンを使った「~しやすい」とか「~しにくい」という表現の造語法です。
例 easy-to-read books ⇒ 読みやすい本
difficult-to-solve problems ⇒ 解きにくい問題
(5) _____-_____-………-_____-_____
これは、ライターのその時の気持ちで、自由闊達に長い形容詞句を作る際の用法です。これには
(a) 範囲を表す場合
から
(h) 二者択一(または、二者併用)を表す場合
まで、いろいろな用法に「細分類」されていますが、ここでは
(i) その時の気持ちをそのまま表す場合
について取り上げることにします。これは、非常に大事で、誰もが、どのような形容詞句でも作ることできるようになっていないといけません。ここでは、わずか2つの例文しか挙げられていませんが、ユーザー自身が、この種の例文をたくさん収集し、その感を養っていくことが理想的です。
例 Don’t do that with a cat-that-swallowed-a-canary smile. ⇒ カナリヤを飲み込んだ猫のような薄笑い
Tourists pose for an I-was-there picture at Freedom Bridge in Panmunjon, South Korea. ⇒ 私がそこにいた写真 ⇒ 記念写真
(6) ハイフンを使った汎用語
ここには、よく使われる以下の9つが「細分類」されています。
(a) _____ - like ――.
から
(i) well-_____ed ――
までが「細分類」されています。この中に
(g) ,,,,,,-____ed ――
というハイフンの用法がありますが、これは
,,,,,, が _____ されたままの ――
というもので、大変重要なハイフンの用法です。
例 as-received conditions ⇒ 受け入れたままの状態