今回は,“動く”方言エールを紹介します。ポスターや看板などの,場所が固定された掲示物と異なり,動くので,見る人も多くなります。
まずTシャツです。第156回に「②F がんばっぺす! みやこ(Tシャツ)」【写真1】(第156回での写真はクリックでエールの部分だけ表示されます)を紹介しましたが,最近,方言エールをプリントしたTシャツが多く見られます。Tシャツなので,着ている人が動けば,方言エールも一緒に動きます。
方言エールは,胸側,背中側の両方ともあります。第156回で紹介した例は左胸に小さく(楕円の長径約10cm)ですが,最近のものは,胸側でも背中側でも大きく描いています。
描かれる方言エールは,基本的なもので,上の「がんばっぺす! みやこ」や「がんばっぺ東北」【写真2】があります。「がんばっぺ東北」は関連するステッカー類も発売されています【写真2~クリック】。
また,ローマ字の「Ganbappe 3.11」【写真3】もあります。袖にはかなと漢字の表記もされ,やはり,ステッカーもあります【写真3~クリック】。
派生形もあります。たとえば,近年流行の当て字的な書き方による「顔晴っぺ宮古」です。読み方は,「ガンバッペ」ですが,この書き方には,顔が晴れ晴れするように,悲しみを乗り越えて,の意味があるといいます。
別のことばでは,「負げねぞ釜石」や「がんばっつぉ!! 宮古」【写真4】があります。
方言ではなく,なんと英語も登場しました。「REVIVE MIYAKO」(私の訳で『よみがえれ宮古』とします)【写真5】です。岩手県宮古市に救援に駆けつけた各都道府県警察に感謝したTシャツです(「MPD」は,Metropolitan Police Department=警視庁=東京の警察)。
“動く”と言えば,バスもありました。高速バスの後ろに「けっぱれ! 東北!!」とありました【写真6】。
現在,Tシャツは,10枚程度から,オリジナルを注文して作成できます。ユニフォームにしているグループも多くあります。つまり,方言エールTシャツは,いくらでも作ることが可能なのです。バスに出会うことがあるかもしれません。皆さんも見つけましたら,私たちに教えてください。