今はちょうど春の新学期シーズンということで、「春から新しい語学を始めたい」、「大学の第二外国語は何にしよう」……そんな人のために、辞書編集者が人気の第二外国語とそのおすすめの辞書・教材を4回に分けて紹介しています。第2回はドイツ語です。
ドイツはもちろん、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクの各国で使われている言語です。
英語と同じ「ゲルマン語」の仲間で、英単語とドイツ語の単語はよく似通っています。たとえばお酒のビールは英語だとbeer[ビア]、ドイツ語だとBier[ビーア]。推測しやすく、単語も覚えやすいですね。
つづりと発音がほとんど一致していて、いくつかの例外をのぞけばローマ読みでOKなので、日本人には比較的発音しやすい言語です。
学習の楽しいところ
ドイツ語の響きのかっこよさはよく知られています。「ボールペン」はKugelschreiber[クーゲルシュライバー]、「黒」はSchwarz[シュヴァルツ]。ああ、むだにかっこいい。
特に音楽に関心がある方には、ベートーヴェンの第九「歓喜の歌」をドイツ語で歌えるようになるのは嬉しいですね。
他にも、長い歴史のある文学や哲学、ビールとソーセージに代表される食文化、サッカー、現代の環境政策まで、さまざまな関心をとっかかりに学べるところも魅力です。
学習の難しいところ
英語と同じようなつづりでも意味が違う語もあるので、注意が必要です。Giftは英語だと「贈り物」ですが、ドイツ語ではまわりまわって「毒」の意味になりました。
名詞には男性・女性・中性の区別があり、その名詞にくっつく冠詞や形容詞なども性に応じて形を変えます。
また、文の中でその単語が持っている役割に応じて、1格(「~は」、主語)から4格(「~を」、目的語)まで形を変えます。
動詞の変化もたくさんあります。
覚えることはそれなりに多い言語ですが、学んでいくうちにだんだん身につきます。はじめから全部覚えようとせず、継続的に学んでいくことが大切です。
辞書・教材の選び方
●初級学習辞典
初めてドイツ語を学ぶ人のために工夫をこらした辞書です。
動詞の活用形から引けるようにしてあったり、名詞が冠詞つきで表示してあったり(性がわかりやすい!)。
付録の「文法解説」もわかりやすいと人気です。
初めてドイツ語辞書を使う人のために、引き方ワーク(特設ページからダウンロード)がついています。
●学習辞典
幅広いレベルの学習者のための、本格的な学習独和辞典です。
用例がたっぷり入っているので、語の用法・イメージをしっかり把握できます。
巻末の付録「文法小辞典」「発音解説」「正書法解説」は圧巻の充実度。
●ハンディな辞典
カバンに入れてもかさばらない、持ち運びに便利な辞書。
ポケット版でありながら、学習辞典を上回る圧倒的な収録語数を誇ります。
的確で洗練された訳語を中心に、必要な情報をシンプルに記載しています。
※装丁がおしゃれな「プレミアム版」もあります。
●単語帳
使いやすさと見やすさで大好評の、ドイツ語単語帳のトップセラー。
セクションごとに関連する単語をまとめており、覚えやすく、学習のペースをつかみやすい構成になっています。
「ドイツ語技能検定試験」の5級から3級まで、この1冊で対応できます。