名古屋駅構内には、「名古屋うまいもん通り」【写真1】があります。土産店に立ち寄ると、「名古屋でナモ うみゃあ! といえば手羽先だがネェ~」(名古屋でね、おいしいものといえば手羽先だよ)、「じゃがいもベースでカリッとサクサク揚げたてだで いっぺん食べてみゃあ!!」(サクサク揚げたてだから 一度食べてみて!!)とニワトリがまるまる太った手羽を振りあげています【写真2】。その隣に、「どえりゃぁ うめゃぁがやぁ」(とても おいしいよ)【写真3】と、もう一羽のニワトリが自らの肉体美を誇っています。名古屋弁では、連母音(連続する二つの母音)が融合する現象が見られます。「~がやぁ」は、念押し、強意、自己主張の意味とされています。

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ほかに「うみぁーっ手羽」【写真4】というのもあって、愛知県では、「おいしい」という表現の表記に「うみゃあ!」「うめゃぁがやぁ」「うみぁーっ」などバラエティがあり、ニワトリが元気に叫んで“おいしさ”を伝えています。
箸にも「でら うみゃあ亭」(たいへんおいしい亭)【写真5】という例があります。「でら」は、「どえりゃ」の短縮形です。食の王国をうたって「愛知」を食べつくすという意気込みが感じられます。
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