どういう意味?
『大辞林 第三版』には「①秋の終わり頃。晩秋。暮れの秋。[季語]秋。②陰暦九月の異名。」とあります。
もう少し詳しく…
「初秋」(バックナンバー8/24)や「仲秋」(バックナンバー9/12)でも書きましたが、四季のそれぞれの三か月を「孟(または初)」「仲」「季(または晩)」をつけて呼ぶ場合、「季(または晩)」はその終わりの月をさします。「暮」も同様にその終わりごろをさし、「暮春」といえば陰暦三月の異名になります。季語で「暮れの秋」と言えば「暮秋」と同じ意味になりますが、「秋の暮れ」といえば「秋の夕暮れ」のことで、「枕草子」のころから詠まれた情景となります。
いつごろに適したことば?
陰暦九月は今年にあてはめると10月11日から11月9日です。11月10日になると暦の上では「冬」です。
使用例は?
「暮秋の候」「暮秋の砌(みぎり)」など
似た表現は?
「季秋」「晩秋」などがあります。「季秋の候(みぎり)」「晩秋の候(みぎり)」も時候のあいさつとして使えます。
ちなみに…
陰暦九月の異名
『三省堂WebDictionary』(*)は全文検索が可能です。語釈の中に「陰暦九月」と出てくるものを探してみます。まずは検索窓に「陰暦九月」と入れて、全文検索をチェック、辞書はひとまず『スーパー大辞林3.0』をチェック。すると23件が該当します。重陽の節句やほかを表す語もひっかかるので、それらを目で振り分けると「色取り月」「菊月」「季秋」「玄」「梢の秋」「太衝」「長月」「寝覚め月」「晩秋」「涼秋」などが該当します。『大辞林』に出ているだけでも、こんなにもいろいろな言い方があるんですね。こういう探し方は冊子体の辞書では難しかったのですが、辞書が電子媒体の世界にひらかれ、「検索」という方法と結びつくようになって可能になりました。
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