茨城県の水戸市・石岡市・つくば市から京都市・大阪市(梅田,天王寺など)方面を結ぶ夜行高速バス(関東鉄道株式会社と近鉄バス株式会社による共同運行)があります。その名も「よかっペ号」【写真1】。「~っぺ」は茨城県また千葉県の方言を特徴づけると言ってもいいくらい,両県では勢力のある語法です。
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Googleトレンドで調べてみると、2010年から2011年前半にかけて,「っぺ」の人気が高くなっていました。この時期でもっとも高い頃(D)の例は「茨城のおいしい魚をPRするっぺ」(日刊スポーツ)です。次にEの例は「サケは絶対帰って来っぺ」(読売新聞)、A「鎮魂・感謝がんばって生きっぺ!」(NSN産経ニュース)、C「東日本大震災・宮城・石巻へショベルを“兵庫っぺ絆”募金」(毎日新聞 ※「ショベル」についてはここでは省略しますが、おもしろい方言調査があります。)のように使われています。Bは「千葉は東京のおまけになってっぺ」(朝日新聞)です。
茨城県の水戸市に「よかっぺ餅」【写真2】(株式会社井熊総本家)があります。茨城県の方言については、第244回でも紹介しましたのでご参照ください。
編集部から
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載です。