方言グッズの定番といえば、一昔前は、手ぬぐい・のれん・絵はがきと相場が決まっていました。駅前の土産物店に行けば、いつでも手に入ると思われていたこれらの品々も、現在は、実のところ、なかなか見つけにくい物になってしまいました(主力は、このウェブでご紹介しているような物品に変わっています)。
方言絵はがきに限ってみても、戦前の方がむしろ盛んで、各地でいろいろなものが作られていました。筆者が集めたものでも、青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・富山・石川・福井・愛知・京都・大阪・広島・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島の方言絵はがきがあります(なお、方言絵はがきを中心とする方言グッズのコレクションは、山形県三川町に、故徳川宗賢先生が寄贈されたものがあります)。
戦後のものは、あまり見かけず、最近では、筆者の知るかぎり渋谷伯龍氏の作品(津軽弁がモチーフ)があるのみで、しばらく不遇をかこっていた分野なのです。
と、ここに来て、山口弁をあしらった年賀状が作られました。
干支のウシのイラストに、「え~一年になりゃえ~ね」「どね~しちょる?」「元気にしちょる?」「ごぶさたしちょります」の一言が添えられています。それぞれの一言には、ホッとさせるものがありますね。
すこし前の話ですが、「ないものは自ら作る」をモットーに、学生と共に方言絵はがきを作ったことがあります。地元の信州方言のセットと、出身者の多い新潟県版の2種です。
当時は、知り合いにもお配りして、けっこう喜ばれました。手元に残った絵はがきを見ながら、また、チャレンジしてみようかなどと思っています。