[意味]
人や企業、地域を応援するために商品などを購入する消費活動。
[補説]
東日本大震災以降、被災地を応援し支援する意味で使われ始め、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、なじみの店を応援するような場合にも広く使われるようになった。
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2020年上期(1~6月)の日経MJヒット商品番付で「応援消費」が東の大関になりました。新型コロナウイルスの感染拡大で、来店客数が激減し収入の面で大打撃を受けた飲食店などを支える動きが消費者の間で広がっています。
コロナ禍、こうした動きを捉え新聞でも「応援消費」の使用が増えました。記事データベースを見ると、この語が多く使われ出したのは2011年の東日本大震災がきっかけで、日本経済新聞での初出は2011年4月1日付の朝刊でした。被災地域の産品の購入や、売り上げの一部を被災地支援に寄付するという商品を買うことで、被災者・被災地を応援するという消費者の動きが見られました。日本経済新聞・日経産業新聞・日経MJ・日経ヴェリタスでの出現記事件数は2011年が震災関連を中心に43件の使用例があり、その後は減少傾向だったのが、2020年にコロナ関連で増えています。
東日本大震災の時と比べると、「応援消費」のやり方にも変化が見られます。料金の前払いという形で、店舗などの当座の資金を援助するといった方法などです。宿泊施設なら新型コロナが収束した後に使用できるチケットや、飲食店なら事態が落ち着いたころに使えるクーポンなどを販売。これらを購入することでお店を応援するというものです。
事態が落ち着いたころになじみの店に行こうと思っていたら、いつの間にか閉店していたということが実際に身の回りで起きています。連日、客で埋まっていた繁盛店や老舗も廃業を余儀なくされたという報道も目に付きました。「応援消費」と言わなくても済むような日常に早く戻れることを多くの人が願っています。
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新四字熟語の「新」には、「故事が由来ではない」「新聞記事に見られる」「新しい意味を持った」という意味を込めています。