どういう意味?
全体を貫く「基本的な概念」のことです。
もう少し詳しく教えて
コンセプト(concept)は、本来「概念」を表す言葉です。しかしながら、日本語でコンセプトの語を用いる場合は、「全体を貫く基本的な概念」を表すことが多いようです。例えば「今度開店するレストランのコンセプトは“近未来”でいこう」と言った場合、レストランの店名・内外装・メニュー・広告などに、近未来的な演出を施そうという意味になります。
どんな時に登場する言葉?
企画立案が関わるすべての分野で、広くこの語が用いられています。例えば「競合優位な独自の切り口とコンセプトは何か?」(小売)「劇的空間のコンセプトはワビサビ」「ニューヨークがコンセプトのスタイリッシュ空間」(飲食)「風をコンセプトにした町おこし」(地域振興)などの使用例があります。
どんな経緯でこの語を使うように?
各分野で古くから使われている言葉のようです。一般的な辞書では「(1)概念 (2)広告で,既成概念にとらわれず,商品やサービスを新しい視点からとらえ,新しい意味づけを与えてそれを広告の主張とする考え方」(大辞林)のような説明がされていることから、広告業界で早くからこの語が使用されていたことも想像できます。
コンセプトの使い方を実例で教えて!
コンセプトを○○する
企画立案を進める際に、その基本思想を考え出す事を「コンセプトを考える・考案する・具体化する・具現化する・構築する・構成する・デザインする」などと表現できます。また、あやふやな基本思想をはっきりさせる場合は「コンセプトを明確化する」などの表現を用いる事が出来ます。
○○をコンセプトにする
企画立案を進める際に、何かのテーマを基本思想に据えることを「○○をコンセプトにする」と表現できます。例えば「使いやすさをコンセプトに、新しい携帯電話の広告を考えよう」などの言い方が出来ます。
○○コンセプト
開発コンセプト・商品コンセプト・広告コンセプト・デザインコンセプトなどの言い方をすることで、「何に関する基本思想か?」を表す事が出来ます。例えば「開発コンセプト」と表現した場合、開発の全体を通じて拠り所になるような、基本的な思想や方向性をさし示すことができます。
コンセプト○○
コンセプトショップ、コンセプトアルバムなどの言い方をすることによって、一貫した基本思想を持つ「何か」を表現できます。例えば小売の分野では、実験的で強い基本思想を持つ店舗のことを「コンセプトショップ」と呼びます。また音楽界では、ひとつのテーマやストーリーを基に制作した統一感のあるアルバムのことを「コンセプトアルバム」と呼びます。
コンセプトモデル/コンセプトカー
メーカーでは、新しい方向性をさし示すための試作品が製作されることがありますが、このような試作品を「コンセプトモデル」と呼ぶ場合があります。例えば自動車メーカーが、モーターショーなどに試作車を参考出品する場合、これを「コンセプトカー」と呼びます。
言い換えたい場合は?
コンセプトを漢字で言い換えるには「基本概念・基本発想・基本思想・基本理念」などの語を用いるのがいいでしょう。また、試しに作ってみたものを表すような語については、「試作モデル(コンセプトモデル)」とか「試作車(コンセプトカー)」などの言い換えを試してみて下さい。
雑学・うんちく・トリビアを教えて!
史上初のコンセプトアルバム ロック界では、1967年に発表されたビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が、実質的に史上初のコンセプトアルバムだと言われています。ちなみに、アルバムのコンセプト(テーマ)は「イギリス人の一日」でした