仏和辞書
明治19年(1886)12月刊行
中村秀穂編/本文406頁/四六判
本書は、長崎の英学者岡田好樹が仏英辞典を翻訳した『官許仏和辞典』(明治4年・1871年)の内容を踏襲し、小型・簡約化を図ったものである。編者は中江兆民の仏学塾に入ってフランス語を学んだのち、神田猿楽町でフランス語塾を開いていた。本書刊行の翌年には『仏文典独学』を翻訳出版している。
仏和辞典の出版は、本邦初の洋装・活版(印刷は上海)となる『官許仏和辞典』から15年空白が続き、明治19年以降さかんになり始める。本書は高橋泰山訂正『仏和辞典』に3か月の遅れをとったものの、その先陣を争うものである。日進堂・十字屋・桃林堂・開新堂などの5社と共同の出版だった。
●最終項目
Zythum, sm. 苦味ナキ麦酒
●「猫」の項目
Chat, m. chatte, f. 猫
●「犬」の項目
Chien, sm. chienne, f. 犬、鶏頭
Entre chien et loup. 黄昏
─ dent. 草ノ名
─ marin. 海犬
◆辞書の本文をご覧になる方は
仏和辞書:
⇒近代デジタルライブラリーの『仏和辞書』のページへ