龍と竜の違いは?
こちらでもかっこいいと思われているのは「龍」が優勢だが、「龍」「竜」それぞれに「かっこいい」との評価があった。
「龍」には、
力が強い
大人の
親
ひげがはえた
するどい
強そう
お正月につかう(凧や年賀状か、あるいは辰に近い存在か)
とぶ
昔のリュウ
今
こわい
ドラゴン
中国とかの本格的な字
本物みたいな龍
一方の、国語の時間に習う「竜」には、
頭がいい
子どもの
ひげがない
するどくない
縁ぎ(起)良さそう
食べ物(チキン竜田・竜田揚げなどか)
今のドラゴン
昔
飛べる(羽がある)
たつ
空より下にある
現実離れしている竜
子ども向けの字
といった意識が現れた。これには、とくに地域差は出てこないようだ。隣に長崎があっても、「龍(ジャ)踊り」は、などという意見は200名の中から出てこなかった(社会人数十人でも同様だった)。
ウーロン茶は「龍」と書かれるというと、女子がウンと頷く。
宋代の金石文の資料に出てくる「龍」の象形文字を書くと、笑いの中、男子が「顔デカ!」「火を噴く」といい、
ホラーマンだ
おじゃる丸に出てくる
などと述べ、元気になる。無邪気でかわいい。「龍」は国語の時間には新出漢字としては習わない。芥川龍之介が教科書に出るのは、現場の教員が、「竜之介」に苦情を寄せるためだそうだ。坂本竜馬には苦情が来ないせいか、そのまま国語教科書に掲載された年表で「龍」と「竜」とが並んでいたことがある。「龍」は実は「襲」で習っている。いずれも右下の3本を2本で済ます誤字が多い。3本は確かに単調で多すぎの感もあり、かつては「テ」「〒」のように破調をもたらすことで、平板を避けていたものだ。今でも、人名に名残があるが、明朝体などでもそこにこだわるという規範意識の硬直化がかえって進んでいる。
躾
「なんだありゃ?」というような男子の声。(下記は、性別が分かるもの、どちらかに偏ったものに男子・女子と付けた)
くし 女子
いましめ
すたいる 女子
ほほえみ 男子
かわいい 女子
しとやか
かお 女子
きれい
さしみ
びじん
つくろう
中に「ぴゃ」という読みが、女子ばかりと思われるが3、4人に現れた。方言だろうか、いつか聞いてみたい。
名前の後に付く、
○○spは?
「エスピー」。分かる女子もいた、「先輩」だ。「○○スペシャル」などと笑いが起こる。敬称の接尾語「くん」「ちゃん」の略記「」「」も知っているような雰囲気だった。
は/か
男子は「ばか」と声を立てる。「話変わって」だと分かる女子もいた。ローマ字で書くという女子もいた。「H/K」か「S/C」(ストーリー・チェンジとのこと)か。終わった後に、男性教諭が何と読むのか聞きにいらした。女子は何かで見たという。
「因囚」が「大人」という都会のプリクラやネット上で流行っている表記は、かえって男子が引っかけクイズととらえて、解いた。聞けなかったが、「仲仔」「2娘1」も、この辺りでは使っていないのだろうか。「三二一」で「ミニー」という今時の名前も、読めた生徒がいた。自身のニックネームに「鵺」と大きく書いてきたのもなんとも中学生らしい。東京では、読めるかどうか教員に挑発してきたという話も聞く。
咾
「むつごろう」、さすが有明海の近くだ。何人もこう答えた。空港も有明佐賀空港だった。きちんと「おとな」(後述)と読めたのは約200人中2人だけ、いずれも大人の方だった。地域差にもさらに層がある。「がばい」と読んだ生徒もさすがだ。「咾」を「えび」と数名が答えたが、「蛯原」姓の本場、宮崎に近いことが関連していたのだろうか。