都にはまだ青葉にて見しかども紅葉(もみぢ)散り敷く白河(しらかは)の関
出典
千載・秋下・三六五・源頼政(みなもとのよりまさ)
訳
都ではまだ青葉として見ていたのに、紅葉が散り敷いているよ、ここ白河の関では。
注
「しか」は過去の助動詞「き」の已然形。接続助詞「ども」がつき、逆接の確定条件を表す。
参考
能因(のういん)の「都をば霞(かすみ)とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」〈後拾遺・羇旅・五一八〉という著名な歌を踏まえながら、「青・紅・白」を取り合わせて親しみを出している。
(『三省堂 全訳読解古語辞典』「都には…」)
◆参考情報
『三省堂 全訳読解古語辞典』で「もみぢ」を引くと、「もみぢ【紅葉・黄葉】(モミジ)[名]((上代は「もみち」。上二段動詞「もみづ」の連用形の名詞化)) 1 木や草の葉が赤や黄に色づくこと。また、その葉。『万葉集』では大部分が「黄葉」の字を、平安時代以降は「紅葉」を当てる。」とあります。