「観念形態」「意識体系」のことです。また、「政治的意見」や「思想傾向」をさすこともあります。
イデオロギー(Ideologie)はドイツ語から来ています。「社会集団や社会的立場(国家・階級・党派・性別など)において思想・行動や生活の仕方を根底的に制約している観念・信条の体系。歴史的・社会的立場を反映した思想・意識の体系」を意味します。また、「特定の政治的立場に基づく考え」をさします。そのほか、俗に「空理空論」という意味で揶揄(やゆ)的に用いられることもあります。
ジャーナリズムや政治、歴史、思想などの領域に頻出します。どちらかというと、人文系の言葉でしょう。哲学や社会学などの学術領域では専門用語として、限定された意味で用いられることがありますので注意が必要です。
マルクスとエンゲルスが著した『ドイツ・イデオロギー』のなかで、階級社会におけるイデオロギーを分析することによって概念規定された語として、マルクス主義思想とともに、「イデオロギー」という言葉は日本に入ってきました。そのため表面的には、階級闘争や資本主義と社会主義の対立を含意するような「政治的思想」という意味にとらえられがちです。その後、マルクス主義に対する批判から、今日では比喩的に「空論」という意味にも使われるようになりました。また、時代の経過や学術領域での研究が進み、マルクスの語彙を離れた、いわば語源的な、本来の意味でも「イデオロギー」という単語が使われることも増えてきました。
イデオロギーを漢字で表現するには、専門用語なのか、一般用法なのか、比喩なのか、文脈から判断が必要です。一般的には「観念形態」「意識体系」などのようになります。「価値体系」「思考形態」なども考えられます。また、通例として「政治的意見」「思想傾向」「主義」など、比喩的に「神話」「象徴」「机上の空論」などがあてはまる場合もあるでしょう。
初めて「イデオロギー」に専門用語として定義したのはマルクスとエンゲルスではありません。彼らに先駆け、フランスの哲学者D=ド=トラシーが、自らが探究する、観念(idea)の起源や本質を研究する学問領域を「イデオロジー」(id?ologie)と呼んだのが最初とされています。これは日本では「観念学」と訳されます。また、この学派は「イデオローグ」(id?ologue)と呼ばれ、後にフランスのリベラル主義の源流となりました。
語源はギリシャ語の「イデア」+「ロゴス」日本ではドイツ語から移入されたので「イデオロギー」というカタカナ語になりましたが、英語では「アイデオロジー」(ideology)、フランス語では「イデオロジー」(idéologie)となります。これらの語源を追っていくと、ギリシャ語で「観念」を意味する「イデア」(idea)と「言語」を意味する「ロゴス」(logos)に辿り着きます。
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