辞書・ことば企画:10分でわかる「パラダイム」
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10分でわかる「パラダイム」の意味と使い方

【どういう意味?】

ある時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」のことです。

【もう少し詳しく教えて】

パラダイム(paradigm)とは、ある時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」のことです。狭義には科学分野の言葉で、天動説や地動説に見られるような「ある時代を牽引するような、規範的考え方」をさします。このような規範的考え方は、時代の変遷につれて革命的・非連続的な変化を起こす事があり(=天動説から地動説への変化など)、この変化をパラダイムシフトと呼びます。シフト前後の考え方に対して、優劣などの価値判断を行わない概念である点に注意してください。

ところでパラダイムと呼ばれる「物の見方や捉え方」には、いくつかの特徴があります。第 1 にパラダイムは、ある時代や分野において「多くの人に共有されて、支配的な規範として機能」します。また第 2 に、異なるパラダイムの間では「互いの考え方が相容れない」場合もあります。そして第 3 に、パラダイムは時に「革命的で非連続的な交代」を遂げることがあります。以上のような特徴を持つ「物の見方や捉え方」を表現する場合に、パラダイムの語が好んで用いられるようです。

【どんな時に登場する言葉?】

科学・思想・産業・経済など、さまざまな分野で用いられる言葉です。例えば科学(物理学)の分野では、かつて「ニュートン力学からアインシュタイン相対論へ」のパラダイムシフトが起きています。また産業の分野では、現在「大量生産・大量消費社会から持続可能な社会へ」のパラダイムシフトが起きているようです。総じて「現状を打破するような、現状とは異なる枠組み」が求められているような時に、パラダイムの語が用いられているようです。

【どんな経緯でこの語を使うように?】

現在の意味のパラダイムを最初に用いたのは、科学史家のクーン(Thomas S. Kuhn)でした。クーンは著書『科学革命の構造』(1962年)の中でこの語を登場させ、「科学とは累積的に一定方向に成長するのではなく、時代によってパラダイムを変化させるもの」という新しい史観を提示したのです。この考え方が、科学のみならず思想・哲学の分野においても大きな影響を与え、最終的にはその他のあらゆる分野でも用いられる言葉になりました。

【パラダイムの使い方を実例で教えて!】

パラダイムシフト
その時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」が、革命的かつ非連続的に変化する場合、そのような変化を「パラダイムシフト」「パラダイムの転換」などと呼びます。
パラダイムシフトの背景には、以下のような動きが起こっています。まず旧パラダイム(例; 天動説)が支配的な時代は、多くの人(科学者)がその前提の下に問題解決(研究)を行い、一定の成果を上げます。しかしながらその前提では解決できない例外的な問題(惑星の動きがおかしい)が登場します。このような問題が累積すると、異端とされる考え方の中に問題解決のために有効なものが現れ、解決事例が増えていきます。そしてある時期に、新パラダイム(地動説)を拠り所にする人(科学者)の数が増えて、それを前提にした問題解決(研究)が多く行われるようになるわけです。以後、以上の動きが繰り返されます。
○○パラダイム
ある特定の分野におけるパラダイムを表そうとする場合、「○○パラダイム」という表現を用いる事が出来ます。例えばビジネスパラダイム、経済パラダイムなどの応用例があります。ちなみに近年、ビジネスや経済の分野では「年功序列主義から成果主義へ」「地域経済からグローバル経済へ」などのパラダイムシフトが多く起こっています。

【言い換えたい場合は?】

辞書などでは「規範・模範・範例・典型・理論的枠組み」などの訳語が用いられていますが、どれもパラダイムを表すには不十分な言葉かもしれません。また残念ながら、定まった訳語も存在しないのが現状です。ここは面倒でも「パラダイム(ある時代や分野において支配的な物の考え方)」などのような注釈表現を考えてみてください。もっとも、パラダイムのニュアンス(共有性/規範性/排他性/非連続性)を厳密に表さずに済むような場合も多いので、その場合は「枠組み」などの代替表現を試して下さい。

【雑学・うんちく・トリビアを教えて!】

語形変化表パラダイムには「語形変化表」という意味があります。日本語では、用言の活用表がこれにあたります。例えばカ行五段活用「書く」の場合、未然形「か・こ」、連用形「き・い」、終止形「く」、連体形「く」、仮定形「け」、命令形「け」となります。

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