どういう意味?
「企業どうしの提携」や「そのグループ」のことです。
もう少し詳しく教えて
もともとアライアンス(alliance)は「縁組・同盟・連合・提携」などを意味します。異種の立場の人や団体が集まって、グループを組み、その中で協力しあうようなニュアンスがあります。一方、日本語の多くの文脈では「企業どうしの提携」や「そのグループ」をさす事が多いようです。
どんな時に登場する言葉?
ビジネスや経営の分野で頻出する語で、特に、企業どうしの提携をさす場合によく用いられます。アライアンスがさし示す提携関係は、資本関係の有無やその程度、提携する業務の種類などによって、さまざまな形態が存在します。逆に言えばアライアンスの語形だけで、その具体的な形態を推し量れないとも言えます。この点、注意する必要があるでしょう。
アライアンスの語は、固有名詞の中にもよく登場します。例えば会社名では「アライアンス・バーンスタイン」(資産運用会社)などが、また企業団体名では「DVD+RWアライアンス」(光ディスク規格の企業団体)「ビジネスソフトウエアアライアンス」(著作権保護活動を行うアメリカのソフトウエアメーカー団体)などの例があります。
どんな経緯でこの語を使うように?
ビジネスや経営など、提携が行われるあらゆる分野で、古くから用いられていた言葉だと思われます。ただ、日本語でこの語が頻繁に用いられ始めたのは、1990年代の後半頃のことです。丁度この時期、航空業界における「スターアライアンス」(詳細は後述)など、国際的な企業による提携が活発に行われ始めたのです。この背景には、経済の急速なグローバル化が関係しているようです。
アライアンスの使い方を実例で教えて!
アライアンスを組む/結ぶ
異なる立場どうしで提携関係を結ぶことを「アライアンスを組む」「アライアンスを結ぶ」などと表現します。
ストラテジックアライアンス
戦略的提携のことを「ストラテジックアライアンス」(strategic alliance)と言います。業種や国境などの壁を越えた企業が、それぞれの得意分野をいかして共同事業を行うことをさします。
航空連合(Airline alliances)
近年、航空業界では「国際的な連携組織を組むこと」がトレンドになっています。これを航空連合(Airline alliances)と言います。参加社どうしで、マイレージの共通化、乗り継ぎ空港での手続きの簡略化、コードシェア便(共同運航便)の相互乗り入れなどを実施しています。2007年現在、世界の航空連合は「スターアライアンス」(日本からは全日空が参加)、「ワンワールド」(日本からは日本航空が参加)、「スカイチーム」の 3 団体が存在します。
Triple Alliance(トリプルアライアンス)
1882年から1915年にかけて、ドイツ・オーストリア・イタリアによって結ばれた軍事同盟のことを「Triple Alliance(三国同盟)」と呼んでいます。ちなみに1940年から1945年にかけて、日本・ドイツ・イタリアによって結ばれた軍事同盟のことは「Tripartite Pact」(=三者間協定ぐらいの意)と呼んでいますが、日本語ではどちらも「三国同盟」と呼ばれる事が多いようです。
言い換えたい場合は?
アライアンスを単純に言い換える場合は「縁組・同盟・連合・提携・協定・協力・協業」などの語を試してみて下さい。また、日本語の文脈に現れるアライアンスは、企業どうしの提携関係を表す事が多いので、「企業同盟・企業連合・企業連携」などの表現を用いるのも良いでしょう。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
ごめんなさい。アライアンスに失敗しました。 英語の alliance には「縁組」という意味があります。実はこの意味については、反対語として misalliance(ミスアライアンス)という言葉も存在します。「不釣り合いな結婚」などを意味するそうです。