どういう意味?
『大辞林 第三版』では「二十四節気の一。太陽の黄経が225度に達する時をいい、太陽暦で11月8日ごろ。十月節気。「冬立つ」ともいう。[季語]冬。《風ひびき ─ の不二痩て立つ / 水原秋桜子 》」とあります。
もう少し詳しく…
「立春」「立夏」「立秋」も、それぞれ「立」がついて、その季節の始まりを意味します。『新明解国語辞典 第六版』で「りつ」をひいてみると赤い文字で「りつ(立・律)→【字音語の造語成分】」とあります。そして、すぐ近くに赤い囲みで「立」「律」について造語成分となるときのその漢字の意味が書いてあります。たとえば「立」には「季節の変わり目になる」というふうに。
いつごろのことを言うの?
『大辞林』にあるように、太陽暦では例年11月8日ごろです。
時候のあいさつに使うなら…
「立冬の候」「立冬の砌(みぎり)」のほかに、しばらくすると「立冬も過ぎ…」という表現も使われます。
ちなみに…
今朝の冬
『ホトトギス新歳時記 改訂版』を見ると「立冬」の項には「今朝の冬」「冬立つ」「冬に入(い)る」「冬来(きた)る」と挙げられています。あとの三つは想像がつくとして「今朝の冬」も「立冬」のこととは! と思って『大辞林 第三版』をひいてみると、ここにも「俳句で、立冬の日の朝。引き締まった寒さの感慨をいう語。[季語]冬。」とあります。「今朝の春」もありますが、こちらは新年元日になります(陰暦では新年と立春は同じころだったため)。
二十四節気とは…
二十四節気は二十四気(にじゅうしき)ともいい、『新明解国語辞典 第六版』に「黄経〔=太陽の黄道上の位置〕によって、一年を二十四〔=各十五日〕に区分した、中国伝来の陰暦の季節区分。二十四節。二十四節気。節気。」とあるように、古く中国から日本に入ったものです。中国の黄河流域の気候に合わせた言葉であるため、日本の気候とは若干ずれますが、立春・立秋・春分・秋分・冬至・夏至など、日本の風習のなかによく取り入れられています。