どういう意味?
『大辞林 第三版』には「①陰暦13日の夜。②陰暦9月13日の夜。月をまつり、枝豆や栗を供えることが多いことから8月十五夜の月を芋名月というのに対して、豆名月・栗名月とも、また「後(のち)の月」ともよばれる。十五夜・十三夜の一方の月見を欠かすことを片月見といって忌む風がある。日本固有の習俗で、かつては秋の収穫祭の一つだったと考えられている。[季語]秋。《みちのくの如く寒しや ─ / 山口青邨 》」とあります。
もう少し詳しく…
『ホトトギス新歳時記 改訂版』の「後の月」の項にもやはり同じように「陰暦九月十三日夜の月をいう。八月十五夜の月に対して後の月というのである。後の月を賞するのはわが国だけのことで、とくに十三夜を祀る理由は諸説があって定かではない。すでに肌寒を覚えるころで、月光もいよいよ澄みわたる感じがある。栗や大豆が熟れる時季にあたるのでこれを供え、栗名月(くりめいげつ)、豆名月(まめめいげつ)ともいう。十三夜(じふさんや)。」とあります。
いつごろのことを言うの?
『大辞林』にもあるように、陰暦9月13日のこと。今年2007年は今日10月23日が「十三夜」です。
ちなみに…
「十」の読みかた
『ホトトギス新歳時記』のルビでは「十三夜」に「じふさんや」と振られています。「十」は歴史的かなづかいでは「じふ」となります。
これのあとに「本」「冊」などがつき「十本」「十冊」となったとき読み方は「じっぽん/じゅっぽん」「じっさつ/じゅっさつ」とそれぞれあります。
「菊花」(バックナンバー10/18)でやったようにAND検索を試してみます。
Web版の『大辞林』で検索窓に「十/じゅっ」と入力しましょう。これはWeb版の『大辞林』ではAND検索(=「/」で区切られた複数の語が全て含まれるものを探す)になります(検索について詳しくは⇒「Dual 大辞林[Web版]検索について」をご覧ください)。そして「部分一致検索」を選択し、検索ボタンを押します。
該当するものがあまりありません。また、それぞれ「⇒」で「じっ…」へリンクがはってあります(これを「空(から)見出し」と言うことがあります)。では検索窓に「十/じっ」と入力し、「部分一致検索」をしてみましょう。こちらは数ページにわたって結果が表示されます。
現在のところ、発音としては「じゅっ」が許容されていますが、表記としては「じっ」のほうが一般的とされているということがこれによってわかります。辞書はこのような目安にもなります(ただし、その辞書の方針によって違うことがあります)。