新しい年2013年(平成25年)が明けて、早くもひと月が過ぎようとしています。
暦も近年は、1年の全12か月が1枚に記載されたものや、ひと月またはふた月が一覧できるような「カレンダー形式」のものが多くなり、昔のような、1日ごとに剥いでいく、いわゆる「日めくり式」の暦はほとんど見なくなってしまいました。
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各地の方言を取り上げた、「方言カレンダー」もいろいろと作られているようですが、そのひとつに、国立国語研究所名誉所員の佐藤亮一さんの監修になる「日本の方言」カレンダーがあります。(第170回で、新潟県長岡市の「方言カレンダー」を紹介)
折りたたむと、縦15cm×横21cmのコンパクトな大きさですが、実際にはそれを開いて壁などに掛けて使います。作ったのは「マイケア」という健康食品の会社で、10万部作成したということです。
各月の絵は、3人のイラストレーターが描き、その絵にふさわしい「方言」が一語、上段に大きく示され、下段には小さい字で、関連する語が10語~10数語挙げられています。
佐藤さんによると、制作に当たっては、次のような苦労があったということです。
主要部分(毎月の絵と方言)は企画・制作者(凸版印刷)が方言を選びましたが、用例の大部分と関連語(その他の各地の方言)はすべて私が選びました。47都道府県をまんべんなくという要望でしたので大変でした。私が 監修した『標準語引き 日本方言辞典』(小学館)を全面的に利用し,『都道府県別 全国方言辞典』(三省堂)も参考にしました。
1月の例は、たくさんのおせち料理を囲んで家族がそれを食べており、下の段には味についての関連語が並んでいます。
愛知県 「うみゃあ」 意味:美味しい
「おせち、うみゃあ」(おせち、美味しい)■甘い んめー(秋田県) あまちころい(和歌山県)
あまったらしー(島根県)
■塩辛い おっぱい(茨城県) しょっぱやい(山梨県)
くどい(石川県) しおはい(高知県)
■酸っぱい すっけ(山形県) すっすい(富山県)
すい(岐阜県) ぎすい(香川県)
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2⽉以降は、次のようになっています。
2月 青森県「あずましい」(意味:心地いい、気持ちいい)
3月 広島県「はぶてる」(すねる)
4月 香川県「お腹がおきた」(お腹いっぱい)
5月 山梨県「ぼこ」(子ども)
6月 京都府「いらう」(触る、いじる)
7月 沖縄県「はいさい/はいたい」(こんにちは)
8月 岡山県「ぼっけぇでけぇ」(すごく大きい)
9月 福島県「さすけね」(大丈夫よ)
10月 鹿児島県「おじゃったもんせ」(いらっしゃいませ)
11月 栃木県「こわい」(疲れた)
12月 北海道「したっけね」(じゃあね)
毎月変わるこれらの方言(=代表語12語+関連語12か月で計144語。合計156語)をながめているうちに、次々に月日が流れていき、そのようにしてまた1年が過ぎて行きます。
ことしもどうぞよい年でありますように…。