宮崎の陸の玄関口、JR宮崎駅の西口前に、複合ビル『KITEN』が昨年の秋=平成23年11月3日に全館開業しました。飲食店や商業施設、市民サービス施設、オフィスやホテルなどが入っています。
宮崎商工会議所の会員企業が中心になって建設した14階建ての「宮崎グリーンスフィア壱番館」ビルがそれで、「KITEN」はその愛称です。
「KITEN」とは宮崎方言の「来てん」で、〔来てごらん、おいでよ〕という意味ですが、併せて観光や交通などの「起点」になってほしいという願いも込められています。
宮崎商工会議所が呼びかけた愛称公募に、宮崎県内から1471点、県外から2448点、合計3919点が寄せられ、1・2次審査を通過した7点の中から、最後は、宮崎で毎年キャンプをしているプロ野球・読売巨人軍の原 辰徳監督が決めたということです。
現在、このビルの2階に、応募された全作品を都道府県別に紹介したパネルや、地域別の応募数、「KITEN」の意味やロゴデザインの説明などを展示したコーナーがあります。
宮崎市ではもう一つ、宮崎県庁のすぐ側にある、県産品を販売する旧称『みやざき物産館』(昭和45年10月開業)が、ことし平成24年1月1日から方言名の「みやざき物産館KONNE」と名前を変えました(この施設については、第23回「どげんかせんといかん」のその後 を参照)。
東京には各県の観光情報や物産の紹介・販売をする施設やアンテナショップがあります(第14回 を参照)。宮崎県はJR新宿駅の南口に『新宿みやざき館KONNE』を平成10年3月にスタートさせました(第13回 を参照)。
平成19年1月の東国原英夫知事の就任で、宮崎県に関する話題がマスメディアで盛んに取り上げられ、宮崎への注目度や、マンゴーや日向夏みかん、シイタケ、宮崎牛、地鶏、焼酎、その他の農産物や海産物、工芸品などの産品の知名度が一段と上がりました。
今回は、地元・宮崎県にある同様の施設も東京のそれと名前を統一することで、よりいっそう一体感を持たせ、相乗効果を上げようと考えたものです。
「KONNE」は宮崎の方言「来んね」をローマ字表記にしたもので、〔(宮崎県に)来ない? (どうぞ)来ませんか? (ぜひ)いらっしゃいよ!〕という意味です。
東京店開業の際、平成9年9月1日から10月15日まで公募して寄せられた1157点の中から選ばれました。「KONNE」は、宮崎の方言を活かしており、多くの人に来てほしいという願いが込められていること、呼びやすいこと、などが、選ばれた理由だとのこと。
この2つに限らず、近年、方言をローマ字表記にして一見外国語ふうにしたり、「何だろう? どういう意味だろう?」と思わせて不思議さや目新しさを演出しようとする手法は、今ではすっかりお馴染みになり、定番化しています。
実際、「新宿みやざき館KONNE」の開業後、宮崎の方言だと知らない人たちからは「KONNEとは、何語なんでしょうか?」といった質問が多数寄せられ、中には「ちょっとフランス語のような響きですね」という感想もあったということです。
《参考》
①「KITEN」のホームページは //www.m-kiten.jp/ を参照。また②「新宿みやざき館KONNE」のホームページは//www.konne.jp/ を、③宮崎市の「みやざき物産館KONNE」はhttps://www.m-tokusan.or.jp/miyazaki/を参照。