10分でわかるカタカナ語

第25回 トピックス

2005年7月5日

どういう意味?

「題目・話題」または「東証株価指数」のことです。

もう少し詳しく教えて

トピックスには二つの意味があります。一つ目は英語の topics から来ている「題目・話題」という意味で、これは皆さんもよくご存知の意味でしょう。もうひとつの意味は「東証株価指数」の愛称としての「TOPIX」で、Tokyo stock Price Index の略です。

どんな時に登場する言葉?

「TOPIX」に的を絞って説明します。「TOPIX」は経済・株式・投資などの分野、またそれを伝える報道の分野でよく登場する言葉です。一般にはニュース番組で、為替相場と共に紹介される場面で有名でしょう。「TOPIX」のような株価指数は、単に株式市場の動向を表すだけでなく、経済全体の動向をも見通せるため、経済を論じる幅広い分野で用いられる語になっています。

どんな経緯でこの語を使うように?

こちらも「TOPIX」に的を絞って説明します。第二次世界大戦後、東証が取引を再開したのは 1949 年(昭和 24)5 月 16 日のこと。その後、現在の「日経平均株価」である「東証第一部修正平均株価」の算出が、東証によって 1950年 9 月 7 日に開始されました(その際、指数は東証再開時に遡って算出されました)。その後、この指数は算出・発表の主体を日本短波放送(現在の日経ラジオ社)、日本経済新聞社に移して現在に至ります。「日経平均株価」の名称は 1985 年 5 月 1 日から用いられています。

この「日経平均株価」は東証再開時からの指数が継続的に発表されていることから経済関係者のなじみも深く、経済の長期的分析を行う際や、代表的銘柄の動きを把握する際によく用いられる傾向があるようです。しかしその一方「以前は銘柄の入れ替えがなかったため、産業構造の変化を反映していない」「小型品薄株の影響を受けやすい」などの問題点も指摘されていました。

これを是正すべく、1969 年(昭和 44)7 月 1 日に創設されたのが「TOPIX(東証株価指数)」。こちらは東証第一部の全銘柄の株価を加重平均して、基準時である 1968 年(昭和 43)1 月 4 日を 100 とした指数を発表することになったわけです。従って「TOPIX」は、東証市場全体の動きを把握する際などに、よく用いられる傾向があるようです。

トピックスの使い方を実例で教えて!

○○トピック(ス)

「題目・話題」の意味のトピック(ス)の場合、扱う話題の種類によって○○トピック(ス)という表現を用いることができます。海外トピックス、最新トピックス、メイントピック、ホットトピック、カレントトピック(最新の話題の意)などの用例があります。

オフトピック

会話中などで、現在の話題が主題から外れている様子のことを「オフトピック」と表現できます。ネット上では「少しオフトピ気味の話題ですが」などの表現が用いられているようです。

TOPIX 100/TOPIX 500

よく知られる「TOPIX(東証株価指数)」の他に、東証はいくつかの新指数を発表しています(TOPIXニューインデックスシリーズ)。「TOPIX」が東証第一部の全銘柄を対象にしているのに対して、新指数では「時価総額および流動性の高い銘柄」を対象にしているのが特徴です。選定銘柄の数などの違いによって「TOPIX Core 30」「TOPIX 100」「TOPIX 500」などの7指数が発表されています。

言い換えたい場合は?

トピックス(topics)を言い換える場合は、「題目・話題・主題・見出し・表題」などの表現を試してみて下さい。「TOPIX」を言い換える場合は、正式名称である「東証株価指数」を用いて下さい。

雑学・うんちく・トリビアを教えて!

「今日の主要銘柄の平均株価は……」 ニュース番組で市況を伝える際によく登場する「日経平均株価」と「TOPIX」。実はかつてNHKのニュースでは「日経平均株価」の呼称を用いずに「主要銘柄の平均株価」と呼んでいた時期がありました。公共放送であるNHKで、私企業である日本経済新聞の名称を用いる事が難しかったのです。
しかしながら 2002 年 8 月以降、NHKは「日経平均株価」の呼称を用いるようになりました。「日経 300」「TOPIX 100」などの新指数が数多く登場したこと、「マザーズ」などの新興市場が登場したことによって、「主要銘柄の平均株価」の表現が陳腐化したことが背景にあるようです。また 2001 年 11 月に東京証券取引所が株式会社化され、「TOPIX」が私企業の指標となったことから、わざわざ「日経平均株価」の表現を避ける必要がなくなったという事情もあるようです。

筆者プロフィール

三省堂編修所

編集部から

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