漢和新字典
明治37年(1904)3月24日刊行
重野安繹、三島毅、服部宇之吉監修、三省堂編輯所編纂/本文1452頁/四六判半裁(縦126mm)
前年に刊行した『漢和大字典』の内容を簡約化した小型漢和辞典。監修者などの名義は変わらず、語義分類の方法もおおむね同じだが、若干変えた箇所も見られる。また、音や韻が異なっていて字義も異なる場合に同じ親字を別に載せ、熟語は末の字が親字と同じものを掲載しているのも『漢和大字典』と同様である。
小型化するにあたっては親字数を減らし、用例を大幅に削っている。さらに、熟語の数もかなり減らし、改行せずに●印を付けて追い込んだ。前付には「目次」(部首索引)、「検字」(画数順)、「弁似」を載せ、後付はない。
読書・作文に必要な漢字や熟語を掲載した学生向けの小型漢和辞典として『漢和大字典』の1年後に刊行され、大正2年(1913)には14版が出ている。しかし、明治39年以降に他社からも漢和辞典が相次いで出版され、ほかはすべて熟語の頭の字が親字と同じ形式だった。そのためか、大正4年の広告でも14版のままになっていて、『漢和大字典』よりも短命に終わったようだ。
●最終項目
●「猫」の項目
●「犬」の項目