■十日町市で
新潟県十日町市観光協会のポスターには、ご当地のあいさつ言葉「だんだんどうも」[=こんにちは]が掲げられています。
観光PRに使われる方言は、ともすると現地では、もう廃れてしまっている場合もあるのですが、旧市街地を中心に、中年以上の方々にとっては、日常語だそうです。
それを裏付けるかのように、十日町市の広報誌の愛称にも「だんだん」が使われていました(平成17年7月10日発行分~21年 ⇒十日町市サイト内広報誌一覧ページへ)。
■語源について
ここで、「だんだん」の語源をたずねると、「道が段々になっている」の「段々」の意に行きあたり、それが、「少しずつ、かさねがさね」の意味となり、「だんだんありがとう」のように、感謝のあいさつとして使われるようになりました。江戸時代(18世紀末)に、京都の遊里で「だんだん」と省略され、西日本各地で使われてきました。(【参照】井上史雄『ご存知ですか?この方言』2012.6私家版)
この語が、十日町を中心にあいさつ言葉として使われているのは、北前船を通じて、上方文化との交渉を持っていた地域の歴史を感じさせます。
■南魚沼市で
おとなりの南魚沼でも、親しまれている表現であり、店名にあしらった例もあります。
店名に加え、看板やメッセージボード等でも方言を活用し、道行く人の目を引いています。
「食べなれ」[=お召し上がりください]
「はらくちい」[=お腹がいっぱい]
また、湯沢では、オーソドックスな方言グッズ「方言てぬぐい」が売られており、これにも、「だんだんどおも」が選ばれています。
さらに、期間限定(2012.4.29~12.31)ですが、JR只見線に、魚沼市観光協会がプッシュする観光車掌「だんだんど~も」が同乗しています。