このカタカナ語、英語で言うと???

第25回 ルーズ(1)

筆者:
2022年6月7日

「ルーズ」というカタカナ語、みなさんはどのように使っていますか?

「ルーズ」とは、基本的には「ゆるい」「ゆったりとしている」という意味ですね。でも、人の性格を描写するときには、「だらしない」「いいかげんだ」という、ネガティブな評価として使われるのではないでしょうか。「あいつは部屋もいつも散らかっているし、かなりルーズだ。」のようにいうことができますし、「時間にルーズ」「お金にルーズ」というと、時間やお金について約束や限度を守らない、だらしない感じをあらわします。

ファッションの文脈では、逆に、よい意味でゆるいときに「ルーズ」が使われるようです。

大きめサイズをルーズに着こなす

ルーズなまとめ髪

のようにいうと、ゆったりとして素敵なさまが目に浮かびます。

さて、これらの「ルーズ」を英語でいってみるとき、どのように言ったらよいでしょうか。

ルーズはloose?

まず、ルーズという日本語は、looseという英単語からできたことばだというのは間違いないでしょう。でも、実は発音も意味も、少しずつ違います。

まずは発音からみてみます。looseの発音は、/luːs/であって、×/luːz/ではありません。sのところは濁らない音なのですね。発音が/luːz/なのは、動詞のloseというまったく別の単語ですので、まずここをお間違いのないように。

意味はどうでしょうか。まず、英語のlooseの意味は、「(物理的に)ゆるいこと、ゆるんでいる状態」を指すと考えるのがよさそうです。ですから、「人の性格」がルーズだといいたいときに、looseという語を使うことは、まずないでしょう。

ゆったりとした服のことは、looseであらわすことができます。ゆったりしたシャツはloose shirtといえますし、looseの他に、baggy(袋のような)とかloose-fitting、over-sizedなどと表現してもよいかもしれませんね。

「ルーズなまとめ髪」というならloose bunとかloose updoなどというのがよさそうです。これらでGoogleの画像検索してみてください。ルーズでかわいいまとめ髪がたくさん発見できますよ。

どうすればよい?

このように、日本語の意味と英語の意味が、完全に違うというわけではなくても、ズレていることは思いのほか多いものです。このような場合は、どうしたらよいでしょうか。

実は、こういったズレも、辞書できちんと確認することが可能です。次回は、辞書をどのように見るとこのようなズレが発見できるのか、お話ししたいと思います。

筆者プロフィール

武田 三輪 ( たけだ みわ)

日本語教育能力検定合格及び420時間の研修修了。外資系企業(ダイソン・ノキア等)で日本語教育に従事し、その後大手英会話スクールで日常会話、TOEIC800点コース、ビジネス英語等を担当。早稲田大学文学学術院博士後期課程中退。大学院では日本語学を修め、辞書についても研鑽を積んだ。現在はフリーランスの英会話講師として、日本語学の知識を活かした英文法、辞書指導に力を入れながら、話せるようになることに特化した指導をしている。
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編集部から

「日本語風の発音になってはいるけど、メールはmailでしょ」
では、そのまま英語として使えるのでしょうか。
もとの英語とカタカナ語との間にズレがあるもの、そもそも英語ではないもの、カタカナ語のなかにはいろいろあります。
発信が重視される昨今、このカタカナ語、英語で言うと……そんな疑問に答える連載です。