−語法記述編: 類義表現−
状況・様子・結果などについて漠然と質問をする際,日本語では「どう」「どんな」「何」が用いられるが,英語では how や what が用いられることが多い。ただ,どういった場合に how を使い,どういった場合に what を使えばいいかは迷うことが多い。「どうすればいいかわからなかった」は I didn’t know what to do. で表現できるし,「あなたの名前は何と読みますか」は How do you say [pronounce] your name? で表現できるように,必ずしも「どう」と how,「何」と what が対応するとは限らないからである。
一般的には,how は形容詞・副詞について尋ねる疑問文に,what は名詞について尋ねる疑問文に対応する。“How does it taste?”(それはどんな味がしますか)は “taste C” のように形容詞補語が続くことを想定した疑問文で,例えば “It tastes salty.”(塩辛いです)のような返答を期待している。一方,“What does it taste like?”(それは何の味がしますか)は,“taste like A” のように,前置詞 like の後に名詞が続くことを想定した疑問文で,例えば “It tastes like chicken.”(鶏(とり)の味がします)のような返答を期待している。
『ウィズダム英和辞典』(第2版)では,効率的に学習ができるよう,コーパスで how 及び what と相性のよい動詞を調査し主なものを,通例 how を用いるもの(look, sound, explain, rate, taste, spell, define, put it, pronounce),通例whatを用いるもの(look like, call, smell, taste like, consider),how と what のいずれも可能だが意味用法が異なるもの(think, feel, like, find, see, mean, say)の3種類に分類した上で示しておいた。