このカタカナ語、英語で言うと???

第24回 サプライズ(2)~辞書でcheck! 編~

筆者:
2022年5月24日

前回、英語のsurpriseは他動詞であり、日本語のサプライズとは使い方が異なる、ということを述べました。

今回は、surpriseの使い方と、surprise以外にも同じパターンで使える語をいくつかご紹介したいと思います。

surpriseの使い方3種

まずはsurpriseの復習からです。surpriseが他動詞だというのは、もう覚えていただけましたね。他動詞なので、

A: The news surprised me. (そのニュースは私を驚かせた(=そのニュースに驚いた))

というふうに使います。また、これをing形を使っていうと、

B: The news was surprising. (そのニュースは(私を)驚かせるようなものだった(=そのニュースに驚いた))

のように、形容詞的に表現することもできます。図にあらわすと、こんな感じ。

それから、受動態にして、

C: I was surprised with the news. (私はそのニュースに驚かされた(=そのニュースに驚いた))

という使い方をすることもできます。こちらは、このような感じになるでしょうか。

まとめると、surpriseは、ひとつのことがらを表すのに、

A: 他動詞
B: ing形
C: 過去分詞(受動態)

という3種類の使い方をすることができるということなのですね。surpriseする側のものに着目するときは、ing形を使い、surpriseされる側を主語にするときは、受け身形である過去分詞を使うことになるのです。

Aの他動詞用法は、いちばん基本的な使い方ではありますが、少しかたく響くことがあるということは、覚えておいてください。B(ing形)とC(過去分詞)の方が、会話などではよく使われます。

このBのing形とCの受身形の使い方、整理できましたか? 図を見ると、どちらもthe newsとmeの位置、矢印の向きは、いずれも同じですね。The news was surprising.とI was surprised with the news.は、同じ事象を違う視点から表現している、ということなのです。どちらを主語にするのかによって、正しい形を選んでください。ポイントは、元になっている動詞surpriseが「驚く」という自動詞ではなく、「驚かせる」という他動詞である、ということです。

「エキサイト」や「リフレッシュ」も同じ

上にsurpriseの例を挙げましたが、このような3種類の使い方ができる他動詞は、他にもたくさんあります。tire、interest、satisfy、embarrass、confuse、encourage、disgust、amaze、convinceなどなどたくさんありますが、特に間違いが多いのが、exciteとrefreshです。「エキサイトする」「リフレッシュする」というカタカナ語があるからでしょうか。

「excite=エキサイトする、興奮する」だと思ってしまっていませんか? それが間違っているんです。exciteは「興奮する」ではなく、他動詞の「(人を)興奮させる」です。これがわかれば、

a. The rugby games were so          .

b. I was really         with the rugby games.

のどちらにing形が入り、どちらに過去分詞が入るのか、おわかりですね。(もちろんa.がexciting、b.がexcitedです!)

リフレッシュも同じです。refreshは、「リフレッシュする」ではありません。refreshは他動詞で、「(人を)リフレッシュさせる」です。辞書にもちゃんとそう書いてありますよ。

surpriseもexciteもrefreshも、他動詞です。日本語としては、「驚かせる」「興奮させる」「リフレッシュさせる」といった他動詞の形は、あまりなじみませんね。でも、英語では、どれも他動詞として使われるものですので、それぞれお手持ちの辞書で、確認してみてください。ここに慣れると、また英語を話すのが、少し楽になることと思います。

〈出典〉

  • 三省堂『ウィズダム英和辞典 第4版』 iPhoneアプリ「辞書 by 物書堂」版 (2019)

筆者プロフィール

武田 三輪 ( たけだ みわ)

日本語教育能力検定合格及び420時間の研修修了。外資系企業(ダイソン・ノキア等)で日本語教育に従事し、その後大手英会話スクールで日常会話、TOEIC800点コース、ビジネス英語等を担当。早稲田大学文学学術院博士後期課程中退。大学院では日本語学を修め、辞書についても研鑽を積んだ。現在はフリーランスの英会話講師として、日本語学の知識を活かした英文法、辞書指導に力を入れながら、話せるようになることに特化した指導をしている。
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編集部から

「日本語風の発音になってはいるけど、メールはmailでしょ」
では、そのまま英語として使えるのでしょうか。
もとの英語とカタカナ語との間にズレがあるもの、そもそも英語ではないもの、カタカナ語のなかにはいろいろあります。
発信が重視される昨今、このカタカナ語、英語で言うと……そんな疑問に答える連載です。