どういう意味?
「枠組みを伴った計画」や「計画を伴う枠組み」のことです。
もう少し詳しく教えて
スキーム(scheme)とは「枠組みを伴った計画」や「計画を伴う枠組み」のことです。例えば企業の事業計画は、事業の枠組みを表す計画であることから、事業スキームとも呼ばれます。このような計画や枠組みは「組織立って」「継続的に」実行されることが期待されており、この点が、単純に計画を表すプラン(plan)や、単純に枠組みを表すフレームワーク(framework)と異なるところです。
どんな時に登場する言葉?
計画が行われるあらゆる分野で登場する言葉ですが、特に政治・行政や経済・ビジネスの場において頻出する傾向にあります。例えば政治・行政の場では、基本計画や基本構想などのことを、スキームと言い換えている場合が多いようです(このほかグランドデザイン、フレームワークなどの語も使用されている)。また経済・ビジネスの分野では、事業スキーム(事業計画など)、課金スキーム(サービス利用者から課金を徴収するための仕組み)などの使用例があります。
どんな経緯でこの語を使うように?
政治・行政・経済・ビジネスなどの専門家の間で、古くから用いられている言葉のようです。1990年代の中頃からは「分かりにくいカタカナ行政用語」の代表格として語られる機会も増えました。
スキームの使い方を実例で教えて!
事業スキーム/ビジネススキーム
事業計画や事業の仕組み(いわゆるビジネスモデル)のことを「事業スキーム」または「ビジネススキーム」と呼ぶ事が出来ます。例えばレンタルソフト会社は「CDやビデオを購入して、それを会員に貸し出して貸出料を受け取り、著作権者には著作権使用料を支払う」という事業スキームで成り立っています。
○○スキーム
この他、何かの計画や仕組みを表現したい場合、「○○スキーム」という表現を用いる事が出来ます。例えば「改革スキーム・支援スキーム・認証スキーム・評価スキーム・決済スキーム・課金スキーム・連携スキーム」などの用例があります。
スキーム図
以上のよう計画や仕組みを図示したものを「スキーム図」と呼ぶ事が出来ます。代表的な図示方法のひとつに、会社や人などの立場(例; レンタルソフト会社・会員・著作権者)を□や○で囲み、立場どうしのやり取り(例; お金の流れ・サービスの流れなど)を→で表す方法があります。もちろんここで図示された計画や仕組みも、「組織立って」「継続的に」実行されることが期待されているわけです。
カラースキーム
デザインの分野では、配色に関する方針や枠組みのことを「カラースキーム」と呼びます。例えば「基本色は白・青の2色を使い、アクセントに黒を用いる」など、配色を運用するためのルールを定めておくわけです。インテリアやパソコンの分野で頻出する用法です。
言い換えたい場合は?
「計画」と「枠組み」のどちらの意味に軸足を置くかによって、表現方法が異なってきます。まず「計画」に軸足を置く場合は「(基本)計画・構想・案」などの語を用いる事が出来ます。また枠組みに軸足を置く場合「(基本的)枠組み・仕組み・図式・体系」などの語を用いることができます。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
スキームの理解度 国立国語研究所の調査では、スキームの意味が分かる人は国民の25%未満でした。
ねずみ講 英語の scheme は「無謀な計画」や「陰謀」などの悪い意味を表す場合があります。また複合語の中にも、ピラミッドスキーム(ねずみ講)のような悪い意味の言葉が登場します。