辞書編集者のひとりごと

第3回 人気の第二外国語とそのおすすめの辞書・教材(フランス語編)

2021年4月13日

今はちょうど春の新学期シーズンということで、「春から新しい語学を始めたい」、「大学の第二外国語は何にしよう」……そんな人のために、辞書編集者が人気の第二外国語とそのおすすめの辞書・教材を4回に分けて紹介しています。第3回はフランス語です。

フランスだけでなく、ベルギー、スイス、カナダ、ニューカレドニア、アルジェリア……世界のさまざまな地域で話されている言語です。フランス語を通して、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの文化に触れることができます。また、国際オリンピック委員会の公用語で、オリンピックとパラリンピックの会場アナウンスでは必ず耳にする言語です。英語が重要性を増す今の時代においても、国際的な存在感を放っています。

学習の楽しいところ

実は、英語はフランス語から多くの語を借用しています。そのため、英語を通じてすでに知っているフランス語の単語がいっぱいありますし、逆に、フランス語で学んだ単語が英語の理解を深めることもあります。

また、つづりと発音がほとんど一致しているので、すぐに発音できるようになります。

コマンタレブーやランデブーなど、なんとなく知っていた語や表現の意味がわかると楽しいです。特に、料理や美容の分野では、多くのフランス語が日本語に入ってきています。日本語での意味との違いにも気づくともっと楽しいですね。

学習の難しいところ

名詞に男性と女性の区別があり、これを覚える必要があります。また、名詞の性に合わせて冠詞や形容詞も変化するので、学習を始めたばかりの頃は混乱することも。

さらに、動詞が人称・数によって変化します。さらに時制や法(過去、未来、条件法など)でも変化するので、覚える形がいっぱい! 使い分けも、日本語話者には難しいことが多いです。

発音は、前後の単語をつなげて発音するので、聞き取れるようになるまではいっぱい練習をする必要があります。しかし、練習を経て、流れるようなフランス語の音声から、個々の語を聞き取れるようになったとき、大きな達成感があります。

辞書・教材の選び方

●初級学習辞典

ベーシッククラウン仏和・和仏辞典

ベーシッククラウン仏和・和仏辞典 小型版

初めてフランス語を学ぶ人が楽しく学べるように作った辞書です。

動詞の活用形から引けるようにしてあったり、名詞は冠詞つきで表示してあったり(性がわかりやすい!)、フランス語初心者がつまずきやすいポイントをフォローしています。付録の「文法解説」も人気です。

初めてフランス語辞書を使う人のために、引き方ワーク(特設ページからダウンロード)がついています。

●学習辞典

クラウン仏和辞典 第7版

クラウン仏和辞典 第7版 小型版

幅広いレベルの学習者のための仏和辞典です。

語学学習に欠かせない、生きた用例が豊富で、類書中最大の約8万例が入っています。

覚えておくと便利なポイント・まとめて学習したい関連語など、学習情報が充実しています。

●ハンディな辞典

デイリーコンサイス仏和・和仏辞典

カバンに入れてもかさばらない、持ち運びに便利な辞書です。

充実の仏和7万1千項目、和仏2万5千項目が的確で洗練された訳語を中心にシンプルに記載しています。

※装丁がおしゃれな「プレミアム版」もあります。

●単語帳

仏検4級・5級対応 クラウン フランス語単語 入門

仏検準2級・3級対応 クラウン フランス語単語 中級

『仏検準1級・2級対応 クラウン フランス語単語 上級

『仏検準1級・2級対応 クラウン フランス語単語 上級』

よく使う短いフレーズ(チャンク)で発信力を鍛える好評の単語帳シリーズ。無料音声を聞いて、練習して、フランス語の力を伸ばしましょう。男性名詞と女性名詞が自然と身につく工夫や、準2級以上で出題されるディクテ(書き取り試験)対策になるテキストなど、仏検対策にぴったりです。仏検対策には、全級対応の熟語辞典『仏検対応 クラウン フランス語熟語辞典』もあります。

そのほかにも、世界のフランス語を知るための第一歩『フランコフォンの世界ーコーパスが明かすフランス語の多様性』や、フランス語文法の謎をフランス語史から紐解くコラム『歴史で謎解き!フランス語文法』があります。

筆者プロフィール

三省堂 辞書編集部

編集部から

辞書編集部のメンバーがことばについて日頃思っていることや辞書に関する Tips を「ひとりごと」として綴っていきます。ときどき大きな声で主張することもあるかもしれません。

不定期での公開です。