[意味]
商品の原価を下げても品質を落とさず、価格を抑えて利益も確保するというマーケティング概念。
[対義]
付加価値
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この言葉は最近になって知りました。2023年9月25日付日本経済新聞夕刊1面(北海道版は9月26日付朝刊北海道経済面)に載った丸谷智保セコマ会長の「高齢化社会と削減価値」というコラムを読んでのことです。
高齢化社会になり、年金や生活保護など社会保障収入に依存する人が多くなっていくなかで、これまでのような付加価値マーケティングの成立は限定的になり、「削減価値」という新たな価値観を生み出さねばならないという趣旨でした。
成長する社会では付加価値の「付加」の部分は消費者が負担するものでしたが、購買力が下がる高齢化社会では消費者に無理な負担はかけられません。企業にとって、無駄を省き品質を落とすことなく低価格を実現することが重要になってきました。利益は残しつつも、消費者の立場にたった価格設定をすることこそが「削減価値」というわけです。
ある地方新聞社が購読料の改定(値上げ)に伴いデジタルサービスの拡充を告知したところ、高齢の読者から「デジタルは不要だから紙の新聞を値下げしてほしい」といった要望が相次いだとのことです。電子版に力を入れている日経の社員としては「うーん」と思わずにいられないことではありますが、年代によって読者のニーズは様々であり、なるほどなあとも思いました。
仕事などで日々使うパソコンやスマートフォン。情報機器の進化・高度化はとどまるところを知りません。便利といわれる機能が増えていっても、それについていけないおじさんとしては、必要最小限のシンプルな機能で安い製品はないものかと考えてしまいます。これも「削減価値」を求めていることになるのでしょうか。
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新四字熟語の「新」には、「故事が由来ではない」「新聞記事に見られる」「新しい意味を持った」という意味を込めています。