「ルーズ」というカタカナ語、みなさんはどのように使っていますか?
「ルーズ」とは、基本的には「ゆるい」「ゆったりとしている」という意味ですね。でも、人の性格を描写するときには、「だらしない」「いいかげんだ」という、ネガティブな評価として使われるのではないでしょうか。「あいつは部屋もいつも散らかっているし、かなりルーズだ。」のようにいうことができますし、「時間にルーズ」「お金にルーズ」というと、時間やお金について約束や限度を守らない、だらしない感じをあらわします。
ファッションの文脈では、逆に、よい意味でゆるいときに「ルーズ」が使われるようです。
大きめサイズをルーズに着こなす
ルーズなまとめ髪
のようにいうと、ゆったりとして素敵なさまが目に浮かびます。
さて、これらの「ルーズ」を英語でいってみるとき、どのように言ったらよいでしょうか。
ルーズはloose?
まず、ルーズという日本語は、looseという英単語からできたことばだというのは間違いないでしょう。でも、実は発音も意味も、少しずつ違います。
まずは発音からみてみます。looseの発音は、/luːs/であって、×/luːz/ではありません。sのところは濁らない音なのですね。発音が/luːz/なのは、動詞のloseというまったく別の単語ですので、まずここをお間違いのないように。
意味はどうでしょうか。まず、英語のlooseの意味は、「(物理的に)ゆるいこと、ゆるんでいる状態」を指すと考えるのがよさそうです。ですから、「人の性格」がルーズだといいたいときに、looseという語を使うことは、まずないでしょう。
ゆったりとした服のことは、looseであらわすことができます。ゆったりしたシャツはloose shirtといえますし、looseの他に、baggy(袋のような)とかloose-fitting、over-sizedなどと表現してもよいかもしれませんね。
「ルーズなまとめ髪」というならloose bunとかloose updoなどというのがよさそうです。これらでGoogleの画像検索してみてください。ルーズでかわいいまとめ髪がたくさん発見できますよ。
どうすればよい?
このように、日本語の意味と英語の意味が、完全に違うというわけではなくても、ズレていることは思いのほか多いものです。このような場合は、どうしたらよいでしょうか。
実は、こういったズレも、辞書できちんと確認することが可能です。次回は、辞書をどのように見るとこのようなズレが発見できるのか、お話ししたいと思います。