日華会話辞典
昭和15年(1940)6月25日刊行
三省堂編輯所編/本文338頁/三五判(縦146mm)
本書は中国語会話のための辞典である。約5000の単語や短文が収録された。
扉とカバーには「両国人共用」と記してある。ページの左側に日本語、右側に中国語を載せ、両方ともカタカナを振って読み方を示す。中国語にはローマ字も添えられ、正確な発音が分かるようになっている。また、四声(アクセント)を表す記号も付けられた。
従来の会話書などでは、場面ごとに使う会話が分類されていた。本書では、五十音順で単語ないし句を引けば、それを含む短文や関連した短文も引けるようにしてある。アイディアを出したのは三省堂編輯所の所長だった平井四郎、監修は東京高等師範学校教授の魚返善雄である。
昭和15年は、三省堂の創業60年にあたり、年間出版点数は同社の最高を記録した。三省堂による中国関係の語学書は、昭和13年に『華語要訣』、14年に『興亜支那語読本』、15年に『支那時文研究』、16年に『華語基礎読本』『双訳華日語法読本』『支那言語学概論』、17年に『現代支那語法入門』『支那語の発音と記号』、18年に『支那文法講話』が刊行されている。
●最終項目
●「猫」の項目
●「犬」の項目