どういう意味?
『三省堂現代新国語辞典 第二版』では「秋のはじめのころ。九月ごろ。初秋(はつあき)。[季語]秋[類義語]早秋・新秋[関連語]初秋・仲秋(ちゅうしゅう)・晩秋」とあります。
また『大辞林 第三版』には「陰暦七月の異名。孟秋。」ともあります。
もう少し詳しく…
『三省堂現代新国語辞典』で関連語となっているように、陰暦では春夏秋冬それぞれに「初~」「仲~」「晩~」とつけると月の表示となり、『大辞林』のような記述となります。「初」がつく月はその字の通り季節のはじめをあらわします。
「孟」も「初」と同様で、『全訳漢辞海 第二版』によると「四季で、それぞれの三か月のうち最初であるさま。《孟・仲・季の順》「孟春(=正月)・仲春(=二月)・季春(=三月)」「孟夏(=四月)」「孟秋(=七月)」「孟冬(=十月)」」とあります。
なお、「初秋」は「はつあき」とも読みますが、時候のあいさつとしては「しょしゅう」と読みます。
いつごろに適したことば?
陰暦の7月は、今年にあてはめると8月13日から9月10日です。とはいえ、現在の8月中旬あたりは気温もとても高い時期ですから、「秋ですね」というのはなかなかぴったりこないかもしれません。8月の終わりごろから9月上旬が適切でしょう。
使用例は?
「初秋の候」「初秋の折」「初秋の砌(みぎり)」「初秋の折から」「初秋の空が爽(さわ)やかな季節」「爽やかな初秋の季節となりました」など
似た表現は?
上にあるように「孟秋」「早秋」「新秋」などがあります。
ちなみに…
ほかの秋を表すことばを知りたい方は「三省堂デュアル・ディクショナリー」のWeb版『大辞林 第三版』で「初秋」をひいてみると(*)、類語情報が見られます。例えば「秋色(しゅうしょく)」や「秋涼(しゅうりょう)」「暮秋(ぼしゅう)」などが出ています。並べてみると、「秋」をあらわす表現には「暮」や「涼」がよく使われることがわかります。
(*)「三省堂デュアル・ディクショナリー」のWeb版を使用するには対象辞書(ここでは『大辞林 第三版』)を御購入の上、登録手続きが必要です。