どういう意味?
『大辞林 第三版』には「①二十四節気の一。太陽の黄経が195度に達した時をいい、現行の太陽暦では10月8日頃。露が冷たく感じられる時季。9月節気。②晩秋から初冬の頃の露。冷たい露。」とあります。
もう少し詳しく…
「白露」(バックナンバー9/7)では「大気が冷え、草木に露が置くようになるのが「白露」」と書いていますが、その大気がさらに冷えて、露がおりるだけでなく冷たくなるころが「寒露」です。
いつごろのことを言うの?
今年は10月9日ですが、例年10月8日前後になります。また、10月9日から24日(霜降)までを言うこともあります。
時候のあいさつに使うなら…
「寒露の候」とすれば時候のあいさつにも使うことができます。
ちなみに…
「清秋」(バックナンバー10/6)のところでやったように、「青空文庫」のサイト内検索で「寒露」をひいてみると……。
国木田独歩の「武蔵野」に「九月十九日――「朝、空曇り風死す、冷霧寒露、虫声しげし、天地の心なお目さめぬがごとし」」、島崎藤村の「夜明け前 第一部上」には「年々寒露(かんろ)の節に入る日を会日と定め、金二分とか、金半分とかの会費を持ち寄って、地方にいて書籍を購読するための書籍講というものを思い立つものもある。」のように使われているのがわかります。
前者によって「寒露」の寒そうな寂しそうな様子が想像できます。後者は「寒露」が「節」であることがわかります。いまいちわからないことばがあるときに、コーパスは用例を示してくれるので役に立ちます。ただ今回はうまく出てきましたが、前回も書いたようにある程度のバランスと量とそれを判断する目が必要なようです。
二十四節気とは…
二十四節気は二十四気(にじゅうしき)ともいい、『新明解国語辞典 第六版』に「黄経〔=太陽の黄道上の位置〕によって、一年を二十四〔=各十五日〕に区分した、中国伝来の陰暦の季節区分。二十四節。二十四節気。節気。」とあるように、古く中国から日本に入ったものです。中国の黄河流域の気候に合わせた言葉であるため、日本の気候とは若干ずれますが、立春・立秋・春分・秋分・冬至・夏至など、日本の風習のなかによく取り入れられています。