どういう意味?
異なる立場や人による「共同作業」や、その「成果」のことです。
もう少し詳しく教えて
コラボレーション(collaboration)とは、複数の立場や人によって行われる協力・連携・共同作業のことです。またその協力によって得られた成果(=共同開発品・合作品・協力体制)もコラボレーションと呼ばれます。以上の両方とも、コラボと略される場合もあります。
ところでコラボレーションの語が用いられる場合、そこには「意外な組み合わせ」あるいは「付加価値の創出」というニュアンスが込められる傾向があるようです。例えば、意外な組み合わせの具体例としては「日韓のミュージシャンによる新曲の共同制作」「自動車メーカーと家具メーカーによる自動車の共同開発」などの事例があります。また付加価値のある成果の具体例としては「製造・流通・小売の各企業が、各々のコンピューターシステムを統合して作る、新しい協調体制(コラボレーションシステム)」のような事例があります。
どんな時に登場する言葉?
協力が行われるすべての分野でこの語が用いられるようですが、特に日本語では「芸術」「商品開発」「経営・情報」の分野における使用頻度が高いようです。例えば芸術の分野では「テクノDJと演歌歌手のコラボレーション(=合作)」などの用例が、商品開発の分野では「テレビ番組とコンビニ弁当とのコラボレーション(=番組で紹介したものと同じレシピの弁当)」などの用例が、また経営情報の分野では「グループウエアの導入によるコラボレーションシステム(=電子メールやテレビ電話などによる共同作業システム)の構築」などの用例があります。
どんな経緯でこの語を使うように?
コラボレーションというカタカナ語は、少なくとも1990年代頃までは「芸術」の分野で多く用いられていたようです。例えば当時の新聞では、この語が登場するほとんどの記事が、芸術関係の話題を扱ったものでした。
近年、この語が一般化したきっかけのひとつは「コラボレーションCM」かもしれません。コラボレーションCMとは、単一のコマーシャル作品の中で、異なる企業の商品を紹介する手法のこと。2001年(平成 13)にサントリーが放映した、缶コーヒー「BOSS」のCMがその先駆けとなりました。このCMでは同じ登場人物とストーリーを核にして、SKY PerfecTV・フジカラー・KDDI などの商品も同時に紹介されたのです。まさに「意外な組み合わせが、新しい価値を産み出した」ことになります。一般向けの雑誌でコラボレーションの語が頻出するようになるのは、おそらくこの頃からのことです。
一方1990年代末頃からは、経営・情報の分野でもコラボレーションの語がよく用いられるようになりました。というのも、企業間や部署間のコラボレーション(=共同作業)を支援するための高度な情報技術が、次々に導入されるようになったからです。インターネットの一般化とも関連があるようです。
コラボレーションの使い方を実例で教えて!
コラボレーションする/コラボする
異なる立場や人が共同作業を行うことを「コラボレーションする」または「コラボする」などと表現できます。またコラボレーションの語源がコラボレート(collaborate)であることから「コラボレートする」という表現もよく用いられます。
コラボレーションモデル/アイテム/商品
複数企業の共同作業による商品を表す場合、これを「コラボレーションモデル」「コラボレーションアイテム」「コラボレーション商品」などと表現できます。例えば、有名デザイナーと靴メーカーが共同開発したスニーカーなども、コラボレーションモデルと呼ばれます。
言い換えたい場合は?
共同作業の意味のコラボレーションを言い換える場合は、「共同作業・共同制作・共同研究・共同事業・協同・協調・連携・協業」といった言い方があります。また成果の意味のコラボレーションを言い換える場合は「共同作業による作品・合作・協調体制・連携システム」などの表現方法を試してみて下さい。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
新聞記事に登場した変わったコラボレーションを、いくつか紹介しておきましょう。「現代美術家の村上隆が、アイドルの佐藤江梨子とのコラボレーションでコスプレ写真を撮影」「歌舞伎俳優の市川新之助が、高級ブランドのルイ・ヴィトンとのコラボレーションでモノグラム柄の鏡台を製作」「英国ポップデュオのペットショップボーイズが、日本テレビ「欽ちゃんの仮装大賞」とのコラボレーションで、仮装プロモーションビデオを制作」