(前回の追記)
前回「取らせる」の用例で、「ほうびを―」とありました。これは、鬼平こと長谷川平蔵のことなのです。
「神妙」の語釈と用例を見てみましょう。
テレビや映画で、鬼平が賊に言う台詞は、
「神妙にいたせ」
です。鬼平の部下が賊に言う時は、
「神妙にお縄につけ」
です。「おとなしくしろ」では、だめです。
この「神妙」ですが、現代の家庭内での使用って可能でしょうか? 夫に
「神妙にいたせ」
あるいは、
「神妙にしなさいよ」
と言える妻は、かっこいいと思いますが、
「えー、夫、一体何をしたの?」
という疑問も残る。
「神妙」を引いて、目を左にすべらせたら「しんみり」がありました。
ああ、そうです。これは本当に「しんみり」しますね。「しんみり」が発生する年齢って、だいたい何歳くらいからでしょうか。はかなさやつらさを感じてからと、新解さんはおっしゃっています。
(つづく)