どういう意味?
主にコンピューターの分野で「(製造)販売会社」のことです。
もう少し詳しく教えて
本来、ベンダー(vender; vendor)は「売り手」や「販売店」などを意味します。「売る・行商する」などを意味する vend の名詞形にあたります。この語が日本語で用いられる場合は「(製造)販売会社」とりわけ「コンピューター関連製品の(製造)販売会社」をさす言葉として、よく用いられているようです。工学系の専門家による表記慣習にならい、「ベンダ」と書き表される場合もあります。
どんな時に登場する言葉?
主に情報産業の分野で、メーカー(製造者)、ベンダー(販売者)、ユーザー(利用者)の三者を区別するために、この語が用いられているようです。ただし実際にはメーカー(製造者)とベンダー(販売者)が同じ会社であることも多いので、読解や表現の際には注意してください。
どんな経緯でこの語を使うように?
コンピューターの分野で、古くから用いられていた表現のようです。
ベンダーの使い方を実例で教えて!
○○ベンダー
何かを扱う販売会社を表す場合、システムベンダー、ITベンダー、ワクチンベンダー、周辺機器ベンダーなどの表現を用いることができます。前述の通り「販売業者」を意味する場合と、「製造販売業者」を意味する場合に分かれます。
シングルベンダー/マルチベンダー
コンピューターシステムの販売会社の中には、単一メーカーの製品を扱う会社と、複数メーカーの製品を扱う会社があります。前者をシングルベンダー(singlevendor)、後者をマルチベンダー(multivendor)と呼びます。一般にマルチベンダーは、複数社の製品を扱う事により安価で効率的なシステムを提供できますが、その反面「製品間の相性問題の解決」など、難しいシステム運用を強いられているようです。
ベンダー資格
ハードウエアやソフトウエアの有名販売会社の中には、技術者などを対象にした資格認定を行なっている会社があります。このようにして認定される資格のことを「ベンダー資格」と呼びます。有名なベンダー資格には「マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)」「シスコ技術者認定(CCC)」「オラクルマスター」などがあります。
ベンディングマシン
ベンダーには「自動販売機」の意味もあります。これを、より正確に言い表す場合は、ベンディングマシン(vending machine)の語形を用います。街角によく自動販売機だけが設置された店舗を見つける事がありますが、そのような店舗のことをベンダーショップ、ベンダーストアといいます。
言い換えたい場合は?
「売り手」「販売者(社・店・業者)」「提供者(社・店・業者)」などの語形を試してみてください。ただしベンダーの語形によって「製造者と販売者の両方を兼ねる」場合もあるので、その場合「製造販売者(社・店・業者)」などの語形を試してみて下さい。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
豆屋でござい もともとベンダーとは「売り手」や「行商人」などの意味。例えばキャンディーベンダーと言えば「飴菓子売り」の意味になりますし、ニュースベンダーと言えば「新聞売り・雑誌売り」の意味になります。それと同様、ピーナツベンダーとは「南京豆売り」のこと。ラテン音楽の超スタンダードである「南京豆売り(El Manicero; The Peanut Vendor)」は1930年の全米ヒット曲。その後、ヒットは全世界に波及し、数知れないカバーバージョンを生み出す事になりました。