「はんなり」は京都弁として有名になりました。本来は「落ち着いたはなやかさ」を表わすことばだそうです。インターネットの「グーグルマップ」Google mapsの機能を活用して、アルファベットの“hannari”で検索すると、関西だけでなく全国各地で使われることが分かります。
【図1】には出ていませんが、沖縄にもう1箇所あります。また範囲を世界に広げると、アメリカの店名や、「hannari tofu」で使われていることが分かります。関西方言が今や海外の店名などに進出しているのです。「OKINI」「MAIDO」も海外で使われます(第127回参照)。
「グーグルインサイト」Google insightsは、もっと強力です(第167回参照)。使われ方が色の濃さで出るだけでなく、グラフに最近数年間の推移が出るのです。アルファベットの“hannari”で検索すると、【図2】のように日本とアメリカの使用がくっきり出ます。また【図2】上のグラフで、青線の“hannari”が2007年に現れ、2008年に急増したことが分かります。赤線のひらがなの「はんなり」も2008年に急増しました。最近の方言進出が示されています。
国内の分布を見るグーグルマップは「鳥の目図」(鳥瞰図)といえますが、過去までさかのぼり未来まで予測するグーグルインサイトは「魔女の目図」といえます。