どういう意味?
『大辞林 第三版』には「①つゆの美称。しらつゆ。②二十四節気の一。太陽の黄経が165度に達した時をいい、現行の太陽暦で9月7日頃。ようやく秋らしい気配が加わる。陰暦八月節気。[季語]秋。」とあります。
もう少し詳しく…
「処暑」(バックナンバー8/23)で少しやわらぎはじめた暑さ。9月も半ばになると少し肌寒いような涼しい風が吹くようになります。大気が冷え、草木に露が置くようになるのが「白露」の状態です。
「しらつゆ」と読むと和歌によく使われた語となり、『全訳読解古語辞典 第三版』では、「白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける」という歌が出ています。また「白露の」とすれば枕詞で「「おく」「消ゆ」「たま」などにかかる」とあります。
いつごろに適したことば?
「白露」は明日(例年9月8日ごろ)から秋分(9月23日ごろ)までの間です。
使用例は?
「白露の候」「白露の砌(みぎり)」「白露の折から」など
ちなみに…
「露」
『全訳読解古語辞典』で「つゆ」をひくと「読解のために」というコラムがあり、次のように書かれています。
露は「降る」ではなく「置く」といい、「起く」と掛詞になることも多い。置く時間や季節によって「暁露(あかときつゆ)」「朝露」「夕露」あるいは「秋露」などという。置く場所は「露の宿」とされ、萩(はぎ)や菊(「聞く」と掛詞になる)との組み合わせが一般的で、もみじを色づかせるものである。草木に置く場所によって「うは露」「下露」「山下露」とされる。色からは「白露」とされ、「玉」に見立てられることもある。また、露は消えやすいことで、「消ゆ」と縁語になることが多く、はかないことのたとえになって、「露の世」「露の間」「露の身」「露の命」などと、用いられる。
露がおりるのは秋だけではないですが、秋の季語となっています。暑さがしだいにおさまって、徐々に冬へ向かうその間の 少しずつ変わっていく様子を表すものだからでしょうか。「露」の語とともに 秋のもの寂しさやはかなさが 古くから歌にもよく詠まれています。
二十四節気とは…
二十四節気は二十四気(にじゅうしき)ともいい、『新明解国語辞典 第六版』に「黄経〔=太陽の黄道上の位置〕によって、一年を二十四〔=各十五日〕に区分した、中国伝来の陰暦の季節区分。二十四節。二十四節気。節気。」とあるように、古く中国から日本に入ったものです。中国の黄河流域の気候に合わせた言葉であるため、日本の気候とは若干ずれますが、立春・立秋・春分・秋分・冬至・夏至など、日本の風習のなかによく取り入れられています。