模範新英和大辞典
大正8年(1919)3月30日刊行
神田乃武・横井時敬・高松豊吉・中村達太郎・江木衷・寺野精一・有賀長雄・肝付兼行・神保小虎・平山信共編/本文1906頁/三六判変形(縦170mm)
明治44年(1911)の『模範英和辞典』を改訂した中型の英和辞典。書名に「新」だけでなく「大」が加えられたにもかかわらず、判型やページ数に大幅な違いはない。編者の10人は前著と同じ顔ぶれだが、樫田亀一郎・藤岡市助の2人が消えた。
前著を継承しているため、基本的な方針は同じである。見出しにウェブスター式の発音記号を表示し、語釈はカタカナ交じり文。常に大文字で書き始める語には「‖」を付し、多く使用しない語には「†」が付された。そして、日本的英語表現の熟語は“ ”で括って例示してある。
本書は1頁が60行で本文1906頁だから、単純計算すると11万4360行ある。前著の初版は1頁が56行で本文1843頁、10万3208行になり、増加は1万1152行(186頁分)となる。しかし、大正5年に増補された263頁を加えると合計11万7936行になり、3576行(60頁分)の減少となる。
本書の本文1ページには5項目で46行あり、その部分が前著では3項目の9行だった。Catは11行から19行に増えている。4行目までは同一で、5行目以降の熟語が増えたのである。Dogは12行で変化なし。改訂によって行数が増えている項目があり、大正5年の増補も本文に反映させているから、合計行数の減少は項目の削除も行われたことを物語る。
付録の「略語解」「英米常用他国語句」「外国地名人名一覧」「外国地名用語解」「外国貨幣表」「度量衡表」は前著と同じ。2色刷りだった「類語及対語」がなくなり、前付の「発音符号表」は2色から黒1色になった。
●最終項目
Zyxomma, n. 【動】一種ノ蜻蛉(トンボ)[印度産].
●「猫」の項目
●「犬」の項目