どういう意味?
『全訳読解古語辞典辞典 第三版』には、「(易で陽の数である「九」が重なるところから)陰暦九月九日の節句。菊の節句」とあります。
もう少し詳しく…
『全訳読解古語辞典』では、語釈のあとに「読解のために」というコラムがあります。そこでは以下のように書かれています。
易では奇数を陽とし、偶数を陰とする。五節句の一月七日(=人日じんじつ)、三月三日(=上巳じょうし)、五月五日(=端午たんご)、七月七日(=七夕)、九月九日(=重陽)の、いずれも奇数月・奇数日であるが、九は陽数の極であるところから、九月九日を特に重陽と呼ぶのである。(後略)
ちなみに…
同じく『全訳読解古語辞典』で「菊」をひいてみるとその周辺には菊の節句にまつわるいろいろなことが載っています。
「菊」には「①植物の名。中国から渡来し、奈良時代にはすでに、重陽(ちょうよう)の節句(=陰暦九月九日)に不老長寿の薬とされる菊酒を飲むことが宮中で行われた。『万葉集』の歌には詠まれず、秋を代表する花となるのは平安時代から。とくに白菊が、寒さで赤く変色するのを賞美した」との情報が。
「菊の酒」「菊の露」(菊の花の上にたまる露)は長生き、「菊の綿」(菊の花にかぶせて、花の香と露をしみこませた綿のことだそうです。なんとステキな!)は体をぬぐうと老いをぬぐいさる…「菊」の効用が「古語辞典」でわかるというのはおもしろいですね。
*旧暦九月九日は今年は10月19日になります。