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【今週のことわざ】孟母三遷

2008年 9月 1日 月曜日 筆者: yama

今週のことわざは「孟母三遷」です。

孟母(もうぼ)三遷(さんせん)

出典

列女伝(れつじょでん)・母儀(ぼぎ)・鄒(すうノ)孟軻(もうかノ)(はは)

意味

幼児の教育には環境がたいせつであるという教え。孟子(もうし)の母が、孟子を教育するのに、最適の環境を選んで三たび住居を移したという故事に基づく。

原文

其舎近墓。孟子之少也、嬉遊為墓間之事、踴躍築埋。孟母曰、此非吾所以居処子。及去舎市傍。其嬉戯賈人衒売之事。孟母又曰、此非吾所以居処子也。復徙舎学宮之傍。其嬉遊、及設俎豆、揖譲進退。孟母曰、真可以居吾子矣。遂居之。及孟子長、学六芸、卒成大儒之名。〔その舎、墓に近し。孟子(もうし)の少(わか)きとき、嬉遊(きゆう)するに墓間(ぼかん)の事を為(な)し、踴躍(ようやく)(ちく)(まい)す。孟母曰(いわ)く、これ吾(われ)の子を居処(きょしょ)せしむる所以(ゆえん)に非(あら)ず、と。及(すなわ)ち去りて市の傍らに舎す。その嬉戯するに賈人(こじん)衒売(げんばい)の事を為す。孟母又曰く、これ吾の子を居処せしむる所以に非ざるなり、と。復(ま)た徙(うつ)りて学宮(がくきゅう)の傍らに舎す。その嬉遊するに、及ち俎豆(そとう)を設け、揖譲(ゆうじょう)進退す。孟母曰く、真(まこと)に以(もっ)て吾(わ)が子を居(お)らしむべし、と。遂(つい)にこれに居る。孟子、長ずるに及び、六芸(りくげい)を学び、卒(つい)に大儒(たいじゅ)の名を成せり。〕

訳文

(孟子(もうし)の)家は墓地の近くにあった。孟子は幼いころ、墓地で行われる躍り上がって悲しみを表す追悼の儀式や埋葬のまねをして遊んでいた。孟子の母は「ここに子供を住まわせるわけにはいかない。」と言って、市場のそばに居を移した。(すると孟子は)商人が商売のやりとりをするのをまねして遊んだ。孟子の母は「ここは子供の住むのによくない。」と言って、学校のそばに転居した。(孟子は学校で行われる)祖先を祭る儀礼や、礼儀作法のまねごとをして遊ぶようになった。孟子の母は「ここならわたしの子供を住まわしてもよい。」と安心して、ここに住居を定めた。孟子は成長すると、六芸(りくげい)(=儒教の基本経典(けいてん))を学び、立派な儒者になった。

類句

◆三遷(さんせん)◇三遷(さんせん)の教(おし)

三省堂「中国故事成語辞典」金岡照光編より
2008年 9月 1日